生物学概論(5007)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 生物学概論(5007)
科目番号 0035 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 産業システム工学専攻マテリアル・バイオ工学コース 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 教員配布資料
担当教員 山本 歩

到達目標

1.生命現象と環境の関わりを通じ、地球環境を広い視野で考えることができる
2.生命の尊厳の理解

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
細胞の基本的な構造と活動(タンパク質合成・エネルギー代謝・細胞分裂)について説明できる。細胞の構造や基本的な活動についてよく理解し、名称だけでなくその役割や働きを図示して説明できる。細胞の構造や基本的な活動について部分的に理解し、名称だけでなくその役割や働きを説明できる。細胞の構造や基本的な活動について理解できず、一切の説明ができない。
代表的な生体分子(DNA・タンパク質)の構造と役割について説明できる。DNAとタンパク質の基本的な構造についてよく理解し、与えられた選択肢の中から正解を選択し、説明できる。DNAとタンパク質の基本的な構造について部分的に理解し、与えられた選択肢の中から正解を選択できる。DNAとタンパク質の基本的な構造について理解できず、与えられた選択肢から正解を選択することも説明することもできない。
遺伝の仕組みと突然変異について説明できる。遺伝の仕組みについてよく理解し複数の例を挙げて説明できる。さらに突然変異のタイプについて複数説明できる。遺伝の仕組みについて部分的に理解し例を挙げて説明できる。さらに突然変異のタイプについて部分的に説明できる。遺伝の仕組みや突然変異のタイプについて理解できず説明もできない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
地球上には数百万種にも及ぶ多種多様な生物が存在し、それらの種々の生命現象が密接に関連し合うことで生物の営みが成り立っている。本授業では、そのような生命現象に関する知識を深めて、最新の生命科学関連分野のニュースを適切に理解できる程度の生物学の教養を得ることを目標とする。
授業の進め方・方法:
生命現象の基礎として以下のことを取り扱う。1.生物は細胞を基本単位としている。2.生殖によって新しい個体を作る。3.遺伝子によって親から子へ形質を伝える。4.生物は進化する。授業は主に講義形式で実施するが、適宜グループワークによる調査、発表を行い理解を深める。
注意点:
履修にあたっては、本科の「生物」の内容を十分に復習しておくこと。本科目は基礎生物学と、最新の応用生物学の橋渡し的な内容となる。また、生物を扱う学問は総合的な自然科学である。そのため、生物系科目だけでなく、化学系、物理系も含めて自然科学系の授業内容を広く理解しておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス:環境問題と生物学 生物の世界を階層に分けて捉えることを理解する。
2週 細胞としての生物① (細胞の構造) 細胞の構造と仕組みについて理解する。
3週 細胞としての生物➁ (細胞の構造) 細胞の構造と仕組みについて理解する。
4週 分子としての生物① (タンパク質・核酸) DNAとタンパク質の基本構造とその役割についてセントラルドグマと併せて理解する。
5週 分子としての生物➁ (脂質) 脂質の基本的な構造と役割について理解する。
6週 個体を増やすしくみ① (生殖と発生) 生殖と発生を経た個体の形成について理解する。
7週 個体を増やすしくみ➁ (生殖と発生) 生殖と発生を経た個体の形成について理解する。
8週 個体を次代に残す① (遺伝) メンデルの遺伝の法則を基礎とし伴性遺伝や血液型の遺伝などについて理解するとともに、突然変異による遺伝情報の変化を学ぶ。
2ndQ
9週 個体を次代に残す➁ (遺伝) メンデルの遺伝の法則を基礎とし伴性遺伝や血液型の遺伝などについて理解するとともに、突然変異による遺伝情報の変化を学ぶ。
10週 個体内部の環境を維持するしくみ (ホメオスタシス) ホメオスタシスの役割と仕組みについて学ぶ。
11週 個体を守るしくみ① (血液と免疫) 血液成分と免疫細胞の役割について学ぶ。
12週 個体を守るしくみ➁ (血液と免疫) 血液成分と免疫細胞の役割について学ぶ。
13週 生物の進化① 生物の進化と多様性について学ぶ。
14週 生物の進化② 生物の進化と多様性について学ぶ。
15週 到達度試験 学習した内容の到達度を筆記試験にて確認する。
16週 到達度試験の答案返却とまとめ 到達度試験の答案解説とともに学習内容の総まとめを行い全体の理解を深める。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物原核生物と真核生物の違いについて説明できる。3
核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。3
葉緑体とミトコンドリアの進化の説について説明できる。3
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。3
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。3
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。3
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。3
染色体の構造と遺伝情報の分配について説明できる。3
細胞周期について説明できる。3
分化について説明できる。3
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。3
細胞膜を通しての物質輸送による細胞の恒常性について説明できる。3
フィードバック制御による体内の恒常性の仕組みを説明できる。3
免疫系による生体防御のしくみを説明できる。3
生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。3
脂質の機能を複数あげることができる。3
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。3
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。3
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。3
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。3
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。3
タンパク質の高次構造について説明できる。3
ヌクレオチドの構造を説明できる。3
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。3
DNAの半保存的複製を説明できる。3
RNAの種類と働きを列記できる。3
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。3
解糖系の概要を説明できる。3
クエン酸回路の概要を説明できる。3
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。3
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力80200000100
分野横断的能力0000000