概要:
無機化学は、現在知られているすべての元素を取り扱う化学である。多様な化学結合によりつくられる無機化合物は様々な性質を持つ。これを体系化する基礎となるのが周期表である。元素の周期性はその電子配列に由来し、化学反応を考える上で重要なものとなっている。本科目では、似た電子配置をもつ元素群を一括して理解する。また、周期表にそって各元素・化合物の特性を体系的に理解することを目標とする。
授業の進め方・方法:
周期律表に基づいて体系化された各ブロック元素について体系的に学ぶ。それぞれのブロックの元素、化合物について名称や性質を演習問題を交えながら行う。
注意点:
1. 1学年の化学で学んだことが基礎になる。また2年の無機化学Ⅰで学んだ内容の理解が必要である。
2. 講義は多くの演習をまじえて行う。また、課題や小テストも積極的に行うので予習・復習を必ず行うこと。
3. 下記の参考図書も理解を深めるので是非参考にすること。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 有機化学 | σ結合とπ結合について説明できる。 | 2 | |
混成軌道を用い物質の形を説明できる。 | 2 | |
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。 | 2 | |
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。 | 2 | |
無機化学 | 主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。 | 2 | |
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。 | 2 | |
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。 | 2 | |
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。 | 2 | |
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。 | 2 | |
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。 | 2 | |
イオン結合と共有結合について説明できる。 | 2 | |
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。 | 2 | |
金属結合の形成について理解できる。 | 2 | |
各種無機材料の機能発現や合成反応を結晶構造、化学結合、分子軌道等から説明できる。 | 4 | |
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。 | 2 | |
配位結合の形成について説明できる。 | 4 | |
水素結合について説明できる。 | 4 | |
錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。 | 2 | |
錯体の命名法の基本を説明できる。 | 2 | |
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。 | 4 | |
セラミックス(ガラス、半導体等)、金属材料、炭素材料、半導体材料、複合材料等から、生活及び産業を支えるいくつかの重要な無機材料の用途・製法・構造等について理解している。 | 4 | |
現代を支える代表的な新素材を例に、その機能と合成方法、材料開発による環境や生命(医療)等、現代社会への波及効果について説明できる。 | 4 | |
単結晶化、焼結、薄膜化、微粒子化、多孔質化などのいくつかについて代表的な材料合成法を理解している。 | 2 | |
物理化学 | 触媒の性質・構造を理解して、活性化エネルギーとの関係を説明できる。 | 2 | |
表面の触媒活性を理解して、代表的な触媒反応を説明できる。 | 2 | |
ネルンストの式を用いて、起電力、自由エネルギー、平衡定数の関係が説明できる。 | 1 | |
電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる。 | 1 | |