材料強度学(3172)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 材料強度学(3172)
科目番号 4C35 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 産業システム工学科マテリアル・バイオ工学コース 対象学年 4
開設期 秋学期(3rd-Q) 週時間数 3rd-Q:2
教科書/教材 基礎から学ぶ 構造金属材料学, 丸山公一他, 内田老鶴圃、機械・金属材料学, 黒田大介他, 実教出版、教員作成資料
担当教員 新井 宏忠

到達目標

1. 拡散と回復・再結晶挙動と組織形成の関連を説明できる。
2. 金属材料の性質とミクロ組織を関連付けて説明できる。
3. 鉄鋼材料の組織制御と強度の関係について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
金属結晶中の拡散現象金属中の拡散機構を数式を用いて説明できる。教科書等の参考情報により、金属中の拡散機構を数式を用いて説明できる。教科書等の参考情報を参照しても、金属中の拡散機構を説明できない。
金属結晶の回復と再結晶金属組織の回復現象や再結晶現象をひずみエネルギーの観点から説明できる。教科書等の参考情報により、金属組織の回復現象や再結晶現象をひずみエネルギーの観点から説明できる。教科書等の参考情報を参照しても、金属組織の回復現象や再結晶現象をひずみエネルギーの観点から説明できない。
鉄鋼材料の組織形成 (拡散変態)鉄鋼材料に見られる代表的な組織を鉄-炭素系状態図を用いて説明でき、組織名を挙げられる。教科書等の参考情報により、鉄鋼材料に見られる代表的な組織を鉄-炭素系状態図を用いて説明でき、組織名を挙げられる。教科書等の参考情報を参照しても、鉄鋼材料に見られる代表的な組織を鉄-炭素系状態図を用いて説明できない。
鉄鋼材料の組織形成 (無拡散変態)鉄鋼材料におけるマルテンサイト変態の特性を説明できる。教科書等の参考情報により、鉄鋼材料におけるマルテンサイト変態の特性を説明できる。教科書等の参考情報を参照しても、基鉄鋼材料におけるマルテンサイト変態の特性を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

ディプロマポリシー DP3 ◎ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
【開講学期】秋学期週2時間
材料は身の回りに数多く存在し、種々の力学的性質や機能的性質を発現する。本講義では、構造材料、特に金属材料の特性について学び、組織形成に関連した現象を理解し、特に鉄鋼材料の組織と材料特性の理解を目標とする。
授業の進め方・方法:
材料組織学Iに続き、金属素材を中心に材料強度発現を理解するために現象・メカニズムを説明する。この講義では、特に、組織形成に関係する拡散現象、加工と再結晶、鉄鋼材料の組織制御について講義する。

〇評価方法
・到達度試験80%、課題20%の割合で評価する。
・総合評価は100点満点として、60点以上を合格とする。
・補充試験の場合は、試験の点数のみで合格となり、60点として評価する。
 (ただし、補充試験は1回のみ実施する。)
注意点:
・材料組織学I,IIの内容が基礎知識として求められるので、必要に応じて復習に努めること。
・自学自習は到達度試験にて評価する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 拡散① 原子の移動現象(拡散)について理解する。
2週 拡散② 固体中の原子の拡散機構を理解する。
3週 回復と再結晶① 加工熱処理に関わる回復・再結晶現象を理解する。
4週 回復と再結晶② 加工熱処理との関係を把握する。
5週 鉄鋼材料の組織制御と強度① 鉄-炭素系の状態図を理解する。
6週 鉄鋼材料の組織制御と強度② 鉄-炭素系状態図に現れる相の名称・組織名を把握する。
7週 鉄鋼材料の組織制御と強度③ 鉄-炭素系の合金に現れる組織とその特性を理解する。
8週 到達度試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。1
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。1
気体の内部エネルギーについて説明できる。2
化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。2
物質が原子からできていることを説明できる。2
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。2
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。1
純物質と混合物の区別が説明できる。3
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。1
水の状態変化が説明できる。2
物質の三態とその状態変化を説明できる。3
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。2
同位体について説明できる。1
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。1
価電子の働きについて説明できる。1
原子のイオン化について説明できる。2
イオン結合について説明できる。2
イオン結合性物質の性質を説明できる。2
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。2
共有結合について説明できる。2
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。2
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3
金属の性質を説明できる。3
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。2
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。1
気体の体積と物質量の関係を説明できる。1
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。1
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。1
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。1
無機化学イオン結合と共有結合について説明できる。2
金属結合の形成について理解できる。3
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。3
化学工学SI単位への単位換算ができる。3後1

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000