1. 物質量、分子量、濃度、溶解度などの専門用語を理解している。
2. 物質量、分子量、濃度、溶解度などの値を計算で求めることが出来る。
概要:
【開講学期】冬学期週2時間
通常の化学の授業ではどのような反応が起こるかという定性的なものが多いが、反応物や生成物の物質量や濃度を定量的に扱い知ることも非常に重要であり、今後の学生実験では必要不可欠となる。そこで物質量や濃度など化学で用いられる量や値を演習により計算できるようになることを目的とする。
授業の進め方・方法:
授業では1年生で学んだ一般化学の基礎的な化学計算の講義・演習を行う。また、「溶解度」などの専門用語を理解していないと何を計算するのかわからなくなるため、専門用語についての講義も行う。授業内で演習するとともに各自自宅で課題をこなすことにより、計算を繰り返して行い計算方法を習熟できるようにしている。
また、演習課題に応じた事前講義資料を用意し、その回の演習課題を解き、授業では解説を主として行う(反転授業)。
〇評価方法
・到達度試験70%、課題30%の割合で評価する。
・総合評価は、100点満点として、60点以上を合格とする。
・補充試験の場合は、補充試験の点数のみで合格となり、60点として評価する。
※ 補充試験は最終開講学期末の総合成績が60点未満の学生に対し1回のみ実施する。
注意点:
物質量や濃度などを計算で求める操作は、実際に実験を行う場合に不可欠となる。間違えて計算した量を用いて実験を行うと重大な事故を起こす場合もある。その点を留意して各自繰返しの計算訓練により計算技術を身につけるよう努力すること。使う数値の単位により計算結果は異なるため、単位に気をつけて計算を行うこと。電卓は常時準備しておくこと。また、自学自習の成果は、宿題、授業中の課題、到達度試験で評価する。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学(一般) | 化学(一般) | ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。 | 3 | 後3,後4 |
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。 | 3 | 後3,後4 |
原子の相対質量が説明できる。 | 3 | 後1,後2 |
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。 | 3 | 後1,後2 |
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。 | 3 | 後1,後2 |
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。 | 3 | 後1,後2 |
気体の体積と物質量の関係を説明できる。 | 3 | 後3,後4 |
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。 | 3 | 後5,後6 |
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。 | 3 | 後5,後6 |
中和反応がどのような反応であるか説明できる。 | 3 | 後11,後12 |
中和滴定の計算ができる。 | 3 | 後11,後12 |
酸化還元反応について説明できる。 | 3 | 後13 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 分析化学 | 溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。 | 3 | 後7,後8 |
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。 | 3 | 後7,後8 |
中和滴定についての原理を理解し、酸及び塩基濃度の計算ができる。 | 4 | 後11,後12 |
酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。 | 4 | 後13,後14 |
物理化学 | 気体の法則を理解して、理想気体の方程式を説明できる。 | 4 | 後3,後4 |
気体の分子速度論から、圧力を定義して、理想気体の方程式を証明できる。 | 2 | 後3,後4 |
混合気体の分圧の計算ができる。 | 4 | 後3,後4 |
熱力学の第一法則の定義と適用方法を説明できる。 | 2 | 後9,後10 |
エンタルピーの定義と適用方法を説明できる。 | 2 | 後9,後10 |
化合物の標準生成エンタルピーを計算できる。 | 3 | 後9,後10 |
平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。 | 2 | 後3,後4,後11,後12 |
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。 | 2 | 後3,後4,後11,後12 |
化学工学 | SI単位への単位換算ができる。 | 3 | 後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14 |