主要な建設材料である木材・コンクリート・鋼材の基本的な性質を履修する。実際の構造物や図面の中で使用されている建設材料と部位の関係を的確に把握し、また構造物の設計や管理に必要となる基礎知識を身につける。
概要:
建築物を計画・設計する際、建築材料の選定が適切でないと建物の品質は確保できない。また近年では省資源化や廃棄物排出の抑制など、社会的な要求を考慮した建築材料の使用が求められて
いる。持続可能な社会を構築する社会資産となる質の高い建物を建設・管理するためには、建築材料の特性を知り、その特性に適した配置を行う「適材適所」が不可欠である。そこで本授業では、
自然素材から新素材まで各種建築材料の基本的な物性と活用手法を学習する。
授業の進め方・方法:
授業では,プロジェクターを利用して,上述の重要点についての図解や,実物の写真などを交えた内容を講義する。自学自習用の課題やレポート作成などの提出を求める。評価は到達度試験(中間試験含む)70%、課題やレポートなど30%として行い、100点満点として60点以上を合格とする。なお、答案は採点後返却し、達成度を伝達する。
注意点:
授業の予習及び復習が不可欠である。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建設系分野 | 材料 | 材料に要求される力学的性質及び物理的性質に関する用語、定義を説明できる。 | 3 | |
鋼材の種類、形状を説明できる。 | 3 | |
鋼材の力学的性質(応力-ひずみ関係、降伏強度、引張強度、弾性係数等)を説明できる。 | 3 | |
セメントの物理的性質、化学的性質を説明できる。 | 3 | |
各種セメントの特徴、用途を説明できる。 | 3 | |
骨材の含水状態、密度、粒度、実積率を説明できる。 | 3 | |
骨材の種類、特徴について、説明できる。 | 3 | |
混和剤と混和材の種類、特徴について、説明できる。 | 3 | |
コンクリートの長所、短所について、説明できる。 | 4 | 後1 |
コンクリート構造の種類、特徴について、説明できる。 | 3 | |
建築系分野 | 材料 | 木材の種類について説明できる。 | 3 | |
傷(節など)について説明できる。 | 3 | |
耐久性(例えば腐れ、枯渇、虫害など)について説明できる。 | 3 | |
耐火性について説明できる。 | 3 | |
近年の木材工業製品(集成材、積層材など)の種類について説明できる。 | 3 | |
木材の成長と組織形成から、物理的性質の違いについて説明できる。 | 3 | |
セメントの製造方法(廃棄物の利用も含む)について説明できる。 | 3 | |
セメントの種類・特徴について説明できる。 | 3 | |
コンクリート用軽量骨材があることを知っている。 | 3 | |
混和材(剤)料の種類(例えばAE剤と減水剤、フライアッシュやシリカフュームなど)をあげることができる。 | 3 | |
コンクリートの強度(圧縮、引張、曲げ、せん断)の関係について説明できる。 | 3 | |
各種(暑中・寒中など)・特殊(水密、高強度など)コンクリートの名称をあげることができる。 | 3 | |
コンクリート製品(ALC、プレキャストなど)の特徴について説明できる。 | 3 | |
耐久性(例えば中性化、収縮、凍害、塩害など)について現象名をあげることができる。 | 3 | |
建築用構造用鋼材の種類(SS、SM、SNなど)・性質について説明できる。 | 3 | |
建築用鋼製品(丸鋼・形鋼・板など)の特徴・性質について説明できる。 | 3 | |
非鉄金属(アルミ、銅、ステンレスなど)の分類、特徴をあげることができる。 | 3 | |
鋼材の耐久性(腐食、電食、耐火など)の現象と概要について説明できる。 | 3 | |
鋼材の応力~ひずみ関係について説明でき、その特異点(比例限界、弾性限界、上降伏点、下降伏点、最大荷重、破断点など)の特定と性質について説明できる。 | 3 | |