有機化学Ⅲ(3092)

科目基礎情報

学校	八戸工業高等専門学校	開講年度	2017
授業科目	有機化学Ⅲ(3092)
科目番号	0121	科目区分	専門 / 必修
授業形態	講義	単位の種別と単位数	履修単位: 1
開設学科	産業システム工学科マテリアル・バイオ工学コース	対象学年	3
開設期	後期	週時間数	2
教科書/教材	基礎有機化学／H. Hart著／秋葉欣哉・奥彬共訳／培風館／2002
担当教員	佐藤 久美子

到達目標

１．到達レベルは、授業や教科書の演習問題等を自力で解答できること。個別には以下の通り。
２．各化合物の分類と命名法、物理・化学的性質、合成法および反応性等を習熟できていること。
３．有機反応の本質を把握するため、反応の電子論や反応機構を理解できていること。

ルーブリック

	理想的な到達レベルの目安	標準的な到達レベルの目安	未到達レベルの目安
評価項目1	各化合物の分類と命名法、物理・化学的性質、合成法および反応性等の演習問題等の90％以上を自力で解答できる。	各化合物の分類と命名法、物理・化学的性質、合成法および反応性等の演習問題等の70～80％を自力で解答できる。	各化合物の分類と命名法、物理・化学的性質、合成法および反応性等の演習問題等を自力で解答できるのは50％未満である。
評価項目2	反応の電子論や反応機構を理解して、その演習問題等の90％以上を自力で解答できる。	反応の電子論や反応機構を理解して、その演習問題等の70～80％を自力で解答できる。	反応の電子論や反応機構の演習問題等を自力で解答できるのは50％未満である。
評価項目3

教育方法等

概要:

有機化合物の原子からの構成原理（結合論、構造式、異性体、分類等）、各化合物の物理的性質と反応性、合成法等について学習し、必要な問題解決に応用出来るようにする。化合物は、アルデヒド・ケトン、カルボン酸、カルボン酸誘導体、アミンを主に扱う。本科目は有機系科目の基礎として重要であると同時に生物系科目の基盤としても重要である。

授業の進め方・方法:

１．各化合物についてそれぞれ、分類と命名法、物理・化学的性質、および合成法等を学習する。
２．それ以外に、特にカルボン酸では酸としての性質および各種誘導体、アミンでは、塩基としての性質とジアゾニウム塩について学習する。
３．構造式と命名法、および演習を重視する。随時学生諸君からの解答を求める演習問題を行い、各自の到達度を確認する。

注意点:

１．有機化合物は構成する元素は数少ないが物質は多様であり、複雑にもなり、学んだことを忘れやすい。　暗記も必要であるが、よく整理されて使える知識を身につけるためには、理屈を基本に考えることが大切である。
２．理解しにくい点の予習復習等、日常的・継続的な自学自習が必要である。
３．本科目の化合物は、有機化学の中でも重要な位置を占め、生物や合成高分子とも関係が深いことに留意すること。カルボン酸とアミンは代表的な有機の酸・塩基であり、各種誘導体の重要性も大きい。これらと、アルコール、アルデヒド、 ニトリルなどと関連付けて把握すること。

授業計画

		週	授業内容	週ごとの到達目標
後期
	3rdQ
		1週	カルボン酸（酸性の原因、酸性度定数への構造の影響、塩の生成）
		2週	カルボン酸（酸性の原因、酸性度定数への構造の影響、塩の生成）
		3週	カルボン酸（合成法、カルボン酸誘導体：エステルの合成、求核的アシル基置換反応機構）
		4週	カルボン酸（合成法、カルボン酸誘導体：エステルの合成、求核的アシル基置換反応機構）
		5週	カルボン酸（Fischerのエステル化反応、カルボン酸誘導体：エステルの反応）
		6週	カルボン酸（Fischerのエステル化反応、カルボン酸誘導体：エステルの反応）
		7週	カルボン酸（カルボン酸誘導体：酸ハロゲン化物、酸無水物、酸アミド、Claisen縮合）
		8週	カルボン酸（カルボン酸誘導体：酸ハロゲン化物、酸無水物、酸アミド、Claisen縮合） と中間テスト
	4thQ
		9週	アミン（定義、分類、命名法、塩基度定数、塩基度定数への構造の影響）
		10週	アミン（定義、分類、命名法、塩基度定数、塩基度定数への構造の影響）
		11週	アミン（合成法、アミド、アミン塩の生成）
		12週	アミン（合成法、アミド、アミン塩の生成）
		13週	アミン（芳香族ジアゾニウム塩の生成と置換反応 ； Sandmeyer反応等）
		14週	アミン（芳香族ジアゾニウム塩の生成と置換反応 ； Sandmeyer反応等）
		15週	到達度試験
		16週	到達度答案返却とまとめ

評価割合

	中間試験	到達度試験	合計
総合評価割合	40	60	100
基礎的能力	0	0	0
専門的能力	40	60	100
分野横断的能力	0	0	0