到達目標
1. 超分子の定義、形成するための相互作用、実際の超分子化合物と応用例、および生体系の超分子について理解し、説明できる。
2. 量子化学計算や分子動力学法などの分子シミュレーションの概要や理論を知り、必要な物性を求める手法が選択できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
超分子化学 | 超分子の定義、形成するための相互作用、実際の超分子化合物と応用例、および生体系の超分子について理解し、説明できる。 | 超分子の定義、形成するための相互作用、実際の超分子化合物と応用例、および生体系の超分子についておおむね説明できる。 | 超分子の定義、形成するための相互作用、実際の超分子化合物と応用例、および生体系の超分子について説明できない。 |
分子シミュレーション | 求めたい物性に応じて分子シミュレーションの手法を選択できる。 | 分子シミュレーションとして使われる各種方法の概要が理解できる。 | 分子シミュレーションの各種方法を理解できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
【開講学期】夏学期週2時間
ナノテクノロジーとは、ナノメートルのスケールで分子や原子を自在に制御する技術であり、これにより、目的とする性質を持つ材料や目的とする機能を発現するデバイスなどを実現する可能性を持つ。ナノテクノロジーは、素材やバイオ、医薬など広範な産業の基盤に関わるものであり、これからの時代の重要な技術の一つと捉えられている。
本講義の前半では、ナノテクノロジーの基本となる超分子化学について学ぶ。生物は複雑な分子システムから成り立っており、化学で学ぶ分子が単独で有する性質とは異なる振る舞いをするが、その違いは分子同士の相互作用に基づく協同効果によって成り立っている。これを明らかにするのが超分子化学であり、前半では、有機化学をベースとして超分子化学について学ぶ。
後半では、ナノテクノロジーを解析する分子シミュレーションについて学ぶ。分子シミュレーションは原子・分子レベルの実験的には得られない情報が取得できる反面、その限界や利用法を知る必要がある。この講義では、まず分子の電子構造を明らかにする量子化学計算、集団としての性質を予測する分子動力学シミュレーションを学び、化学反応の反応性や溶媒効果、溶液の構造や物性を扱う手法や留意点を学ぶ。
授業の進め方・方法:
講義は7回(14h)で、前半(菊地:6時間)と後半(本間:8時間)で教員が交代する。
前半は、ナノテクノロジーの基本となる超分子化学について、(1)超分子とはどんなものであるのか、(2)超分子を形成する分子について、(3)超分子化学の応用と生体系における超分子について、を学ぶ。なお、前半では化学の分野の中の有機化学の知識が求められる(Cでは有機化学、MEZでは2年次の化学Ⅳ)。
後半は、分子シミュレーションを対象に、(1)量子化学計算、(2)分子動力学法とモンテカルロ法、(3)離散要素法をはじめとした大きな集団を扱う方法について、を学ぶ。なお、後半では化学分野の知識の中でも、物理化学の知識が求められる。
成績は到達度試験80%、課題を20%として評価を行い、総合評価を100点満点として60点以上を合格とする。答案は採点後返却し、達成度を伝達する。
注意点:
本科目は学修単位科目であるため、自学自習確保のためのレポート課題を課すので、必ず提出すること。補充試験は基本的に行わないが、補充試験を行う場合は、到達度試験の点数を最大60点として成績を再評価する。課題を全く提出していない場合は、到達度試験の点数が60点であっても不可となる可能性があることに注意すること。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
超分子化学について |
超分子化学についてどんなものなのか理解する。また、超分子化学を形成するための相互作用について理解する。
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2週 |
超分子を形成する分子について |
超分子を形成する分子について実際の化合物について理解する。
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3週 |
超分子化学の応用と生体系における超分子について |
超分子化学の応用例、および生体系における超分子について理解する。
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4週 |
分子の電子構造から得られる物性 |
電子構造を求める量子化学計算がどのように行われ、また、どのような物性が得られるのかを理解する。
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5週 |
分子集団の模擬と取得できる情報 |
分子動力学法、モンテカルロ法の原理を理解し、どのような性質に関する情報が得られるかを理解する。
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6週 |
大きな分子集団や連続体として扱う方法と取得できる情報 |
量子化学計算で扱えない大きな集団や、分子動力学法・モンテカルロ法で扱えないような大きな分子集団を扱う方法を理解する。
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7週 |
手法の選択に関する方法と復習 |
求めたい物性に応じた手法の選択ができる。
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8週 |
到達度試験(前半・後半分を一緒に実施) |
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2ndQ |
9週 |
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10週 |
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11週 |
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12週 |
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13週 |
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14週 |
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15週 |
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 100 |
専門的能力 | 80 | 20 | 100 |