量子化学(3123)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 量子化学(3123)
科目番号 5C22 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 産業システム工学科マテリアル・バイオ工学コース 対象学年 5
開設期 春学期(1st-Q) 週時間数 1st-Q:4
教科書/教材 〇化学教科書シリーズ 物理化学Ⅰ 物質の構造編 第2版,池上雄作・岩泉正基・手老省三 共著,丸善株式会社/〇教員作成資料
担当教員 大友 征宇,小船 茉理奈

到達目標

1. 量子論の誕生と量子化学の基礎的概念について理解できる。
2. 原子軌道・分子軌道により、原子の構造や分子形成、化学結合を理解し、説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 量子化学の基礎的概念量子化学の基礎的概念を理解しており、説明できる。量子化学の基礎的概念を理解している。量子化学の基礎的概念を理解できていない。
評価項目2 原子構造と化学結合、分子間力と分子スペクトル(集中講義)原子軌道・分子軌道により、原子の構造や分子形成、化学結合を理解し、説明できる。原子軌道・分子軌道について理解している。原子軌道・分子軌道について理解していない。

学科の到達目標項目との関係

ディプロマポリシー DP2 〇 説明 閉じる
ディプロマポリシー DP3 ◎ 説明 閉じる
ディプロマポリシー DP5 〇 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科3, 4年で学習した物理化学を基礎とし、量子化学の基本的な事柄を対象にしている。
化学反応や反応の計測では、細部に目を向ければ原子・電子の変化を観測しているため、原子核構造および量子化学を学び、原子・分子について、量子力学的に理解することを目指す。
授業の進め方・方法:
量子化学の基礎的概念に触れたのち、電子の運動を表す波動関数を導入して原子の構造と性質について、また、原子同士が近づいたときにどのような結合をつくり分子を形成するかについて分子軌道法により基本的な化学結合や分子構造を述べる。
注意点:
量子化学は量子論に基礎をおくため、数式で記述されることが一般的である。そのため、微分・積分や簡単な微分方程式についての基礎的知識は必要になる。
数学の復習をしておくこと。電卓を常時用意すること。
補充試験については、60点以上の得点で合格とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ①量子化学とは
②量子論の誕生
①量子化学の概念を理解する。
②量子論の黎明期について知る。
2週 ③古典力学と量子力学
④量子とは
③古典力学(ニュートン力学)と量子力学の違いを理解する。
④量子化、量子数について理解する。
3週 ⑤ハイゼンベルグの不確定性原理
⑥存在確率
⑤ハイゼンベルグの不確定性原理の概要を理解する。
⑥存在確率の概要を理解する。
4週 ⑦粒子性と波動性
⑧シュレーディンガー方程式
⑦微粒子が量子の性質と波の性質の両方を持っていることを理解する。
⑧電子の性質・挙動を方程式で表す。
5週 集中講義(大友)
原子構造と化学結合(水素型原子、軌道関数、電子配置、分子軌道法、混成軌道など)
分子間力と分子スペクトル(各種分子間相互作用、分子スペクトルの理論と計算)
原子軌道・分子軌道により、原子の構造や分子形成、化学結合を理解し、説明できる。
6週 集中講義(大友)
原子構造と化学結合(水素型原子、軌道関数、電子配置、分子軌道法、混成軌道など)
分子間力と分子スペクトル(各種分子間相互作用、分子スペクトルの理論と計算)
原子軌道・分子軌道により、原子の構造や分子形成、化学結合を理解し、説明できる。
7週 春学期到達度試験
8週 答案返却とまとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学放射線の種類と性質を説明できる。3前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
放射性元素の半減期と安定性を説明できる。3前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
核分裂と核融合のエネルギー利用を説明できる。3前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
気体の分子速度論から、圧力を定義して、理想気体の方程式を証明できる。3
束一的性質を説明できる。3前5
化合物の標準生成自由エネルギーを計算できる。3前1,前2
反応における自由エネルギー変化より、平衡定数・組成を計算できる。3前1,前2
平衡定数の温度依存性を計算できる。3前1,前2
反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。3前3,前4,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
反応速度定数、反応次数の概念を理解して、計算により求めることができる。3前3,前4,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
微分式と積分式が相互に変換できて半減期が求められる。3前3,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる。4前1,前2

評価割合

試験課題合計
総合評価割合6040100
基礎的能力101020
専門的能力503080
分野横断的能力000