発酵工学(3151)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 発酵工学(3151)
科目番号 4C33 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 産業システム工学科マテリアル・バイオ工学コース 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 図解 微生物学入門 (オーム社)
担当教員 山本 歩

到達目標

1.微生物の種類と特徴を理解し説明できる。
2.微生物の取り扱い方法に関する基礎知識を説明できる。
3.微生物の増殖と代謝について理解し説明できる。
4.微生物の食品工業などへの応用について説明できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
微生物の細胞の構造や分類、命名法について理解する。微生物の発見の歴史や細胞構造や分類方法、各微生物の特徴についてよく理解し与えられた選択肢の中から適切な語句を選択し例を挙げて説明することができる。微生物の発見の歴史や細胞構造や分類方法、各微生物の特徴について部分的に理解し与えられた選択肢の中から適切な語句を選択できる。微生物の発見の歴史や細胞構造や分類方法、各微生物の特徴について理解できず、与えられた選択肢の中から適切な語句も選択できない。
微生物の代謝と増殖について理解する。発酵食品に関わる代謝経路や微生物の培養方法、増殖方法についてよく理解し、与えられた選択肢の中から適切な語句を選択し例を挙げて説明できる。発酵食品に関わる代謝経路や微生物の培養方法、増殖方法について部分的に理解し、与えられた選択肢の中から適切な語句を選択できる。発酵食品に関わる代謝経路や微生物の培養方法、増殖方法についてよく理解できず、与えられた選択肢の中から適切な語句も選択できない。
微生物の様々な産業利用について理解する。食品・医薬品、環境浄化等に関わる微生物の利用方法についてよく理解し、与えられた選択肢の中から適切な語句を選択し例を挙げて説明できる。食品・医薬品、環境浄化等に関わる微生物の利用方法について部分的に理解し、与えられた選択肢の中から適切な語句を選択できる。食品・医薬品、環境浄化等に関わる微生物の利用方法について理解できず、与えられた選択肢の中から適切な語句も選択できない。

学科の到達目標項目との関係

ディプロマポリシー DP4 ◎ 説明 閉じる
地域志向 〇 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科目は秋学期週2時間開講する。発酵工学では微生物の性質とその取扱い、微生物の働きの利用方法について学び、実際の食品の衛生管理や発酵食品・酵素医薬品等の製造に応用できる基礎知識を身につける。そのために、様々な微生物の種類と性質や培養方法について理解していること、また微生物の工学的利用について理解していることを到達目標とする。

※実務との関係
この科目は企業で食品製造および品質管理を担当していた教員が、その経験を活かし、微生物の分類や培養方法等について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
本授業では微生物の種類と分類、取り扱い方法、発酵工業での利用について取り扱う。授業は主に講義形式により知識を修得するが、グループワークによる調査、発表等も実施することで理解度を深めるように進めていく。
注意点:
履修にあたっては、第3学年での生物化学で修得した生体分子の構造が基礎知識として必須である。生体分子の機能と発酵工学での利用を結び付けて理解を深めることが重要となる。成績は到達度試験80%、課題・宿題を20%として評価を行い、総合評価を100点満点として、60点以上を合格とする。答案は採点後返却し、達成度を伝達する。総合評価が60点未満の場合、補充試験の実施を行うが、その場合、補充試験成績80点以上を合格とし総合評価を60点とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 発酵工学の導入 (人類と微生物の関わり)、微生物の分類➀ (原核微生物の種類と特徴) 微生物の定義、古代人との関わり,微生物発見の歴史がわかる。微生物学の歴史的背景がわかる。命名法(学名)のポイントがわかる。 グラム染色による細菌の分類方法とその原理について理解する。種々の細菌の特徴を理解する。
2週 微生物の分類➁ (真核微生物の種類と特徴) 酵母やカビ、キノコなどの真菌類の特徴を理解する。酵母と人類との関わりや特徴を理解する。
3週 微生物の増殖、培養方法 (増殖曲線、培地の種類、滅菌方法など) 微生物の増殖の特徴と培養方法について理解する。
4週 微生物の代謝とその利用➀ (好気呼吸、嫌気呼吸) 微生物の代謝と代表的な発酵食品との関りについて理解する。
5週 微生物の代謝とその利用➁ (様々なアルコール醸造) 代表的な酒類の歴史や分類、醸造方法について理解する。
6週 微生物の代謝とその利用③ (アミノ酸発酵、核酸発酵) うま味成分の生成に関わる微生物や製造方法について理解する。
7週 微生物の代謝とその利用④ (環境浄化、抗生物質) 微生物を用いたバイオレメディエーションの事例や抗生物質等の医薬品製造に関わる微生物を理解する。
8週 到達度試験。答案返却とまとめ 到達度試験により学習内容の習熟度を確認する。到達度試験の答案解説および総まとめにより理解を深める。
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物原核生物と真核生物の違いについて説明できる。4
葉緑体とミトコンドリアの進化の説について説明できる。4後4
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。4後7
生物化学解糖系の概要を説明できる。4後7
クエン酸回路の概要を説明できる。4後7
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。4後8
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。4後8,後9
各種の光合成色素の働きを説明できる。4後8
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。4後8
炭酸固定の過程を説明できる。4後8
生物工学原核微生物の種類と特徴について説明できる。4後1,後2
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。4後3,後4
微生物の増殖(増殖曲線)について説明できる。4後5
微生物の育種方法について説明できる。4後6
微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。4後6
アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。4後9,後10
食品加工と微生物の関係について説明できる。4後11,後12
抗生物質や生理活性物質の例を挙げ、微生物を用いたそれらの生産方法について説明できる。4後12,後13
微生物を用いた廃水処理・バイオレメディエーションについて説明できる。4後13,後14

評価割合

試験発表・課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力80200000100
分野横断的能力0000000