物理化学ⅠA(3116)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 物理化学ⅠA(3116)
科目番号 3C33 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 産業システム工学科マテリアル・バイオ工学コース 対象学年 3
開設期 春学期(1st-Q),夏学期(2nd-Q) 週時間数 1st-Q:2 2nd-Q:2
教科書/教材 杉浦剛介・井上亨・秋貞英雄、化学熱力学中心の基礎物理化学、学芸図書出版社 、渡辺 啓、演習物理化学、サイエンス社
担当教員 齊藤 貴之

到達目標

気体の法則及び熱力学第一法則に関する概念を理解し、用語を説明できる。
気体の法則及び熱力学の様々な基礎式を理解し、式の誘導や式を用いた計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1気体の法則及び熱力学第一法則に関する概念を理解し、用語を詳しく説明できる。気体の法則及び熱力学第一法則に関する概念を理解し、用語を簡単に説明できる。気体の法則及び熱力学第一法則に関する概念を理解し、用語を説明できない。
評価項目2気体の法則及び熱力学の様々な基礎式を理解し、式の誘導や式を用いた様々な計算ができる。気体の法則及び熱力学の様々な基礎式を理解し、式の誘導や式を用いた簡単な計算ができる。気体の法則及び熱力学の様々な基礎式を理解し、式の誘導や式を用いた計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

ディプロマポリシー DP3 ◎ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
物理化学は無機化学、有機化学、化学工学などの広い化学分野のもとになっている物理的な原理を取り扱う学問であり、物質の構造、性質および化学変化という三つの側面から物質を考える。物理化学ⅠAでは、主として気体の性質および熱力学の基礎に関する内容を学習する。
授業の進め方・方法:
物理化学ⅠAでは、主として気体の法則の基礎および熱力学の基礎(第一法則)を学ぶ。気体では一般化学で用いられる理想気体について学び、続いて実在気体について学ぶ。気体の様々な性質、気体分子運動論が主な項目となる。熱力学では、第一法則やエネルギーに関する計算を学ぶ。
到達度試験80%、小テスト・課題など20%として評価を行い、総合評価は100点満点として、60点以上を合格とする。答案は採点後返却し、達成度を伝達する。
注意点:
数学と物理の基礎的知識が必要とされる。数学では少なくとも指数関数、対数関数などの関数の知識と微分積分学、物理では物理量の単位、エネルギー量、運動の法則など質点の力学に関する基礎を理解していることが必要である。関数電卓を常時用意すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 単位、関係する数学、気体の法則、状態方程式、混合気体、分圧の法則 単位、関係する数学の式を知解している。気体の法則、分圧の法則を理解し、状態方程式を用いた計算ができる。
2週 単位、関係する数学、気体の法則、状態方程式、混合気体、分圧の法則 単位、関係する数学の式を知解している。気体の法則、分圧の法則を理解し、状態方程式を用いた計算ができる。
3週 気体分子運動論、エネルギー等分配則、速度分布則、分子速度 気体分子運動論、エネルギー等分配則、速度分布則など気体分子に関する法則を理解し、分子速度の計算ができる。
4週 気体分子運動論、エネルギー等分配則、速度分布則、分子速度 気体分子運動論、エネルギー等分配則、速度分布則など気体分子に関する法則を理解し、分子速度の計算ができる。
5週 実在気体とvan der Waals式、分子間力、臨界現象 実在気体についてvan der Waals式を用いた計算ができる。分子間力、臨界現象について理解している。
6週 実在気体とvan der Waals式、分子間力、臨界現象 実在気体についてvan der Waals式を用いた計算ができる。分子間力、臨界現象について理解している。
7週 到達度試験 気体の法則に関する試験
8週 答案返却 気体の法則に関する試験の答案返却
2ndQ
9週 化学熱力学 系と状態、状態量、過程、熱と仕事 化学熱力学について、系と状態、状態量、過程、熱と仕事について理解している。
10週 化学熱力学 系と状態、状態量、過程、熱と仕事 化学熱力学について、系と状態、状態量、過程、熱と仕事について理解している。
11週 第一法則、内部エネルギー、エンタルピー、熱容量 熱力学第一法則を理解している。内部エネルギー、エンタルピー、熱容量について条件をあてはめて計算することができる。
12週 第一法則、内部エネルギー、エンタルピー、熱容量 熱力学第一法則を理解している。内部エネルギー、エンタルピー、熱容量について条件をあてはめて計算することができる。
13週 理想気体の等温変化、断熱変化 理想気体の等温変化、断熱変化の計算ができる。
14週 理想気体の等温変化、断熱変化 理想気体の等温変化、断熱変化の計算ができる。
15週 到達度試験 熱力学第一法則に関する試験
16週 答案返却 熱力学第一法則に関する試験の答案返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3前3,前4,前7,前8
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3前3,前4,前7,前8
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3前3,前4,前7,前8
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3前3,前4,前7,前8
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。3前11,前12,前15,前16
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。3前11,前12,前15,前16
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。3前11,前12,前15,前16
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3前11,前12,前15,前16
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。3前3,前4,前7,前8
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。3前1,前2,前7,前8,前13,前14,前15,前16
気体の内部エネルギーについて説明できる。3前11,前12,前15,前16
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。3前11,前12,前13,前14,前15,前16
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。3前9,前10,前13,前14,前15,前16
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。3前9,前10,前13,前14,前15,前16
化学(一般)化学(一般)ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。4前1,前2,前7,前8
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。4前1,前2,前7,前8,前13,前14,前15,前16
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。4前1,前2,前7,前8
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。4前1,前2,前7,前8
気体の体積と物質量の関係を説明できる。4前1,前2,前7,前8
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学気体の法則を理解して、理想気体の方程式を説明できる。4前1,前2,前7,前8,前13,前14,前15,前16
気体の分子速度論から、圧力を定義して、理想気体の方程式を証明できる。4前3,前4,前7,前8
実在気体の特徴と状態方程式を説明できる。4前5,前6,前7,前8
臨界現象と臨界点近傍の特徴を説明できる。4前5,前6,前7,前8
混合気体の分圧の計算ができる。4前1,前2,前7,前8
熱力学の第一法則の定義と適用方法を説明できる。4前11,前12,前15,前16
エンタルピーの定義と適用方法を説明できる。4前11,前12,前15,前16
化合物の標準生成エンタルピーを計算できる。4前11,前12,前15,前16
エンタルピーの温度依存性を計算できる。4前11,前12,前15,前16
内部エネルギー、熱容量の定義と適用方法を説明できる。4前11,前12,前15,前16
気体の等温、定圧、定容および断熱変化のdU、W、Qを計算できる。4前13,前14,前15,前16

評価割合

試験課題・小テスト合計
総合評価割合8020100
基礎的能力401050
専門的能力401050