到達目標
到達レベルは、授業や教科書の演習問題等を自力で解答できること。各項目は以下の通り。
1.有機化合物(ハロゲン化アルキル)の種類、命名法、各種性質、合成法、反応等を理解できていること。
2.有機反応の本質を把握するため、反応の電子論や反応機構(求核置換反応)を理解できていること。
3.立体異性体について、その種類、命名法、物理的性質を理解できていること。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 有機化合物(ハロゲン化アルキル)の種類、命名法、各種性質、合成法、反応等を理解して、その演習問題等を90%以上自力で解答できる。 | 有機化合物(ハロゲン化アルキル)の種類、命名法、各種性質、合成法、反応等を理解して、その演習問題等を70~80%自力で解答できる。 | 有機化合物(ハロゲン化アルキル)の種類、命名法、各種性質、合成法、反応等の演習問題等を自力で解答できるのが50%未満である。 |
評価項目2 | 求核置換反応と脱離反応の電子論や反応機構を理解して、その演習問題等を90%以上自力で解答できる。 | 求核置換反応と脱離反応の電子論や反応機構を理解して、その演習問題等を70~80%自力で解答できる。 | 求核置換反応と脱離反応の電子論や反応機構の演習問題等を自力で解答できるのが50%未満である。 |
評価項目3 | 立体異性体の種類、命名法、物理的性質についての演習問題等を90%以上自力で解答できる。 | 立体異性体の種類、命名法、物理的性質についての演習問題等を70~80%自力で解答できる。 | 立体異性体の種類、命名法、物理的性質についての演習問題等を自力で解答できるのが50%未満である。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
有機化合物の原子からの構成原理(結合論、構造式、異性体、分類等)、各化合物の物理的性質と反応性、合成法等について学習し、必要な問題解決に応用出来るようにする。化合物は有機ハロゲン化物を主に扱う。本科目は有機系科目の基礎として重要であると同時に生物系科目の基盤としても重要である。
授業の進め方・方法:
1.有機化合物(ハロゲン化アルキル)について、命名法、物理および化学的性質、合成法、反応等を学習する。
2.化学結合の多様性より生ずる立体異性体について、種類、命名法、物理的性質を学習する。
3.2年生の「有機化学Ⅱ」の履修内容を踏まえ、ハロゲン原子を含む複雑な有機化合物へと進む。構造式と命名法、および演習を重視する。随時学生諸君からの解答を求める演習問題や小テストを行い、各自の到達度を確認する。
試験(秋学期到達度試験40%、冬学期到達度試験40%)、小テストや課題20%として評価を行い、総合評価は100点満点として、60点以上を合格とする。
答案は採点後返却し、達成度を伝達する。
注意点:
1.有機化合物は構成する元素は数少ないが物質は多様であり、複雑にもなり、学んだことを忘れやすい。暗記も必要であるが、よく整理されて使える知識を身につけるためには、理屈を基本に考えることが大切である。
2.理解しにくい点の予習復習等、日常的・継続的な自学自習が必要である。特に演習問題や構造式の練習等を常に行うこと。
3.小テストの評価が基準点以下の場合は追課題を提出する。なお、追課題をすべて期日までに提出した者は補充試験の受験資格が与えられる。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
立体異性体(定義、キラリティとエナンチオマー) |
立体異性体について、定義・キラリティ・エナンチオマーについて理解できる
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2週 |
立体異性体(不斉炭素原子、立体配置の表示方法) |
立体異性体について、不斉炭素原子と立体配置の表示方法を理解できる
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3週 |
立体異性体(立体配置の表示方法とRS表示法) |
立体異性体について、立体配置の表示方法とRS表示法を理解できる
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4週 |
立体異性体(シス-トランス異性体のEZ表示法、偏光と光学活性) |
立体異性体について、シス-トランス異性体のEZ表示法、偏光と光学活性を理解できる
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5週 |
立体異性体(立体配置のFischer投影式とDL表示法) |
立体異性体について、立体配置のFischer投影式とDL表示法を理解できる
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6週 |
立体異性体(2個以上の不斉炭素を有する化合物、ジアステレオマー、メソ化合物) |
立体異性体について、2個以上の不斉炭素を有する化合物・ジアステレオマー・メソ化合物を理解できる
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7週 |
有機ハロゲン化物(分類、国際名と慣用名) |
有機ハロゲン化物について、分類・国際名・慣用名を理解できる
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8週 |
到達度試験(秋学期) |
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4thQ |
9週 |
有機ハロゲン化物(求核置換反応の反応形式と種類) |
有機ハロゲン化物について、求核置換反応の反応形式と種類を理解できる
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10週 |
有機ハロゲン化物(求核置換反応の反応形式と種類) |
有機ハロゲン化物について、求核置換反応の反応形式と種類を理解できる
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11週 |
有機ハロゲン化物(求核置換反応の反応機構、SN1機構とSN2機構) |
有機ハロゲン化物について、求核置換反応の反応機構、およびSN1機構とSN2機構を理解できる
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12週 |
有機ハロゲン化物(SN1機構とSN2機構、それらの比較) |
有機ハロゲン化物について、SN1機構とSN2機構を理解できる
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13週 |
有機ハロゲン化物(脱離反応の反応形式、E1機構とE2機構) |
有機ハロゲン化物について、脱離反応の反応形式、あよびE1機構とE2機構を理解できる
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14週 |
有機ハロゲン化物(置換反応と脱離反応の競合、多置換体とそれらの慣用名) |
有機ハロゲン化物について、置換反応と脱離反応の競合、および多置換体とそれらの慣用名について
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15週 |
到達度試験(冬学期) |
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16週 |
答案返却とまとめ |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学(一般) | 化学(一般) | 共有結合について説明できる。 | 3 | 後1,後9,後10 |
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。 | 3 | 後1,後9,後10 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 有機化学 | 有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。 | 3 | 後1,後9,後10 |
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。 | 3 | 後1,後9,後10 |
混成軌道を用い物質の形を説明できる。 | 3 | 後11,後12 |
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。 | 3 | 後9,後10 |
共鳴構造について説明できる。 | 3 | 後11,後12 |
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。 | 4 | 後1,後2,後3,後4,後5,後6,後11 |
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。 | 4 | 後1,後2,後3,後4,後5,後6,後11 |
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。 | 4 | 後3,後4,後5,後6,後11 |
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。 | 4 | 後9,後10,後12,後13 |
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。 | 4 | 後9,後10,後12,後13 |
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。 | 4 | 後11,後12,後13 |
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。 | 3 | 後11,後12,後13 |
反応機構に基づき、生成物が予測できる。 | 4 | 後11,後12,後13,後14 |
評価割合
| 中間試験 | 到達度試験 | 小テスト | 合計 |
総合評価割合 | 40 | 40 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 40 | 40 | 20 | 100 |