材料化学(5241)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 材料化学(5241)
科目番号 0036 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 産業システム工学専攻マテリアル・バイオ工学コース 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 しくみ図解シリーズ金属材料が一番わかる/三木貴博監修/技術評論社/2014、教員作成資料
担当教員 新井 宏忠

到達目標

1.金属材料の一般的性質と用途、その発現機構の概略を説明できること。
2.代表的な医薬品の構造と作用機構の概略が理解できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
鉄・鉄鋼の製造鉄鋼材料が鉱石からどのように製造・加工されるのか、基礎的な流れを説明できる。教科書等の参考情報により、鉄鋼材料が鉱石からどのように製造・加工させるのか、基礎的な流れを説明できる。教科書等の参考情報を参照しても、鉄鋼材料が鉱石からどのように製造・加工させるのか、基礎的な流れを説明できない。
非鉄金属材料に関する概説非鉄金属(Al・Cu・Ti・Zn、レアメタルなど)の製造方法、物理的および化学的性質を説明できる。また、代表的な用途を説明できる。教科書等の参考情報により、非鉄金属(Al・Cu・Ti・Zn、レアメタルなど)の製造方法、物理的および化学的性質を説明できる。また、代表的な用途を説明できる。教科書等の参考情報により、非鉄金属(Al・Cu・Ti・Zn、レアメタルなど)の製造方法、物理的および化学的性質を説明できない。
新機能材料に関する概説高張力鋼板や電磁鋼、アモルファス金属などの先端材料の物理的および化学的性質を説明できる。教科書等の参考情報により、高張力鋼板や電磁鋼、アモルファス金属などの先端材料の物理的および化学的性質を説明できる。教科書等の参考情報を参照しても、高張力鋼板や電磁鋼、アモルファス金属などの先端材料の物理的および化学的性質を説明できない。
医薬品の作用機構の基礎医薬品の作用原理としての拮抗と選択毒性を具体的例を挙げて説明できる医薬品の作用原理としての拮抗と選択毒性が理解できる医薬品の作用原理としての拮抗と選択毒性が理解できない
構造活性相関サルファ剤、モルヒネ系鎮痛剤の構造活性相関を構造式を用いて説明できるサルファ剤、モルヒネ系鎮痛剤の構造活性相関を理解できるサルファ剤、モルヒネ系鎮痛剤の構造活性相関を理解できない
向精神薬・鎮痛剤薬物依存の成立と鎮痛の機構を図を用いて説明できる薬物依存の成立と鎮痛の機構を図を用いて説明できる薬物依存の成立と鎮痛の機構を図を用いて説明できない
循環器薬受容体と遮断薬の関係を図を用いて説明できる受容体と遮断薬の関係が理解できる受容体と遮断薬の関係が理解できない

学科の到達目標項目との関係

ディプロマポリシー DP3 ◎ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
【開講学期】春・夏学期週2時間
「材料」の発展は最近特に著しく、化学、薬学、電気・電子工学、機械工学、土木工学等あらゆる分野に新素材を提供している。この講義では、今日の工業技術の中でも中心的な役割を担っている機能性有機材料、金属材料などの各論について講義する。

※実務との関係
この科目は、全15週のうち、前半の第1週から第7週において、企業で金属素材製造プロセスの改善・評価、高付加価値素材の製造方法の設計等の研究開発を担当していた教員が、その経験を活かし、材料設計に資する金属材料の一般的性質、構造材料や機能性材料の特徴や性質ならびに金属資源動向などを講義形式で授業を行うものである。後半の第8週から第15週において、企業で医薬品の研究開発を担当していた教員が、その経験を活かし、有機化学物質の観点から医薬品を概観する授業を講義形式で行うものである。
授業の進め方・方法:
1.金属全般の一般的性質(強度・物性など)や加工方法と代表的な金属素材の特徴・用途について学ぶ。
(補充試験の場合は、試験の点数のみで合格となる。)
2.医薬品の作用機構、構造活性相関等を有機化学物質の観点から学ぶ。

〇評価方法
・定期試験80%、小テスト、レポートを20%として評価を行う。
・答案およびレポートは採点後返却し、達成度を伝達する。
・総合評価は100点満点として、60点以上を合格とする。
注意点:
1.本科で学習した化学や物理の知識が基礎になるので、必要に応じて復習および補強しなければならない。
2.各自の専門分野と関連づけて考察することが必要。
3.一般的な「材料」の重要性に対する関心を常に持ち、認識を深めること。

・自学自習は試験にて評価する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 金属材料の基礎
2週 鉄の歴史
3週 鉄・鉄鋼の製造(乾式製錬)
4週 鉄・鉄鋼の加工技術
5週 非鉄金属に関する概説
6週 新機能材料に関する概説
7週 新機能材料に関する概説
8週 演習
2ndQ
9週 医薬品の歴史 医薬品の作用原理としての拮抗と選択毒性が理解でき、医薬品の有効性について有機化学物質の視点で説明できる。
10週 化学療法剤 代表的な化学療法剤であるサルファ剤とキノロン剤の構造活性相関が理解できる。最初の感染症薬であるスルファミンをどのように修飾して抗菌スペクトラムを広げてきたか有機化学物質の視点で説明できる。
11週 抗生物質 βーラクタム系抗生物質の構造活性相関が理解でき、最初の抗生物質であるペニシリンをどのように修飾してして抗菌スペクトラムを広げてきたか有機化学物質の視点で説明できる。
12週 鎮痛剤・向精神薬 鎮痛の機構とモルヒネ系鎮痛剤の構造活性相関が理解でき、どのようにしてモルヒネの麻薬性を排除しつつ鎮痛性を向上をはかってきたか有機化学物質の視点で説明できる。
13週 循環器薬 受容体と遮断薬の関係が理解でき、レセプターに対する作動薬と拮抗薬を有機化学物質の視点で説明できる。
14週 抗癌剤・ワクチン 抗癌剤とワクチンの作用機構が理解でき、Covid19対応mRNAワクチンの構造と作用機構を有機化学物質の視点で説明できる
15週 薬物代謝 投与された医薬品の体内運命が理解でき、生体にとって異物である医薬品がどのように代謝されるか有機化学物質の視点で説明できる
16週 試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。4前8
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。1
物質が原子からできていることを説明できる。4前1
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。4前1
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。2
純物質と混合物の区別が説明できる。2
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。1
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。2
水の状態変化が説明できる。2
物質の三態とその状態変化を説明できる。2
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。3
同位体について説明できる。2
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。1
原子のイオン化について説明できる。3
代表的なイオンを化学式で表すことができる。3
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。1
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。2
イオン式とイオンの名称を説明できる。4
イオン結合について説明できる。4
イオン結合性物質の性質を説明できる。4
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。4
共有結合について説明できる。2
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。1
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。4
金属の性質を説明できる。4
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。1
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。1
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。1
酸化還元反応について説明できる。4
イオン化傾向について説明できる。1
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。1
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。2前12

評価割合

試験小テスト・レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000