分析化学Ⅰ(3105)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 分析化学Ⅰ(3105)
科目番号 2C35 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 産業システム工学科マテリアル・バイオ工学コース 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 図解とフローチャートによる定性分析(第二版)/浅田誠一ほか著/技報堂出版 図解とフローチャートによる定量分析(第二版)/浅田誠一ほか著/技報堂出版
担当教員 門磨 義浩

到達目標

1.定性分析における、分属の理論がわかること。
2.定量分析における標準溶液の調整など基礎的事項を理解すること。
3.容量分析、重量分析の理論を理解し、定量計算ができること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1定性分析における、分属の理論がわかり、各属に所属するイオンとその分属の化学反応式が書ける。定性分析における、分属の理論が理解できる。定性分析における分属の理論を理解していない。
評価項目2定量分析における標準溶液の調整法とその計算ができ、基礎的事項を理解している。定量分析における標準溶液の調整法など基礎的事項を理解している。定量分析における標準溶液とは何か、など基礎的事項を理解していない。
評価項目3容量分析、重量分析の理論を理解し、定量計算およびその応用問題が解ける。容量分析、重量分析の理論を理解し、定量計算ができる。容量分析、重量分析の理論の理解ができないため、定量計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

ディプロマポリシー DP2 ◎ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
【開講学期】春学期週2時間、夏学期週2時間
 分析化学とは、物質中に含まれる成分の種類や量を求めるための方法の開発や、その基礎理論を研究する学問分野である。分析は、全科学分野で重要なものであるため、分析化学の基礎を必ず理解しておかなければならない。本科目では、化学分析の基本である定性分析と、定量分析(容量分析、重量分析)の理論を理解し、定量計算ができることを目標とする。
授業の進め方・方法:
 定性分析について分属の理論を学ぶ。定量分析の基本操作や器具について学び、また、容量分析、重量分析の理論を理解し、定量計算を行う。
 到達度試験100%(中間試験50%、期末試験50%)の割合で評価する。総合評価は100点満点として60点以上を合格とする。補充試験の場合は、試験の点数のみで合格となる。答案などは採点後返却し、到達度を確認させる。
注意点:
 定量分析では、さまざまな濃度計算を行うため、電卓を常に用意しておくこと。含有率や純度などの計算は本に書いてある式に単に代入して求めるのではなく、自分で道筋を立てて求めていくこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 分析化学と定性分析、陽イオンの分属 定性分析における分属の理論を理解し、分属反応式が書ける。
2週 陽イオンの分属のまとめ、定量分析の基礎(単位、数値の読み取り方、有効数字) 定性分析における分属の理論を理解し、分属反応式が書ける。
体積や濃度等の種々の単位の変換、適切な実験数値の取り扱いができる。
3週 定量分析の基礎(化学用体積計、標準物質と標準溶液、濃度、ファクター) 化学用体積計の特徴や、標準物質の重要性を理解し、標準溶液の調製における濃度、ファクターの計算ができる。
4週 中和滴定(pH指示薬、pH滴定曲線、標定) 中和滴定についての原理を理解し、適切な滴定条件や指示薬の選択ができる。
5週 中和滴定(定量計算) 種々の中和滴定における、酸及び塩基濃度や含有率の計算などができる。
6週 中和滴定(Warder法) 種々の中和滴定における、酸及び塩基濃度や含有率の計算などができる。
7週 酸化還元滴定(滴定原理、過マンガン酸カリウム滴定) 酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度や含有率の計算などができる。
8週 到達度試験(中間試験)
2ndQ
9週 酸化還元滴定(ヨウ素滴定) 酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度や含有率の計算などができる。
10週 沈殿滴定(滴定原理、定量計算) 沈殿滴定についての原理を理解し、銀イオンやハロゲンイオン等の濃度や含有率の計算などができる。
11週 キレート滴定(滴定原理) キレート滴定(錯滴定)についての原理を理解し、金属イオンの濃度や含有率の計算などができる。
12週 キレート滴定(定量計算) キレート滴定(錯滴定)についての原理を理解し、金属イオンの濃度や含有率の計算などができる。
13週 重量分析 重量分析についての原理を理解し、種々の目的物質の濃度や含有率などの計算ができる。
14週 重量分析 重量分析についての原理を理解し、種々の目的物質の濃度や含有率などの計算ができる。
15週 到達度試験(期末試験)
16週 (答案返却とまとめ)

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。4
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。4
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。4
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。4
中和反応がどのような反応であるか説明できる。4
中和滴定の計算ができる。4
酸化還元反応について説明できる。4
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学いくつかの代表的な陽イオンや陰イオンの定性分析のための化学反応について理解できる。4
沈殿による物質の分離方法について理解し、化学量論から沈殿量の計算ができる。4
陽イオンや陰イオンの関係した化学反応について理解し、溶液中の物質の濃度計算(定量計算)ができる。4
中和滴定についての原理を理解し、酸及び塩基濃度の計算ができる。4前4,前5
酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。4前8
キレート滴定についての原理を理解し、金属イオンの濃度計算ができる。4前11

評価割合

到達度試験合計
総合評価割合100100
基礎的能力00
専門的能力100100
分野横断的能力00