無機化学ⅠA(3073)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 無機化学ⅠA(3073)
科目番号 2C32 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 産業システム工学科マテリアル・バイオ工学コース 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 現代の無機化学/三共出版社 、 無機化学演習/三共出版社
担当教員 長谷川 章

到達目標

1.原子構造と原子軌道、量子数の関係を説明できる。
2.分子軌道法によって分子の構造を説明できる。
3.結晶の充填構造・充填率・イオン半径比などの基本的な計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1原子構造と原子軌道、量子数の関係を数式により説明できる。原子構造と原子軌道、量子数の関係が説明できる。原子構造と原子軌道、量子数の関係が説明できない。
評価項目2分子軌道のエネルギー準位や混成軌道による分子構造について説明でき、結合次数の説明ができる。分子軌道のエネルギー準位や混成軌道による分子構造について説明できる。分子軌道のエネルギー準位や混成軌道による分子構造について説明できない。
評価項目3結晶の充填構造や充填率、限界半径比の説明と計算ができる。結晶の充填構造や充填率、限界半径比の説明ができる。結晶の充填構造や充填率、限界半径比の説明ができない。

学科の到達目標項目との関係

ディプロマポリシー DP3 ◎ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
春学期週4時間
無機化学は、現在知られているすべての元素を取り扱う化学である。多様な化学結合によりつくられる無機化合物は様々な性質を持つ。これを体系化する基礎となるのが周期表である。元素の周期性はその電子配列に由来し、化学反応を考える上で重要なものとなっている。本科目では、原子構造、化学結合、結晶構造など無機化学における基本事項を理解する。 
授業の進め方・方法:
基礎となる原子の構造とその電子状態について学んだ上で、原子間の結合について基本事項を説明する。到達度試験80%、課題等20%の割合で評価する。総合評価は、100点満点として、60点以上を合格とする。答案は採点後返却し、達成度を伝達する。なお、到達度試験は中間の時期にも行う。
注意点:
1.無機化学ⅠAは1年の化学をさらに専門的に深く学ぶ。よって1年の化学の基礎について十分理解しておくこと。
2.講義は多くの演習をまじえて行う。また、課題や小テストも積極的に行うので予習・復習を必ず行うこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 原子の構造 原子の構成粒子について説明できる
2週 原子の種類と質量 原子質量単位について説明できる
3週 量子数と電子の状態 質量欠損の計算ができる
4週 質量欠損と原子力 質量欠損をもとに核の結合エネルギーが計算できる
5週 Bohrの水素原子模型 水素原子スペクトルについて説明できる
6週 量子数と電子の状態 量子数とオービタルの概形を関連づけることができる
7週 原子の電子配置と周期表 原子中の電子配置について説明できる
8週 原子の一般的性質 イオン化エネルギーと電子親和力の周期表の傾向を説明することができる
2ndQ
9週 共有結合 結合性、反結合性分子軌道や原子軌道のかsだなりによる分子軌道について説明できる。
10週 二原子分子の結合 分子軌道エネルギー準位や結合次数の説明ができる
11週 混成軌道 混成軌道によって分子の立体的な構造が説明できる
12週 電子対反発則 電子対反発則によって分子の構造が予想できる
13週 金属結晶 結晶格子や細密充填構造について理解しており、空間充填率の計算ができる
14週 イオン結晶 限界半径比と結晶の立体構造の関係について説明できる
15週 到達度試験
16週 答案返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)物質が原子からできていることを説明できる。3
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3
純物質と混合物の区別が説明できる。3
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。3
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。3
水の状態変化が説明できる。3
物質の三態とその状態変化を説明できる。3
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。3
同位体について説明できる。3
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。3
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。3
価電子の働きについて説明できる。3
原子のイオン化について説明できる。3
代表的なイオンを化学式で表すことができる。3
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。3
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。3
イオン式とイオンの名称を説明できる。3
イオン結合について説明できる。3
イオン結合性物質の性質を説明できる。3
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。3
共有結合について説明できる。3
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3
金属の性質を説明できる。3
原子の相対質量が説明できる。3
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。3
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。3
気体の体積と物質量の関係を説明できる。3
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。4
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。4
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。4
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。4
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。4
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。4
イオン結合と共有結合について説明できる。4
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。4
金属結合の形成について理解できる。4
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。4
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。4
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。4

評価割合

到達度試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000