化学ⅡB(0267)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 化学ⅡB(0267)
科目番号 2C15 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位A: 1
開設学科 産業システム工学科マテリアル・バイオ工学コース 対象学年 2
開設期 冬学期(4th-Q) 週時間数 4th-Q:2
教科書/教材 化学Ⅰ、化学Ⅱ、化学Ⅲの教科書、教員作成資料
担当教員 新井 宏忠

到達目標

1. 物質量、分子量、濃度、溶解度などの専門用語を理解している。
2. 物質量、分子量、濃度、溶解度などの値を計算で求めることが出来る。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
専門用語の理解物質量、分子量、濃度などの専門用語を理解し、説明できる。物質量、分子量、濃度などの専門用語の大まかな内容を説明できる。物質量、分子量、濃度などの専門用語の違いがわからない。
専門用語を用いた計算条件から物質量、分子量、濃度などの値を計算で求めることができる。物質量、分子量、濃度などに関係する反応式を書くことができる。物質量、分子量、濃度などの値と計算式が結びつかない。
化学反応の理解酸・塩基の反応、酸化還元反応、反応熱を計算で求めることができる。酸・塩基の反応、酸化還元反応、反応熱の化学現象を説明できる。酸・塩基の反応、酸化還元反応、反応熱の化学現象を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

ディプロマポリシー DP2 ◎ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
【開講学期】冬学期週2時間
通常の化学の授業ではどのような反応が起こるかという定性的なものが多いが、反応物や生成物の物質量や濃度を定量的に扱い知ることも非常に重要であり、今後の学生実験では必要不可欠となる。そこで物質量や濃度、種々の化学反応(酸塩基、酸化還元など)、化学で用いられる量や値を演習により計算できるようになることを目的とする。
授業の進め方・方法:
授業では1年生で学んだ一般化学の基礎的な化学計算の講義・演習を行う。
授業形式は、講義を各自自宅で視聴して、授業内で演習を扱う、反転授業形式である。
1. 授業前に、Blackboardの音声付き動画を視聴して要点整理メモの穴埋めをして復習をする(自学自習)。
2. 配布した演習問題を各自で解く。
3. 授業で演習問題の解説を聴き、計算方法や考え方を習熟する。

〇評価方法
・到達度試験70%、配布課題30%の割合で評価する。
 ※ 課題の提出遅れは50%として評価する。
・総合評価は、100点満点として、60点以上を合格とする。
・補充試験の場合は、補充試験の点数のみで合格となり、60点として評価する。
 ※ 補充試験は最終開講学期末の総合成績が60点未満の学生に対し1回のみ実施する。
注意点:
 物質量や濃度などを計算で求める操作は、実際に実験を行う場合に不可欠となる。間違えて計算した量を用いて実験を行うと重大な事故を起こす場合もある。その点を留意して各自繰返しの計算訓練により計算技術を身につけるよう努力すること。使う数値の単位により計算結果は異なるため、単位に気をつけて計算を行うこと。電卓は常時準備しておくこと。また、自学自習の成果は、宿題、授業中の課題、到達度試験で評価する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
4thQ
9週 原子の構成 原子構造を理解し、原子番号や質量数を用いた計算や電子配置による原子構造を説明できるようになる。
10週 物質量と原子量・分子量 物質量と原子量・分子量・式量の定義を理解し、物質の質量と物質量の変換などの計算ができるようになる。
11週 気体の状態方程式 気体の状態方程式を理解し、それを用いて圧力や温度、体積を計算で求めることができるようになる。
また、混合気体について、平均分子量や平均密度を計算できるようになる。
12週 溶液の濃度、いろいろな濃度の表し方 溶液の濃度の定義を理解し、各種の濃度を計算できるようになる。
また、濃度単位の換算ができるようになる。
13週 酸・塩基反応 酸・塩基反応を理解し、中和反応やpHの計算等取り扱えるようになる。
14週 酸化還元反応 酸化・還元反応を理解し、計算等取り扱えるようになる。
15週 化学反応と反応熱 化学反応と反応熱を理解し、計算等取り扱えるようになる。
16週 到達度試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。3後3,後4,後11
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。3後3,後4,後11
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。3
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。3
原子の相対質量が説明できる。3後1,後2,後9
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。3後1,後2,後9
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3後1,後2,後10
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。3後1,後2,後10
気体の体積と物質量の関係を説明できる。3後3,後4,後10,後11
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3後5,後6,後12
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3後5,後6,後12
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。2
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。3
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。2
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。3
中和反応がどのような反応であるか説明できる。3後11,後12
中和滴定の計算ができる。3後11,後12
酸化還元反応について説明できる。3後13
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。2後7,後8,後12
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。3後7,後8,後13
中和滴定についての原理を理解し、酸及び塩基濃度の計算ができる。4後11,後12
酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。4後13,後14
物理化学気体の法則を理解して、理想気体の方程式を説明できる。4後3,後4,後11
気体の分子速度論から、圧力を定義して、理想気体の方程式を証明できる。2後3,後4,後11
混合気体の分圧の計算ができる。4後3,後4,後11
熱力学の第一法則の定義と適用方法を説明できる。2後9,後10
エンタルピーの定義と適用方法を説明できる。2後9,後10
化合物の標準生成エンタルピーを計算できる。3後9,後10
平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。2後3,後4,後11,後12
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。2後3,後4,後11,後12
化学工学SI単位への単位換算ができる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14

評価割合

試験課題合計
総合評価割合7030100
基礎的能力000
専門的能力7030100
分野横断的能力000