材料組織学Ⅱ(3171)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 材料組織学Ⅱ(3171)
科目番号 4C34 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 産業システム工学科マテリアル・バイオ工学コース 対象学年 4
開設期 春学期(1st-Q),夏学期(2nd-Q) 週時間数 1st-Q:2 2nd-Q:2
教科書/教材 基礎から学ぶ 構造金属材料学, 丸山公一他, 内田老鶴圃、教員作成資料
担当教員 新井 宏忠

到達目標

1. 金属多結晶体の強化機構(粒界強化・固溶強化・析出強化)を説明できること
2. 材料の機械試験方法の概要を理解すること
3. 合金状態図から相状態を判断でき、温度変化に伴う組織変化を説明できること

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
多結晶体の強化機構代表的な強化機構(粒界強化・固溶強化・析出強化)を説明でき、強化の度合いを定量的に示せる。教科書等の参考情報により、代表的な強化機構(粒界強化・固溶強化・析出強化)を説明でき、強化の度合いを定量的に示せる。教科書等の参考情報を参照しても、代表的な強化機構(粒界強化・固溶強化・析出強化)を説明できない。
機械試験法材料の強度を表す指標とそれを定量的に測定するための機械試験法を説明できる。教科書等の参考情報により、材料の強度を表す指標とそれを定量的に測定するための機械試験法を説明できる。教科書等の参考情報を参照しても、材料の強度を表す指標とそれを定量的に測定するための機械試験法を説明できない。
平衡状態図基本平衡状態図の模式図が描け、どのような反応なのかを説明できる。加えて、状態図において温度と組成が指定された物質に含まれる相とその相の割合を説明できる。教科書等の参考情報により、基本平衡状態図の模式図が描け、どのような反応なのかを説明できる。加えて、状態図において温度と組成が指定された物質に含まれる相とその相の割合を説明できる。教科書等の参考情報を参照しても、基本平衡状態図の模式図が描け、どのような反応なのかを説明できない。

学科の到達目標項目との関係

ディプロマポリシー DP3 ◎ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
【開講学期】春学期週2時間・夏学期週2時間
材料は身の回りに数多く存在し、種々の力学的性質や機能的性質を発現する。本講義では、構造材料、特に金属材料の特性について学び、固溶強化や粒界強化といった代表的な材料強化機構の理解を目標とする。

※実務との関係
この科目は、全15週のうち、第5回から第12回において、企業で金属素材製造プロセスの改善・評価、高付加価値素材の製造方法の設計等の研究開発を担当していた教員が、その経験を活かし、材料設計に資する金属材料の一般的な強化方法などを講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
材料は構造部材や機能性素材として広く一般に用いられている。特に構造材料として金属素材が主である。そこで金属素材を中心に材料の強化機構を説明する。また、代表的な金属を例に強化機構の具体的な使われ方を説明する。さらに材料の強度特性を左右する組織構造について、合金状態図との関係とその使用方法を説明する。
・基本的に教科書をベースに板書を示し、解説を加える。
・適宜、章末問題を行い、理解を深める。

〇評価方法
・到達度試験80%、課題20%の割合で評価する。
・総合評価は、100点満点として、60点以上を合格とする。
・補充試験の場合は、試験の点数のみで合格となり、60点として評価する。
 (ただし、補充試験は1回のみ実施する。)
注意点:
・材料組織学Iで学んだ内容を用いて解説するので、これらの科目内容を理解しておく必要がある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 金属多結晶体の変形と強化機構 多結晶体の変形様式を単結晶の場合と対比して理解する。
2週 金属多結晶体の変形と強化機構 多結晶体の変形様式を単結晶の場合と対比して理解する。
3週 結晶粒界による強化機構 結晶粒界による強化の発現機構を理解する。
4週 結晶粒界による強化機構 結晶粒径と強化量の定量的な扱いを理解する。
5週 溶質原子による強化機構(固溶強化) 固溶原子(侵入型・置換型)による強化の発現機構を理解する。
6週 溶質原子による強化機構(固溶強化) 固溶強化量に関する定式を理解する。
7週 粒子による強化機構(析出強化) 析出物といった粒子による強化の発現機構を理解する。
8週 粒子による強化機構(析出強化) 析出物粒子による強化量に関する定式を理解する。
2ndQ
9週 機械試験法 材料の強度を表す指標とそれを定量的に測定するための機械試験法を知る。
10週 機械試験法 材料の強度を表す指標とそれを定量的に測定するための機械試験法を知る。
11週 合金の平衡状態図と材料組織① 合金を冷却したときに形成される組織と状態図との関連を理解する。
12週 合金の平衡状態図と材料組織② 合金を冷却したときに形成される組織と状態図との関連を理解する。
13週 合金の平衡状態図と材料組織③ 合金を冷却したときに形成される組織と状態図との関連を理解する。
14週 合金の平衡状態図と材料組織④ 合金を冷却したときに形成される組織と状態図との関連を理解する。
15週 合金の平衡状態図と材料組織⑤ 合金を冷却したときに形成される組織と状態図との関連を理解する。
16週 到達度試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。1
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。1
気体の内部エネルギーについて説明できる。2
化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。2
物質が原子からできていることを説明できる。2
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。2
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。1
純物質と混合物の区別が説明できる。3
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。1
水の状態変化が説明できる。2
物質の三態とその状態変化を説明できる。3
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。2
同位体について説明できる。1
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。1
価電子の働きについて説明できる。1
原子のイオン化について説明できる。2
イオン結合について説明できる。2
イオン結合性物質の性質を説明できる。2
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。2
共有結合について説明できる。2
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。2
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3
金属の性質を説明できる。3
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。2
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。1
気体の体積と物質量の関係を説明できる。1
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。1
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。1
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学イオン結合と共有結合について説明できる。2
金属結合の形成について理解できる。3
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。3
化学工学SI単位への単位換算ができる。3

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000