高分子化学A(3107)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 高分子化学A(3107)
科目番号 5C20 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 産業システム工学科マテリアル・バイオ工学コース 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 これでわかる基礎高分子化学/畔田博文他/三共出版/2016
担当教員 佐藤 久美子

到達目標

1.高分子の概念、種類と用途を理解できていること。
2.高分子を分子特性、物質特性の観点から理解し、高分子の本質を把握できていること。
3.連鎖重合と逐次重合に大別して主な重合反応を学習することにより、巨大分子である高分子の合成法の特徴が理解できていること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1高分子の概念、種類と用途を90%以上理解できている。高分子の概念、種類と用途を70~80%理解できている。高分子の概念、種類と用途を50%未満しか理解できていない。
評価項目2分子特性、物質特性等高分子の本質を90%以上理解できている。分子特性、物質特性等高分子の本質を70~80%理解できている。分子特性、物質特性等高分子の本質を50%未満しか理解できていない。
評価項目3連鎖重合と逐次重合に大別した主な重合反応(高分子の合成法)の特徴が90%以上理解できている。連鎖重合と逐次重合に大別した主な重合反応(高分子の合成法)の特徴が70~80%理解できている。連鎖重合と逐次重合に大別した主な重合反応(高分子の合成法)の特徴が50%未満しか理解できていない。

学科の到達目標項目との関係

ディプロマポリシー DP3 ◎ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
マテリアル・バイオ工学コースでは材料化学が重要なテーマである。高分子材料化学の基礎としての本科目では、巨大分子である高分子の特徴を、合成反応および構造と物性の面から総括的に理解することを目標とする。
【開講学期】夏学期 週2時間
授業の進め方・方法:
1.高分子の概念、分子特性、物質特性を説明し、高分子の特徴・本質の概略を明らかにする。
2.高分子合成反応を連鎖重合と逐次重合に大別し、前者については、ラジカル重合、イオン重合、立体規則性重合等、後者については重縮合、付加縮合等を取り扱い、分子設計・材料設計の基礎を解説する。
3.到達度試験を100%として評価を行い、総合評価は100点満点として、60点以上を合格とする。
  答案は採点後返却し、達成度を伝達する。
注意点:
1.高分子は巨大分子であり、全ての特徴はそこから発することを、低分子と比較して理解することが大切である。
2.高分子の合成を有機化学の知識で理解するとともに、高分子合成特有の視点も必要であると理解すること。
3.構造・物性面の理解については、物理化学や物理学の基礎が必要となる。一方、本科目は専門の基幹科目であるとともに、自然科学的基礎としての性格を持つことにも留意すること。
4.材料は種々の工学分野と広く係わる。それらと関連付けて知識を深めること、および高分子の実用面にも関心を払うこと。
5.自学自習の成果は到達度試験にて評価する。
6.補充試験を実施した場合、成績は補充試験100%とする。60点以上を合格とし、60点として評価する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週
2週
3週
4週
5週
6週
7週
8週
2ndQ
9週 高分子化合物とは (定義、種類)
10週 分子の分子量、分子量分布
11週 連鎖重合と逐次重合
12週 ラジカル重合(素反応、重合速度と分子量の関係)
13週 ラジカル共重合 (組成式、反応性比、モノマー構造と反応性)
14週 イオン重合 (イオン重合の特徴、カチオン重合、アニオン重合)
15週 開環重合,配位重合,リビング重合,逐次重合各論
16週 到達度試験、答案返却とまとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。4
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。4
σ結合とπ結合について説明できる。4
混成軌道を用い物質の形を説明できる。4
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。4
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。4
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。4
共鳴構造について説明できる。4
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。4
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。4
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。4
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。4
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。4
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。4
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。4
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。4
高分子化合物がどのようなものか説明できる。4
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。4
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。4
高分子の熱的性質を説明できる。4
重合反応について説明できる。4
重縮合・付加重合・重付加・開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明でき、どのような高分子がこの反応によりできているか区別できる。4
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の反応を説明できる。4
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の特徴を説明できる。4
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。4
反応機構に基づき、生成物が予測できる。4

評価割合

到達度試験合計
総合評価割合100100
基礎的能力00
専門的能力100100
分野横断的能力00