構造力学Ⅰ(4090)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 構造力学Ⅰ(4090)
科目番号 2Z35 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 産業システム工学科環境都市・建築デザインコース 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 4
教科書/教材 「Professional Engineer Library 構造力学」監修:PEL編集委員会・編著:岩坪要(実教出版)
担当教員 丸岡 晃

到達目標

1. 専門用語を理解し、図、説明文、英語の専門用語から対応する専門用語を答えることができる。
2. 理論や公式の導出過程を理解し、基本的な公式を暗記し、使用できる。
3. 構造力学の基本原理である「力のつり合い」について理解し、静定構造の自由物体図を図示でき、自由物体図から未知力を求めることができる。
4. 静定梁および静定トラスの反力と断面力を計算でき、断面力図を図示できる。
5. 静定梁および静定トラスの影響線を計算・図示でき、影響線を用いて反力や断面力を計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
専門用語英語の専門用語から対応する日本語の専門用語を答えることができる。理解し、図、説明文から対応する専門用語を答えることができる。正しく理解できず、図、説明文から対応する専門用語を正しく答えることができない。
理論や公式導出過程を理解し、基本的な公式を暗記し、使用できる。基本的な公式を暗記し、使用できる。基本的な公式を正しく暗記していない。公式を暗記していたとしても正しく使用できない。
力のつり合い応用的な静定構造の自由物体図を図示でき、自由物体図から未知力を求めることができる。基本的な静定構造の自由物体図を図示でき、自由物体図から未知力を求めることができる。正しく自由物体図を図示できない。図示できたとしても自由物体図から正しく未知力を求めることができない。
反力・断面力応用的な静定構造の反力と断面力を計算でき、断面力図を図示できる。基本的な静定構造の反力と断面力を計算でき、断面力図を図示できる。正しく反力と断面力を計算できない。計算できたとしても正しく断面力図を図示できない。
影響線静定トラスの影響線を計算・図示でき、影響線を用いて反力と断面力を計算できる。単純梁の連行荷重に対する絶対最大断面力を求めることができる。静定梁の影響線を計算・図示でき、影響線を用いて反力と断面力を計算できる。単純梁の連行荷重に対する最大断面力を求めることができる。正しく影響線を計算・図示できない。計算・図示できたとしても影響線を用いて正しく反力と断面力を計算できない。

