応用物理Ⅴ(3038)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 応用物理Ⅴ(3038)
科目番号 4C26 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 産業システム工学科マテリアル・バイオ工学コース 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 「物理学基礎(第4版)」 (原康夫著、学術図書出版社)、「初めて学ぶ 量子化学」 (阿部正紀著、培風館)
担当教員 水野 俊太郎

到達目標

・波動現象を数学的な手法を用いて表現できること。
・波動現象の具体例として音波に特有の現象を理解すること。
・量子論の基本的概念である粒子・波動の二重性を理解すること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1  波動現象の一般的な理解波動の伝搬を記述する波動方程式を注目している系に対する力学的考察から導出できる波動の数学的表現及び波動の重ね合わせの原理について理解している波動の数学的表現及び波動の重ね合わせの原理について理解できていない
評価項目2  音波に特有な現象の理解音波の伝搬を記述する波動方程式を導出できる波動の具体例としての音波に特有の現象について理解している波動の具体例としての音波に特有の現象について理解できていない
評価項目3  量子力学の基本原理粒子・波動の二重性を両立した結果シュレディンガー方程式が導かれたこと、及びそれが確率振幅を記述していることを理解できている電子などのミクロな物質が粒子であると同時に波動であるという二重性を理解できている電子などのミクロな物質が粒子であると同時に波動であるという二重性を理解できていない

学科の到達目標項目との関係

ディプロマポリシー DP2 ◎ 説明 閉じる
ディプロマポリシー DP3 ◎ 説明 閉じる
ディプロマポリシー DP3 〇 説明 閉じる

教育方法等

概要:
【開講学期】夏学期週2時間
「応用物理V」では、工学系において重要な自然現象である波動現象、及び材料工学系の専門科目を学ぶうえでの基礎知識である量子力学の初歩を学ぶ。波動現象は数学的にシンプルで、その数学的な結果から振動・波動の性質を理解することになる。 材料の性質を知るためには、量子力学が示すミクロの世界の法則を理解し、物質の中での原子や電子の性質を理解することが重要である。数学的な手法を多用する分野であるので、基礎となる三角関数や微分方程式の復習を兼ねながら説明を進めることになる。
授業の進め方・方法:
波動の現象は視覚的な理解も重要な要素となる分野であるので、説明には図を多用することになる。量子力学の概念を理解するためには、波動の基礎事項と、応用数学で学んだ微分方程式や確率・統計の知識を必要とする。 波動・量子力学の現象は数学的な理解が重要なので、それなりの計算力が必要とされる。
到達度試験70%、課題・小テスト等30%として評価を行い、総合評価は100点満点として、60点以上を合格とする。
注意点:
・応用数学(微分方程式、確率・統計)をよく復習しておくこと。
・講義内容、テキストの本文中の公式の導出や、例題および基本的演習問題は自ら考え計算してみること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、単振動の復習 単振動、ばね振り子、単振り子
2週 波動の表現方法 進行波、波動のパラメーター、波動方程式
3週 波の重ね合わせ 波動方程式の一般解、進行波の反射、定常波
4週 音波に特有な現象 固有振動、群速度、うなり
5週 前期量子論 光の粒子性、電子の波動性、ボーアの量子条件
6週 量子力学の基本原理 シュレディンガー方程式、波動関数の解釈
7週 量子力学の演習問題 井戸型ポテンシャル中の粒子の振る舞い
8週 到達度試験
(答案返却とまとめ)
2ndQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。3
横波と縦波の違いについて説明できる。3
波の重ね合わせの原理について説明できる。3
波の独立性について説明できる。3
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。3
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。3
ホイヘンスの原理について説明できる。3
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。3
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。3
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。3
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。3
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。3
自然光と偏光の違いについて説明できる。3
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。3
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。3

評価割合

到達度試験課題・小テスト等合計
総合評価割合7030100
基礎的能力000
専門的能力7030100
分野横断的能力000