概要:
本科目は前期週1時間開講する。生体代謝化学とは生命現象を化学で説明する学問であり、生体物質の構造、代謝と生合成に関する分野が中心的な内容である。本授業では各種生体物質の生体内での代謝経路の概要を把握し説明できることを目標とする。
授業の進め方・方法:
生体物質の構造およびそれらの代謝経路を解説する。授業は主に講義形式により知識を修得するが、グループワークによる調査、発表等も実施することで理解度を深めるように進めていく。
注意点:
代謝を体内物質とその相互の反応の面から理解していくことが重要である。よって、常に構造式で代謝中間物質を理解し、そのためには有機化学の授業内容を十分に理解すること。一つ一つの反応も重要であるが、それ以上に代謝系全体の流れ、一つ一つの反応におけるエネルギー収支、生体触媒としての酵素の構造と役割を十分に理解すること。成績は到達度試験80%、課題・宿題を20%として評価を行い、総合評価を100点満点として、60点以上を合格とする。答案は採点後返却し、達成度を伝達する。総合評価が60点未満の場合、補充試験の実施を行うが、その場合、補充試験成績80点以上を合格とし総合評価を60点とする。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 基礎生物 | 代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。 | 5 | 前3 |
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。 | 5 | 前3 |
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。 | 5 | 前9 |
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。 | 5 | 前1 |
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。 | 5 | 前1 |
染色体の構造と遺伝情報の分配について説明できる。 | 5 | 前1 |
生物化学 | タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。 | 5 | 前1 |
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。 | 5 | 前1 |
単糖と多糖の生物機能を説明できる。 | 5 | 前1 |
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。 | 5 | 前1 |
グリコシド結合を説明できる。 | 5 | 前1 |
多糖の例を説明できる。 | 5 | 前1 |
脂質の機能を複数あげることができる。 | 5 | 前2 |
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。 | 5 | 前2 |
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。 | 5 | 前2 |
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。 | 5 | 前2 |
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。 | 5 | 前2 |
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。 | 5 | 前2 |
タンパク質の高次構造について説明できる。 | 5 | 前2 |
ヌクレオチドの構造を説明できる。 | 5 | 前2 |
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。 | 5 | 前2 |
DNAの半保存的複製を説明できる。 | 5 | 前2 |
RNAの種類と働きを列記できる。 | 5 | 前2 |
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。 | 5 | 前2 |
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。 | 5 | 前2 |
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。 | 5 | 前2 |
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。 | 5 | 前2 |
解糖系の概要を説明できる。 | 5 | 前3 |
クエン酸回路の概要を説明できる。 | 5 | 前3 |
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。 | 5 | 前4 |
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。 | 5 | 前5,前6 |
各種の光合成色素の働きを説明できる。 | 5 | 前9 |
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。 | 5 | 前9,前10 |
炭酸固定の過程を説明できる。 | 5 | 前11,前12,前13,前14 |