学科の到達目標項目との関係

ディプロマポリシー DP3 ◎ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
【開講学期】秋学期週4時間(3rdQ:1~8週)・冬学期週4時間(4thQ:9~16週)
構造力学は各種構造物の力学的性質を知り、それらを安全に設計し、建設するための基礎となる学問である。本授業は、他の力学系専門科目の基礎となるため、しっかりと理解する必要がある。授業では多くの演習問題を解き、理論の理解とともに実際的な計算能力を身につける。
授業の進め方・方法:
構造力学の最も基本的な内容について学習する。構造力学で扱う最も基本的な構造である静定梁(単純梁・片持梁・張出梁・ゲルバー梁)と静定トラスを取り上げ、力のつり合いに関する基礎的事項および反力と断面力の求め方、また、影響線を用いた反力と断面力の求め方について学ぶ。説明と演習をセットで行うので授業時間内に理解してほしい。専門用語については、英語表記も示すので覚えるようにしてほしい。
到達度試験70%、演習問題30%として評価を行い、総合成績は100点満点として、60点以上を合格とする。答案は採点後返却し、達成度を伝達する。
ただし、冬学期については到達度試験を行えなくなったため、到達度試験の代替課題を70%として評価する。
それぞれの学期単位での総合成績が60点未満の学生に対して、教員が指示する条件(課題が全て提出されているか、補充課題が提出されているか等)を満足する場合に、学期単位での補充試験を実施する。この場合、補充試験の点数のみで評価し、60点以上の場合に学期単位での総合成績を60点とする。
注意点:
1. 教科書、配布プリントをもとに授業を進める。わからないと感じたときには、何度も教科書や配布プリントを読み直し、復習すること。
2. 自宅学習用の演習問題を適宜課す。必ず自力で実施し、提出が求められた場合には指定された期限内に提出すること。
3. A4ファイルを用意し、授業で配布するプリント、演習問題、到達度試験答案をファイリングして残しておくこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス、力、力の合成と分解、力のモーメント
平行な力、偶力、静力学と力のつり合い、質点の静力学、自由物体、自由物体図
力の合成と分解、力のモーメントについて理解する。
自由物体図、力のつり合いについて理解する。
2週 剛体の静力学、支持条件と反力、単純支持梁、静定、不静定、安定、不安定
不静定次数を用いた構造の判別、橋に作用する荷重、単純梁の反力
支持条件と反力、静定構造の反力の求め方、構造の判別(外的)について理解する。
橋に作用する荷重の種類、単純梁の反力の求め方について理解する。
3週 (集中・等分布・等変分布・モーメント)荷重の作用する(単純・片持・張出)梁の反力 種々の荷重の作用する基本的な静定構造の反力を求めることができる。
4週 外力と内力、応力と断面力、断面力の種類と正の方向, 断面力による変形
集中荷重が作用する単純梁・張出梁の断面力と断面力図
外力と内力、断面力についての事項について理解する。
断面力の求め方と断面力図の書き方について理解する。
5週 反力・断面力計算のルール
(集中・等分布・モーメント)荷重の作用する(単純・片持・張出)梁の断面力
反力・断面力計算のルールを理解し、種々の荷重の作用する基本的な静定構造の断面力を求め、断面力図を書くことができる。
6週 断面力の図式解法
ゲルバー梁の反力と断面力
種々の荷重の作用する基本的な静定構造の断面力の図式解法を理解し、実践できる。
ゲルバー梁の反力と断面力の求め方について理解する。
7週 種々のゲルバー梁の反力と断面力
間接荷重の作用する単純梁の反力と断面力
ゲルバー梁の反力と断面力を求め、断面力図を書くことができる。
間接荷重の作用する単純梁の反力と断面力を求め、断面力図を書くことができる。
8週 到達度試験(1)
(答案返却とまとめ)
主に反力と断面力に関する到達度を確認する。
4thQ
9週 トラスについて、内的安定(静定・不静定)・不安定、トラスの反力の部材力
トラスの解法1(節点法)
トラスの種類、各部の名称、構造の判別(内的)について理解する。
基本的なトラスの部材力を節点法によって求めることができる。
10週 トラスの解法2(断面法)
Kトラス、曲弦トラス、両端回転支点の問題、ゼロになる部材力
基本的なトラスの部材力を断面法によって求めることができる。
応用的なトラスの部材力を節点法または断面法によって求めることができる。
11週 影響線について
単純梁・片持梁の影響線
影響線の考え方について理解する。
単純梁や片持梁の影響線を作成でき、単純梁や片持梁の影響線から反力や断面力を求めることができる。
12週 張出梁の影響線
ゲルバー梁の影響線
張出梁やゲルバー梁の影響線を作成でき、影響線から反力や断面力を求めることができる。
13週 間接荷重の作用する単純梁の影響線
トラスの部材力の影響線
関節荷重の作用する単純梁の影響線を作成でき、影響線から反力や断面力を求めることができる。
トラスの部材力の影響線を作成でき、影響線からトラスの部材力を求めることができる。
14週 連行荷重について
連行荷重の作用する単純梁の最大断面力(最大せん断力、最大曲げモーメント)
連行荷重について理解し、連行荷重の作用する単純梁の最大断面力を求めることができる。
15週 連行荷重の作用する単純梁の絶対最大断面力(絶対最大せん断力、絶対最大曲げモーメント) 連行荷重の作用する単純梁の絶対最大断面力を求めることができる。
16週 到達度試験(2)
(答案返却とまとめ)
主に影響線とトラスに関する到達度を確認する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野構造各種静定ばりの断面に作用する内力としての断面力(せん断力、曲げモーメント)、断面力図(せん断力図、曲げモーメント図)について、説明できる。3後3,後4,後5,後6,後7
トラスの種類、安定性、トラスの部材力の意味を説明できる。3後9
節点法や断面法を用いて、トラスの部材力を計算できる。3後9,後10,後13
影響線を利用して、支点反力や断面力を計算できる。3後11,後12,後13
影響線を応用して、与えられた荷重に対する支点反力や断面力を計算できる。3後11,後12,後13,後14,後15
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。2後2
建築系分野構造力の定義、単位、成分について説明できる。3後1
力のモーメントなどを用い、力のつり合い(合成と分解)に関する計算ができる。3後1
骨組構造物の安定・不安定の判定ができる。3後2,後9
骨組構造物に作用する荷重の種類について説明できる。3後2
トラスの種類を説明でき、トラスの部材力の意味について説明できる。3後9
節点法や切断法を用いて、トラスの部材応力を計算できる。3後9,後10
はりの支点の種類、対応する支点反力、およびはりの種類やその安定性について説明できる。3後2,後3
はりの断面に作用する内力としての応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)、応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)について説明することができる。3後3,後4,後5
はり(単純ばり、片持ちはり)の応力を計算し、応力図を描くことができる。3後4,後5,後6
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。2後2

評価割合

到達度試験演習問題合計
総合評価割合7030100
基礎的能力000
専門的能力7030100
分野横断的能力000