有機化学Ⅱ(3091)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 有機化学Ⅱ(3091)
科目番号 2C33 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 産業システム工学科マテリアル・バイオ工学コース 対象学年 2
開設期 春学期(1st-Q),夏学期(2nd-Q) 週時間数 1st-Q:2 2nd-Q:2
教科書/教材 基礎有機化学/H. Hart著/秋葉欣哉・奥彬共訳/培風館/2002
担当教員 佐藤 久美子

到達目標

到達レベルは、授業や教科書の演習問題等を自力で解答できること。各項目は、以下の通り。
1.アルケン・アルキンの性質や特徴等を理解できていること。
3.アルケン・アルキンの反応と、芳香族化合物の命名法、特徴等を理解できていること。
4.有機反応の本質を把握するため、反応の電子論や反応機構(求電子付加反応、求電子置換反応)を理解できていること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
アルケン・アルキンの性質、特徴および反応等2つ以上化合物の性質、特徴および反応等を説明できる1つ以上化合物の性質、特徴および反応等を説明できる化合物の性質、特徴および反応等をまったく説明できない
芳香族化合物の命名法、特徴および反応等芳香族化合物の命名法、特徴および反応等を理解して、その演習問題等を自力で90%以上解答できる。芳香族化合物の命名法、特徴および反応等を理解して、その演習問題等を自力で70~80%解答できる。芳香族化合物の命名法、特徴および反応等の演習問題等を自力で解答できるのは50%未満である。
反応の電子論や反応機構反応の電子論や反応機構(求電子付加反応)を理解して、その演習問題等を自力で90%以上解答できる。反応の電子論や反応機構(求電子付加反応)を理解して、その演習問題等を自力で70~80%解答できる。反応の電子論や反応機構(求電子付加反応)の演習問題等を自力で解答できるのは50%未満である。

学科の到達目標項目との関係

ディプロマポリシー DP3 ◎ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
有機化合物の物理的性質と反応性、合成法等について学習し、必要な問題解決に応用出来るようにする。有機化合物はアルケン、アルキン、芳香族炭化水素を主に扱う。本科目は有機系科目の基礎として重要であると同時に生物系科目の基盤としても重要である。
【春学期週2時間、夏学期週2時間】【DP3】
授業の進め方・方法:
1.アルケン・アルキンについて、特徴とその反応等を学習する。
2.ベンゼンおよび芳香族化合物の命名法、特徴および反応等を学習する。
3.「基礎化学B」および「有機化学Ⅰ」の履修内容を踏まえ、単純な基礎を充分理解した上で複雑なものへと進む。構造式と命名法、および演習を重視する。随時学生からの解答を求める演習問題を行い、各自の到達度を確認する。
4.試験(春学期到達度試験50%、夏学期到達度試験50%)により評価を行い、総合評価は100点満点として、60点以上を合格とする。
5.答案は採点後返却し、達成度を伝達する。
注意点:
1.有機化合物は構成する元素は数少ないが物質は多様であり、複雑にもなり、学んだことを忘れやすい。暗記も必要であるが、よく整理されて使える知識を身につけるためには、理屈を基本に考えることが大切である。
2.理解しにくい点の予習復習等、日常的・継続的な自学自習が必要である。
3.成績は試験(春学期到達度試験50%、夏学期到達度試験50%)により評価を行い、総合評価を100点満点として、60点以上を合格とする。答案は採点後返却し、達成度を伝達する。
4.補充試験を実施した場合も、試験を100%とし、総合100点中60点以上を合格とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 アルケンとアルキン(幾何異性、付加反応と置換反応) アルケンとアルキンの幾何異性、付加反応と置換反応について理解し、説明できる
2週 アルケン(極性付加反応) アルケンの極性付加反応について理解し、説明できる
3週 アルケン(Markovnikov則) Markovnikov則について理解し、説明できる
4週 アルケン(求電子付加の反応機構) アルケンの求電子付加の反応機構について理解し、説明できる
5週 アルケン(Markovnikov則の意味) Markovnikov則の意味について理解し、説明できる
6週 アルケン(ホウ水素化、水素付加、共役系への付加、Diels-Alder反応) アルケンのホウ水素化、水素付加、共役系への付加、Diels-Alder反応、について理解し、説明できる
7週 アルケン(過マンガン酸塩およびオゾンによる酸化) アルケンの過マンガン酸塩およびオゾンによる酸化について理解し、説明できる
8週 春学期到達度試験、答案返却とまとめ
2ndQ
9週 アルキン(三重結合の軌道モデル、アルキンに対する付加反応、アルキンの酸性度) 三重結合の軌道モデル、アルキンに対する付加反応、アルキンの酸性度、について理解し、説明できる
10週 芳香族化合物(ベンゼンの特徴、ベンゼンの共鳴構造) ベンゼンの特徴、ベンゼンの共鳴構造について理解し、説明できる
11週 芳香族化合物(軌道、命名法) 芳香族化合物の軌道、命名法について理解し、説明できる
12週 芳香族化合物(命名法、求電子置換の反応機構) 芳香族化合物の命名法、求電子置換の反応機構について理解し、説明できる
13週 芳香族化合物(求電子置換の反応機構) 芳香族化合物の求電子置換の反応機構について理解し、説明できる
14週 芳香族化合物(o-,p-配向基、m-配向基) 芳香族化合物のo-,p-配向基、m-配向基について理解し、説明できる
15週 芳香族化合物(置換基の配向効果、多環式芳香族化合物) 芳香族化合物の置換基の配向効果および多環式芳香族化合物について理解し、説明できる
16週 夏学期到達度試験、答案返却とまとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。2前10
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。2前11,前12
σ結合とπ結合について説明できる。2前11
混成軌道を用い物質の形を説明できる。2前9,前11
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。1前11
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。1前1,前10
共鳴構造について説明できる。2前6,前10
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。2前1,前10,前14,前15
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。2前1
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。2前1
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。2前2,前9
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。2前2,前7,前9
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。2前3,前4
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。2前4,前6,前12,前13,前14
反応機構に基づき、生成物が予測できる。2前5,前15

評価割合

春学期到達度試験夏学期到達度試験合計
総合評価割合5050100
基礎的能力000
専門的能力5050100