概要:
【開講学期】秋学期週時間、冬学期週2時間
原料から製品化までは多数の工程から成り立ち、工程別における品質管理は均質な製品に要求される不可欠な要素となる。特に、製品から不純物の分離および精製といった工程はきわめて重要な部分を担う。これらを適切に行うために要求されるのは、合理的な装置の設計・製作ならびに操作である。本講義の目標は分離・精製分野に求められる工学的な基礎知識の習得、すなわち物質の特性に着目した分離法を学ぶところにある。
授業の進め方・方法:
本講義の前半は物質の固体の性状に着目した分離、すなわち機械的分離法の概要を学ぶ。ここでは、単一粒子の運動を基本として粒子群への応用を図るものとする。後半では物理化学的な分離法について学ぶ。ここでは、物質保存則・原子の保存則(化学反応)・エネルギー保存則について講義する。蒸留に関しては2成分系の気液平衡および精留塔の設計計算を行う。成績は集中講義課題50%, 到達度試験35%、課題・宿題を15%として評価を行い、総合評価を100点満点として、60点以上を合格とする。答案は採点後返却し、達成度を伝達する。
注意点:
履修済み科目「物理」「化学工学」そして「情報処理」については丁寧に復習のうえ受講して頂きたい。電卓等の計算用道具は必携となる。また、課題等の提出に際しては期限の厳守が要求される。集中講義の演習はグループによる対応となる。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 力学 | 速度と加速度の概念を説明できる。 | 3 | |
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。 | 3 | |
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。 | 3 | |
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。 | 3 | |
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。 | 3 | |
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。 | 3 | |
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。 | 3 | |
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。 | 3 | |
物体に作用する力を図示することができる。 | 3 | |
力の合成と分解をすることができる。 | 3 | |
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。 | 3 | |
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。 | 3 | |
慣性の法則について説明できる。 | 3 | |
運動方程式を用いた計算ができる。 | 3 | |
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。 | 3 | |
運動の法則について説明できる。 | 3 | |
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | |
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | |
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 3 | |
化学(一般) | 化学(一般) | 純物質と混合物の区別が説明できる。 | 4 | |
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。 | 4 | |
水の状態変化が説明できる。 | 4 | |
物質の三態とその状態変化を説明できる。 | 4 | |
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。 | 4 | |
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。 | 4 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 化学工学 | SI単位への単位換算ができる。 | 4 | |
物質の流れと物質収支についての計算ができる。 | 4 | |
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。 | 4 | |
管径と流速・流量・レイノルズ数の計算ができ、流れの状態(層流・乱流)の判断ができる。 | 5 | |
蒸留の原理について理解できる。 | 4 | 後8,後9 |
単蒸留、精留・蒸留装置について理解できる。 | 4 | 後10,後11 |
蒸留についての計算ができる(ラウールの法則、マッケーブシール法等)。 | 4 | 後12,後13,後14 |