分析化学ⅠB(3115)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 分析化学ⅠB(3115)
科目番号 0173 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 産業システム工学科マテリアル・バイオ工学コース 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 基礎からわかる分析化学/加藤正直・塚原聡/森北出版
担当教員 中村 重人

到達目標

酸塩基平衡における、溶液内の各化学種の種類と濃度が計算できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1酸、塩基、塩の水溶液、およびそれらの混合溶液に存在する各化学種の濃度およびpHが計算できる。酸、塩基、塩の水溶液中に存在する各化学種の濃度およびpHが計算できる。酸、塩基、塩の水溶液および緩衝溶液に存在する各化学種の濃度が計算できない。
評価項目2pH緩衝溶液のpHを厳密に計算できる。弱酸とその塩の混合溶液がpH緩衝溶液となることを理解し、そのpHの計算ができる。pH緩衝溶液の特徴がわからない。
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 定性分析、定量分析などでは、化学平衡に基づいて操作法や反応条件を最適化していることが多い。化学平衡は分析化学の基礎であり、また、あらゆる化学領域で考慮しなければいけない重要な概念である。本科目では、分析化学ⅠAで学んだ分離法や分析法に関連する、溶液内の種々の化学平衡のうち酸塩基平衡を取り上げ、平衡定数の意味を理解し、各化学種の濃度計算などの定量的取り扱い方ができることを目標とする。
授業の進め方・方法:
 酸塩基平衡の平衡定数とそれを使った溶液内の化学種の濃度計算の方法を学ぶ。各平衡における平衡定数の意味や、定量分析との関連について説明する。
注意点:
 pH、反応物、生成物の平衡濃度の算出などの計算が多いため、電卓を常に用意しておくこと。四則演算はもとより、2次式の解法や指数対数計算などは完璧にできるようにしておくこと。電卓の使い方になれること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 化学平衡と平衡定数 化学平衡の意味と条件の変化による化学平衡の移動について理解する。活量と活量係数から、熱力学的平衡定数と濃度平衡定数の関係が理解できる。平衡定数の定義式を書ける。
2週 酸塩基平衡(酸と塩基、強酸、強塩基) 酸、塩基の定義がわかる。水素イオン濃度とpHの相互変換ができる。強酸、強塩基の水溶液のpHが計算できる。
3週 酸塩基平衡(解離定数、弱酸) 弱酸の酸解離定数の定義式が書け、質量均衡の式、電荷均衡の式から水溶液のpHが計算できる。
4週 酸塩基平衡(弱塩基) 弱塩基の塩基解離定数の定義式が書け、質量均衡の式、電荷均衡の式から水溶液のpHが計算できる。
5週 小テスト、酸塩基平衡(弱酸の塩) 弱酸と強塩基からできる塩の水溶液のpHが計算できる。
6週 酸塩基平衡(弱塩基の塩) 弱塩基と強酸からできる塩の水溶液のpHが計算できる。
7週 酸塩基平衡(緩衝溶液) 弱酸とその塩、または弱塩基とその塩の混合溶液がpH緩衝溶液となること、およびそのpHの計算が理解できる。
8週 到達度試験
2ndQ
9週 (答案返却とまとめ)
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。4
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。4
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。4
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。4

評価割合

試験小テスト・課題等合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力08020100
分野横断的能力000