物理化学実験(3202)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 物理化学実験(3202)
科目番号 4C36 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 産業システム工学科マテリアル・バイオ工学コース 対象学年 4
開設期 春学期(1st-Q),夏学期(2nd-Q) 週時間数 1st-Q:8 2nd-Q:4
教科書/教材 ○小笠原正明、瀬尾真浩、多田旭男、服部英著、新しい物理化学実験 (三共出版)、○教員作成プリント、○実験を安全に行うために(化学同人)、○続実験を安全に行うために(同)
担当教員 齊藤 貴之,小船 茉理奈

到達目標

○課題の事前調査を行い、実験ノートに整理するなど積極的に取り組めること。
○実験を計画し、遂行できること。○実験結果をレポートにまとめることができること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 理論・実験技術実験に関する理論をよく習得しており、迅速・正確・安全に実験を行うことができる。実験に関する理論を習得しており、実験を安全に行うことができる。実験に関する理論を習得できておらず、実験を安全に行うことができない。
評価項目2 データ処理・考察実験データを適切に処理することができ、わかりやすくまとめることができる。 精確な考察をすることができる。実験データを適切に処理することができ、考察することができる。実験データを適切に処理できず、また、考察することができない。

学科の到達目標項目との関係

ディプロマポリシー DP2 〇 説明 閉じる
ディプロマポリシー DP3 ◎ 説明 閉じる
ディプロマポリシー DP4 〇 説明 閉じる
ディプロマポリシー DP6 〇 説明 閉じる

教育方法等

概要:
反応、状態変化、化学的現象を定量的に理解するため、各種物理化学量の測定理論と方法を学ぶことがねらいになっている。測定方法の検討、測定、測定データの処理、解析、解釈にいたる一連の流れを身につけ、実験遂行の実践的基礎力を身に付ける。
授業の進め方・方法:
①最初に実験全体の方針、各実験項目についてのガイダンスを行う。実験は二人一組で配当される実験テーマに取り組む。②6テーマの実験を取り組み、レポートにまとめる。
注意点:
随時実験ノートのチェックを通して事前調査、実験計画、実験結果の記録の確認を行う。実験を行う前に事前調査や予習を行うこと。また、実験ノートを常時携行すること。保護めがねを持参するとともに指定された服装で受講すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス(実験全般)とテーマ説明 実験に対する心構えを持つことができる。
実験の危険性を理解できる。
2週 テーマ説明(1次反応速度・気体の蒸気圧測定) 1次反応速度・気体の蒸気圧測について、理論、実験手順を理解する。
3週 テーマ説明(凝固点降下法による分子量決定・反応熱の測定) 凝固点降下法による分子量決定・反応熱の測定について、理論、実験手順を理解する。
4週 テーマ説明(起電力と分解電圧測定・溶液粘度の測定) 起電力と分解電圧測定・溶液粘度の測定について、理論、実験手順を理解する。
5週 1次反応速度(実験) 実験を通して1次反応速度について理解する。
また、実験のスキルを身に着ける。
6週 1次反応速度(報告書作成) 実験の報告書作成を作成する。
7週 気体の蒸気圧測定(実験) 実験を通して気液平衡について理解する。
また、実験のスキルを身に着ける。
8週 気体の蒸気圧測定(報告書作成) 実験の報告書作成を作成する。
2ndQ
9週 凝固点降下法による分子量決定(実験) 実験を通して束一的性質(凝固点降下)について理解する。
また、実験のスキルを身に着ける。
10週 凝固点降下法による分子量決定(報告書作成) 実験の報告書作成を作成する。
11週 反応熱の測定(実験) 実験を通して反応熱・溶解熱について理解する。
また、実験のスキルを身に着ける。
12週 反応熱の測定(報告書作成) 実験の報告書作成を作成する。
13週 起電力と分解電圧測定(実験) 実験を通して電気化学(起電力と分解電圧)について理解する。
また、実験のスキルを身に着ける。
14週 起電力と分解電圧測定(報告書作成) 実験の報告書作成を作成する。
15週 溶液粘度の測定(実験) 実験を通して溶液の粘度について理解する。
また、実験のスキルを身に着ける。
16週 溶液粘度の測定(報告書作成) 実験の報告書作成を作成する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。3前1,前5,前7,前9,前11,前13,前15
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。3前1,前5,前7,前9,前11,前13,前15
測定と測定値の取り扱いができる。3前1,前6,前8,前10,前12,前14,前16
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。3前1,前6,前8,前10,前12,前14,前16
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。3前1,前6,前8,前10,前12,前14,前16
ガラス器具の取り扱いができる。3前1,前5,前7,前9,前11,前13,前15
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。3前1,前5,前7,前9,前11,前13,前15
試薬の調製ができる。3前1,前5,前7,前9,前11,前13,前15
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前1,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3前1,前5,前7,前9,前11,前13,前15
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3前1,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3前6,前8,前10,前12,前14,前16
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3前6,前8,前10,前12,前14,前16
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3前6,前8,前10,前12,前14,前16
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3前6,前8,前10,前12,前14,前16
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3前5,前7,前9,前11,前13,前15
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3前5,前7,前9,前11,前13,前15
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3前5,前7,前9,前11,前13,前15
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3前6,前8,前10,前12,前14,前16
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学気体の法則を理解して、理想気体の方程式を説明できる。4前2,前7,前8
純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。4前2,前7,前8
束一的性質を説明できる。4前3,前9,前10
凝固点降下と浸透圧より、溶質の分子量を計算できる。4前3,前9,前10
反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。4前2,前5,前6
電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる。4前4,前13,前14
分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】物理化学実験温度、圧力、容積、質量等を例にとり、測定誤差(個人差・器差)、実験精度、再現性、信頼性、有効数字の概念を説明できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前14,前15,前16
各種密度計(ゲールサック、オストワルド等)を用いて、液体および固体の正確な密度を測定し、測定原理を説明できる。4前4,前15,前16
粘度計を用いて、各種液体・溶液の粘度を測定し、濃度依存性を説明できる。4前4,前15,前16
熱に関する測定(溶解熱、燃焼熱等)をして、定量的に説明できる。4前3,前11,前12
分子量の測定(浸透圧、沸点上昇、凝固点降下、粘度測定法等)により、束一的性質から分子量を求めることができる。4前3,前9,前10
相平衡(液体の蒸気圧、固体の溶解度、液体の相互溶解度等)を理解して、平衡の概念を説明できる。4前2,前7,前8
基本的な金属単極電位(半電池)を組み合わせ、代表的なダニエル電池の起電力を測定できる。また、水の電気分解を測定し、理論分解電圧と水素・酸素過電圧についても説明できる。4前4,前13,前14
反応速度定数の温度依存性から活性化エネルギーを決定できる。4前2,前5,前6

評価割合

レポート実験ノート合計
総合評価割合8020100
専門的能力8020100