応用物理Ⅲ(3032)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 応用物理Ⅲ(3032)
科目番号 4C25 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 産業システム工学科マテリアル・バイオ工学コース 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 「物理学基礎(第4版)」 (原康夫著、学術図書出版社)
担当教員 水野 俊太郎

到達目標

・物体の運動の時間発展は、その物体に働く力を与えれば決定される運動方程式によって記述されていることを理解すること。
・与えられた運動方程式を数学的な微分方程式として取り扱い、その状況に適した物理的な解を導出できること。
・力学的エネルギーに関する物理的な意味を理解すること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1  運動方程式の数学的側面の理解運動方程式の積分や微分を行うことができ、それによって導かれる物理量の意味を理解している運動方程式の成立過程やその微分積分学との関連を理解している運動方程式の数学的な理解ができていない
評価項目2  微分方程式の物理的な意味の理解物理的モデルの運動を微分方程式に表現できる2階微分方程式の解法を理解している2階微分方程式の解法を理解できていない
評価項目3  仕事と力学的エネルギーに関する物理的な意味の理解力学的エネルギーを鍵に自然現象を統一的に理解している運動方程式を積分することで力学的エネルギーの保存について議論できることを理解している運動方程式を積分することで力学的エネルギーの保存について議論できることを理解していない

学科の到達目標項目との関係

ディプロマポリシー DP2 ◎ 説明 閉じる
ディプロマポリシー DP3 〇 説明 閉じる

教育方法等

概要:
【開講学期】春学期週2時間
「応用物理Ⅲ」では、すべてのコースの専門科目を学ぶうえでの基礎知識である力学について、4年生から応用数学で学び始める微分方程式の観点から再学習する。低学年で学んできた力学のテーマで、一見それほど関係性が明らかでないものが、この観点を養うことによって統一的に扱えることとともに、物理現象を深く理解するためには数学が重要な役割を果たしていることを学ぶ。
授業の進め方・方法:
力学を微分方程式の観点から理解するためには、低学年の物理・応用物理で学んだ力学の基礎事項と、4年生から応用数学で学び始める微分方程式の知識を必要とする。 授業ではそれらの復習を兼ねながら進めていく。
到達度試験70%、課題・小テスト等30%として評価を行い、総合評価は100点満点として、60点以上を合格とする。
注意点:
・物理・応用物理(力学)、応用数学(微分方程式)をよく復習しておくこと。
・講義内容、テキストの本文中の公式の導出や、例題および基本的演習問題は自ら考え計算してみること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、直線運動 位置ベクトル、速度、加速度
2週 円運動 三角関数、等速円運動、ベクトルの内積
3週 運動の法則と力の法則 運動の3法則、いろいろな力
4週 運動方程式 等加速度運動、抵抗力
5週 仕事と力学的エネルギー 仕事、運動エネルギー、ポテンシャルエネルギー
6週 力学的エネルギー保存則 力学的エネルギー保存則、非保存力のする仕事と力学的エネルギー
7週 回転運動の法則 力のモーメント、角運動量、回転運動の法則
8週 到達度試験(答案返却とまとめ)
2ndQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
物体に作用する力を図示することができる。3
力の合成と分解をすることができる。3
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。3
慣性の法則について説明できる。3
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3
運動方程式を用いた計算ができる。3
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3
運動の法則について説明できる。3
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3
最大摩擦力に関する計算ができる。3
動摩擦力に関する計算ができる。3
仕事と仕事率に関する計算ができる。3
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.3
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力のモーメントを求めることができる。3
角運動量を求めることができる。3
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3
重心に関する計算ができる。3
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3

評価割合

到達度試験課題・小テスト等合計
総合評価割合7030100
基礎的能力000
専門的能力7030100
分野横断的能力000