概要:
春、夏学期週2時間
無機化学は、現在知られているすべての元素を取り扱う化学である。多様な化学結合によりつくられる無機化合物は様々な性質を持つ。これを体系化する基礎となるのが周期表である。元素の周期性はその電子配列に由来し、化学反応を考える上で重要なものとなっている。本科目では、原子構造、化学結合、結晶構造など無機化学における基本事項を理解する。
授業の進め方・方法:
基礎となる原子の構造とその電子状態について学んだ上で、原子間の結合について基本事項を説明する。到達度試験80%、課題等20%の割合で評価する。総合評価は、100点満点として、60点以上を合格とする。答案は採点後返却し、達成度を伝達する。なお、到達度試験は中間の時期にも行う。
注意点:
1.無機化学ⅠAは1年の化学をさらに専門的に深く学ぶ。よって1年の化学の基礎について十分理解しておくこと。
2.講義は多くの演習をまじえて行う。また、課題や小テストも積極的に行うので予習・復習を必ず行うこと。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学(一般) | 化学(一般) | 物質が原子からできていることを説明できる。 | 3 | |
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。 | 3 | |
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。 | 3 | |
純物質と混合物の区別が説明できる。 | 3 | |
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。 | 3 | |
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。 | 3 | |
水の状態変化が説明できる。 | 3 | |
物質の三態とその状態変化を説明できる。 | 3 | |
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。 | 3 | |
同位体について説明できる。 | 3 | |
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。 | 3 | |
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。 | 3 | |
価電子の働きについて説明できる。 | 3 | |
原子のイオン化について説明できる。 | 3 | |
代表的なイオンを化学式で表すことができる。 | 3 | |
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。 | 3 | |
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。 | 3 | |
イオン式とイオンの名称を説明できる。 | 3 | |
イオン結合について説明できる。 | 3 | |
イオン結合性物質の性質を説明できる。 | 3 | |
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。 | 3 | |
共有結合について説明できる。 | 3 | |
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。 | 3 | |
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。 | 3 | |
金属の性質を説明できる。 | 3 | |
原子の相対質量が説明できる。 | 3 | |
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。 | 3 | |
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。 | 3 | |
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。 | 3 | |
気体の体積と物質量の関係を説明できる。 | 3 | |
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。 | 3 | |
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 無機化学 | 主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。 | 4 | |
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。 | 4 | |
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。 | 4 | |
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。 | 4 | |
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。 | 4 | |
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。 | 4 | |
イオン結合と共有結合について説明できる。 | 4 | |
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。 | 4 | |
金属結合の形成について理解できる。 | 4 | |
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。 | 4 | |
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。 | 4 | |
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。 | 4 | |