エネルギー物理学Ⅱ(0234)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 エネルギー物理学Ⅱ(0234)
科目番号 0126 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 産業システム工学科マテリアル・バイオ工学コース 対象学年 3
開設期 秋学期(3rd-Q),冬学期(4th-Q) 週時間数 3rd-Q:2 4th-Q:2
教科書/教材 物理の良問問題集[物理基礎・物理](中川雅夫 著,旺文社),改訂ニューグローバル物理基礎+物理(東京書籍),よくわかる物理基礎+物理(小牧研一郎 監修, Gakken)
担当教員 丹羽 隆裕

到達目標

(1)電磁気を理解する上で重要な概念(波動,光学)などを復習し,知識として定着させる
(2)電気エネルギーの基礎となる概念を理解し,基本的な計算ができる。
(3)電気と磁気の基本的な関係を理解し,日常生活で利用されている装置のもととなる物理法則の基礎を理解できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 電磁気学の基礎となる知識電磁気学を理解する上で重要な,力学的な概念を定性的に説明でき,計算を通して定量的にも説明ができる。電磁気学を理解する上で重要な,力学的な概念を定性的に説明でき,基本的な計算をすることができる。電磁気学を理解する上で重要な,力学的な概念について,簡単な問題を機械的に計算することはできるが,定性的な説明が十分にできない。
評価項目2 電気エネルギーの基礎となる概念の理解物理学的な観点から見た電磁気学の考え方が理解でき,定性的な説明ができる。また,計算問題を通じて,定量的な説明もできる。物理学的な観点から見た電磁気学の考え方が理解でき,基本的な計算を通して,物理量を求めることができる。簡単な計算問題について,機械的に計算することはできるが,定性的な説明ができない。
評価項目3 電気と磁気の基本的な関係の理解電流がつくる磁場や電磁誘導など,電気と磁気の相互作用について理解し,日常生活で利用されている装置の原理について,簡単な計算を交えて説明ができる。電流がつくる磁場や電磁誘導など,電気と磁気の相互作用について理解し,簡単な計算問題の計算過程を記述できる。簡単な計算問題について,機械的に計算することはできるが,定性的な説明ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電気エネルギーを中心に,電磁気学の基礎を学ぶ。
電気エネルギーは明治以降,日常生活に深く根ざしており,現代社会では情報通信を根底で支えるなど,電気エネルギーなしの生活はもはや考えられないほど重要である。この授業ではまず,既習のエネルギーについて俯瞰し,電気エネルギーの位置付けを考える。その上で,物理学的な観点から,電気エネルギーの基礎となる概念を学び,日常生活で利用されている電気製品の基本的な原理が理解できるようになることを目指す。
また,電気エネルギーの理解には,磁気との相互作用を学ぶことが欠かせない。そこで,磁気の基礎についても触れ,基本的な計算ができるようにする。
授業の進め方・方法:
授業は講義形式で進行する。この授業で取り扱う内容は視覚化が難しいので,数式を多用して授業を進める。
演習問題の時間をたくさん設け,日常生活に現れる現象とリンクさせながら議論を理解を進める。
到達度試験70%、課題・小テスト等30%として評価を行い、総合評価は100点満点として、60点以上を合格とする。原則として,補充試験はしない。
注意点:
1,2年生で学んだ物理と数学を理解できていることが,エネルギー物理学IIを履修する上での前提条件である。
習得が不十分であればよく復習しておくこと。
また,一度分からなくなると理解が追いつくまでに非常に長い時間を要するため,分からなくなりかけたら,できるだけ速やかに質問したり,調査したりするスキルが要求される。
授業内容に関する質問はいつでも受け付けるので,気軽に教員室を訪ねてほしい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 これまでの知識の復習(1)力学的エネルギー エネルギーの基本的な概念を復習し,水力発電を例とした力学的エネルギー保存の法則から,エネルギーの変換について復習する
2週 これまでの知識の復習(2)振動・波動 エネルギーを伝播する基本的な概念である振動や波動について復習し,物理学で重要な「場の理論」のごく基本的な概念を理解する
3週 演習(1) 第1週,第2週の知識を確認し,具体的な問題を解けるようにする
4週 電流と直流回路(1)オームの法則 物理学的な観点から電流を理解し,ごく基本的な素子(電源と電気抵抗)から構成された直流回路について,合成抵抗の計算を応用して,オームの法則を用いて計算ができる
5週 電流と直流回路(2)電圧降下とキルヒホッフの法則 直流回路における電圧降下について理解し,キルヒホッフの第二法則を用いて,直流回路内の電流の大きさが計算できる
6週 演習(2) 第4週と第5週までの知識を確認し,具体的な問題を解けるようにする
7週 電荷の基礎知識とクーロンの法則 電気を帯びた物体についての基本的な知識を学び,静電気によって発生する静電気力が計算できるようにする
8週 電場の基礎知識 静電気力が及ぶ空間である電場について,第2週で学んだ知識を利用して理解する
4thQ
9週 電場内を運動する電荷の仕事 電場内を運動する電荷について,位置エネルギーや運動エネルギーを計算できるようにする
10週 電位,演習(3) 電位の概念を理解し,電場との違いが説明できるようにする
電圧と電位の違いが説明できるようにする
第7週と第10週までの知識を確認し,具体的な問題を解けるようにする
11週 コンデンサの基礎知識(1)コンデンサの動作原理 静電気力と電場の概念を応用した電気素子である,コンデンサの原理を理解し,物性の観点から見た静電容量の計算ができる
12週 コンデンサの基礎知識(2)コンデンサを含む回路 コンデンサを含む直流回路の諸量(電荷量,電圧,静電容量)を求めることができ,回路内のコンデンサの静電容量を計算できる
13週 演習(3) 第9週から第12週までの知識を確認し,具体的な問題を解けるようにする
14週 磁場の基礎 電流が作る磁場についての基本的な計算と,フレミング左手の法則を用いた電磁誘導を理解する
15週 到達度試験(答案返却とまとめ) エネルギー物理学 II で学んだ知識の確認を行い,理解が十分でない範囲を把握する
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験小テスト・レポート等合計
総合評価割合7030100
基礎的能力7030100
専門的能力000
分野横断的能力000