応用物理ⅠA(4035)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 応用物理ⅠA(4035)
科目番号 3Z24 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 産業システム工学科環境都市・建築デザインコース 対象学年 3
開設期 春学期(1st-Q),夏学期(2nd-Q) 週時間数 1st-Q:2 2nd-Q:2
教科書/教材 新・基礎 力学 (ライブラリ新・基礎物理学)/永田 一清/サイエンス社、新・基礎 波動・光・熱学 (ライブラリ新・基礎物理学)/永田 一清・松原郁哉/サイエンス社
担当教員 中村 美道

到達目標

(1) 微分積分を用いて、速度や加速度の表現ができ、計算で求められること
(2) 様々な運動を運動方程式で記述し、物理現象を定性的に理解できること
(3) 熱力学の法則を微積分を用いて理解できること

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
微分形の運動方程式2次元以上の運動について,ベクトルを含む微分形の微分積分の数学的な意味を理解して物理学上の変位・運動方程式を立てることができ,次元ごとの運動の様子を定量的,定性的に理解できる1次元の運動について,ベクトルを含む微分形の運動方程式を立てることができ,その運動の様子を定量的,定性的に理解できるあらかじめ準備された運動方程式を,手続き的な解法でしか解くことができない
エネルギー積分と保存則2次元以上の運動について,運動方程式をエネルギー積分し、保存力のみが作用している場合のエネルギー保存則を導出できる1次元以上の運動について,運動方程式をエネルギー積分し、保存力のみが作用している場合のエネルギー保存則を導出できるあらかじめ準備された運動方程式に対して、エネルギー積分を正確にできない
熱とエネルギー理想気体の状態変化において、与えられた状態量の微小変化の関係を積分することで変化前後の状態量を求めることができる理想気体の状態変化における熱力学の第一法則が理解できる理想気体の状態変化における熱力学の第一法則が理解できない

学科の到達目標項目との関係

ディプロマポリシー DP2 ◎ 説明 閉じる
ディプロマポリシー DP3 〇 説明 閉じる
地域志向 〇 説明 閉じる

教育方法等

概要:
「応用物理IA、IB」は、2年生までの物理学の知識を確かなものとし、さらに発展させるとともに自然現象を数学的に表現し計算できることが学習の目標である。これまで一次元と二次元で取り扱ってきた物理学を、三次元に拡大するほか、熱力学も微積分を用いて取り扱えるようにする。
授業の進め方・方法:
力と運動をベクトル関数で表現し、運動方程式は微分方程式を用いて表現する。さらに、エネルギー、運動量、熱力学について学習する。問題の演習は授業時間内だけでなく宿題としても行う。 到達度試験70%、課題・小テスト等30%として評価を行い、総合評価は100点満点として、60点以上を合格とする。補充試験は行わない。原則として補充試験は実施しない。やむを得ない理由で補充試験を実施した場合は試験の点数のみで合格とする。
注意点:
2年生までの物理学の知識が確かなものであることが前提条件である。また、三角関数をはじめとした基礎数学、微分積分学、線形代数学の知識を道具として活用するため、これらの数学的手法が使いこなせることも必要である。演習問題は積極的に取り組み、復習に努めること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 座標系とベクトル 座標系とベクトルを理解できる。
2週 微分積分を用いた速度・加速度の記述 微分積分を用いた速度・加速度を理解できる。
3週 微分積分を用いた運動方程式の記述、落体の記述 微分積分を用いた運動方程式を理解できる。
4週 放物運動と空気抵抗 放物運動と空気抵抗を理解できる。
5週 束縛運動、単振動 束縛運動の基礎を理解できる。
6週 ベクトルのスカラー積と仕事・仕事率、 仕事・仕事率を理解できる。
7週 エネルギー保存則 エネルギー保存則を理解できる。
8週 到達度試験
(答案返却とまとめ)
2ndQ
9週 ベクトル積と力のモーメント ベクトル積と力のモーメントを理解できる。
10週 角運動量と角運動量保存則 角運動量と角運動量保存則を理解できる。
11週 質量中心と質点系の運動方程式 質量中心と質点系の運動方程式を理解できる。
12週 2体問題 2体問題を理解できる。
13週 熱、温度、内部エネルギー 熱、温度、内部エネルギーを理解できる。
14週 熱力学の第一法則 熱力学の第一法則を理解できる。
15週 気体の分子運動論と状態変化 気体の分子運動論と状態変化を理解出来る。
16週 到達度試験
(答案返却とまとめ)

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理物理速度と加速度の概念を説明できる。3前1
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3前1
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3前1
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3前2
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3前2
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3前2
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前4
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前4
物体に作用する力を図示することができる。3前3
力の合成と分解をすることができる。3前3
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3前3
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3前5
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。3前3
慣性の法則について説明できる。3前3
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3前3
運動方程式を用いた計算ができる。3前3
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3前3
運動の法則について説明できる。3前3
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3前5
最大摩擦力に関する計算ができる。3前5
動摩擦力に関する計算ができる。3前5
仕事と仕事率に関する計算ができる。3前6
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3前6
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3前6
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3前7
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3前7
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3前12
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3前12
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3前12
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3前5
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3前5
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3前5
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.3前12
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。3前12
力のモーメントを求めることができる。3前9
角運動量を求めることができる。3前10
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3前10
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。3前15
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。3前13
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。3前13
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3前14
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。3前14
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。3前14
気体の内部エネルギーについて説明できる。3前13
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。3前15
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。3前14
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。3前15
熱機関の熱効率に関する計算ができる。3前15

評価割合

到達度試験小テスト・レポート等合計
総合評価割合7030100
基礎的能力000
専門的能力7030100
分野横断的能力000