生物化学Ⅱ(3169)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 生物化学Ⅱ(3169)
科目番号 4C32 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 産業システム工学科マテリアル・バイオ工学コース 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 基礎の生化学 第2版 (東京化学同人)、教員配布資料
担当教員 金子 賢介

到達目標

1.酵素の分類を理解している。
2.酵素の性質を理解している。
3.酵素の最大反応速度とミカエリス定数の関係を理解している。
4 生物がエネルギーを獲得する代謝の概要を理解している。
5.遺伝情報の発現の概要を理解している。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
酵素の分類を学ぶ酵素の6種類のグループについてよく理解し、各グループに属している酵素の例を複数挙げることができる。酵素の6種類のグループについて理解し、各グループに属している酵素の例を挙げることができる。酵素の6種類のグループについて理解せず、酵素の例を挙げることができない。
酵素の性質を学ぶ酵素の種々の性質(基質特異性、最適温度、最適pHなど)をよく理解し、例を挙げながら説明できる。酵素の種々の性質(基質特異性、最適温度、最適pHなど)を理解し、説明できる。酵素の種々の性質(基質特異性、最適温度、最適pHなど)を理解せず、説明できない。
酵素反応速度論について学ぶ酵素の最大反応速度とミカエリス定数の関係や阻害剤の影響についてよく理解し、グラフを用いて説明できる。酵素の最大反応速度とミカエリス定数の関係や阻害剤の影響について理解し、説明できる。酵素の最大反応速度とミカエリス定数の関係や阻害剤の影響について理解せず、説明できない
エネルギー代謝について学ぶ解糖系、TCA回路、電子伝達系の一連の流れについて理解し、化合物の名前や構造式を用いて説明できる。解糖系、TCA回路、電子伝達系の一連の流れについて理解し、説明できる。解糖系、TCA回路、電子伝達系の一連の流れについて理解せず、説明できない。

学科の到達目標項目との関係

ディプロマポリシー DP2 ◎ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科目は夏学期週2時間開講する。生物化学Ⅱは生物化学Ⅰで学習した生体分子の知識をもとに、酵素反応や医薬品の薬理作用について学ぶものであり、発酵工学や酵素工学、薬学などと密接に関わる分野である。生物化学Ⅱでは酵素の分類や性質、また酵素反応速度論について学び、生体触媒としての酵素の働きを理解するとともに、酵素の働きにより生体内で行われるエネルギー代謝や遺伝子発現の仕組みについて概要を説明できることを到達目標とする。
授業の進め方・方法:
本授業では酵素の特徴や酵素の働きによるエネルギー代謝や遺伝子発現について解説する。授業は主に講義形式により知識を修得するが、グループワークによる調査、発表等も実施することで理解度を深めるように進めていく。
注意点:
答案は採点後返却し、達成度を伝達する。履修にあたっては、酵素の性質を文字や言葉で説明できるだけではなく、実際の酵素反応例をもとにグラフを作成し、そこから酵素反応の特徴を理解していくことが重要である。また、
酵素の働きによるエネルギー代謝や遺伝子発現の仕組みについて理解し説明できることも求められる。
成績は到達度試験80%、課題・宿題を20%(山本)として評価を行い、総合評価を100点満点として、60点以上を合格とする。総合評価が60点未満の場合、補充試験の実施を行うが、その場合、補充試験成績80点以上を合格とし総合評価を60点とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週
2週
3週
4週
5週
6週
7週
8週
2ndQ
9週 酵素の分類、酵素の構造と基質特異性 酵素が6種類に大別されることを理解し、各グループの酵素がどの様な特徴を有しているか説明できること。酵素の立体構造と基質特異性の関係を理解し、説明できること。
10週 酵素の性質、酵素反応速度論① 酵素活性と最適温度・最適pHの関係を理解し、説明できること。最大反応速度とミカエリス定数を理解し、説明できること。
11週 酵素反応速度論②、酵素反応速度論③ 酵素反応例をもとにグラフを作成し、そこからミカエリス定数を求めることができること。酵素反応への阻害剤の影響を理解し、説明できること。
12週 酵素反応速度論④、酵素の特徴のまとめ 各種阻害剤の有無における酵素反応の例からミカエリス定数や最大反応速度を求めることができること。酵素の性質、反応速度論について総まとめの演習問題に取り組み理解を深める。
13週 エネルギー代謝①解糖系と発酵 解糖系と発酵の概要を理解し、説明できること。
14週 エネルギー代謝②TCA回路、エネルギー代謝③電子伝達系 TCA回路の概要を理解し、説明できること。電子伝達系の仕組みを理解し、説明できること。
15週 遺伝情報の発現①DNAの複製、遺伝情報の発現②転写と翻訳 DNAの複製のの仕組みを理解し、説明できること。転写と翻訳の仕組みを理解し、説明できること。
16週 到達度試験。答案返却とまとめ 到達度試験により理解度を確認する。到達度試験の答案解説と総まとめにより全体的な理解を深める。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。4
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。4
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。4
細胞周期について説明できる。4
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。4
細胞膜を通しての物質輸送による細胞の恒常性について説明できる。4
フィードバック制御による体内の恒常性の仕組みを説明できる。4
情報伝達物質とその受容体の働きを説明できる。4
免疫系による生体防御のしくみを説明できる。4
生物化学酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。4
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。4
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。4

評価割合

試験発表・課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力80200000100
分野横断的能力0000000