水理学Ⅰ(4120)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 水理学Ⅰ(4120)
科目番号 3Z33 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 産業システム工学科環境都市・建築デザインコース 対象学年 3
開設期 夏学期(2nd-Q),秋学期(3rd-Q) 週時間数 2nd-Q:4 3rd-Q:4
教科書/教材 最新水理学Ⅰ/大西外明/森北出版
担当教員 藤原 広和

到達目標

用語を理解し説明できること.次元と単位を理解すること.静水中に置かれた物体に作用する水圧を計算できること.流水が物体に及ぼす力を計算できること.流量の連続式を理解すること.ベルヌーイの定理を理解し利用できること.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1単位、次元、密度や比重等、基本的な特性量を説明できる次元や単位を間違わずに扱える基本的な特性量を説明できす、誤った単位を使う
評価項目2静水圧、圧力測定や浮体の安定性を説明すると伴に計算できる静水圧、圧力測定、浮体の安定性を計算できる静水圧、圧力測定、浮体の安定性を説明できす、計算ができない
評価項目3連続式、ベルヌーイ式、運動量方程式を説明でき、基本的な計算問題を解くことができる。連続式、ベルヌーイ式、運動量方程式を用いて基本的な問題を解くことができる連続式、ベルヌーイ式、運動量方程式を理解できない

学科の到達目標項目との関係

ディプロマポリシー DP3 ◎ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
人類の歴史は河や海と深く関わっている.水は生命を維持するために無くてはならないものであり,生活用水,農業用水,工業用水などに利用し,生活を豊かなものにしている.しかし,時として洪水,津波,土石流などのように生命,財産を奪うこともある.水理学は河川改修,海岸堤防,上下水道,ダム,各種水利施設などの設計に用いられる.この授業では水の運動に関する基本的概念と原理につて説明し,その基本的性質を学ぶ.水とはどのような物理的性質のものか理解すること,流体の基礎式を導き,いろいろな条件で考察できることが目標となる.
授業の進め方・方法:
水理学の入門編である.水理学の基本的な考え方および理論について解説する.授業計画の各項目の内容について説明し,演習問題,課題により理解を深める.
注意点:
週当たり2回、週4時間の授業である。数学的な記述が多いので,基礎数学や微分積分学を理解しておく必要がある.計算問題が多いので関数電卓は必携である.演習では各自の理解度を自覚できる。建設技術者にとっては基礎的科目となる.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
2ndQ
9週 浮体の安定
相対静止の問題
浮体の安定・不安定を計算できる
10週 完全流体の流れ 連続方程式
ベルヌーイの定理
連続体を理解し、質量保存則を適用し完全流体に対する連続式とベルヌーイの式を理解できる
11週 ベルヌーイの定理の適用例
演習問題
ベルヌーイの定理を適用して各種公式を誘導できる。
12週 オイラーの運動方程式の誘導 運動方程式を理解できる
13週 オイラーの連続の方程式の誘導
水平2次元流の例
連続方程式を理解し、水平2次元流の問題を解くことができる
14週 運動量方程式の誘導
運動量方程式の例題・演習
運動量方程式を理解し管路に及ぼす力を計算できる
15週 オリフィス・せき・ゲート
オリフィス・せき・ゲートを通過する流速・流量を計算できる
16週 到達度試験
後期
3rdQ
1週 水理学の役割,単位と次元、水の密度・単位重量・圧縮性・表面張力 水理学の必要性を説明でき、単位、次元、水の基本的な性質について理解できる
2週 粘性・流体の分類・エネルギの伝達 粘性、流体の分類・エネルギの伝達について理解し、説明できる
3週 静水圧、圧力の伝達
水圧の測定
静水圧をマノメータ等を用いて測定できることを理解し計算できる。
4週 重心,図心,断面2次モーメント 図形、物体の図心、重心、断面2次モーメントを計算できる
5週 水面に平行・垂直な面に作用する静水圧
平面に作用する静水圧の強さや方向を理解し計算できる
6週 傾いた平面に作用する静水圧
曲面に作用する静水圧
傾いた平面や曲面に作用する静水圧の強さや方向を理解し計算できる
7週 浮力、浮心、喫水 アルキメデスの原理を理解し、浮力、浮心、喫水を計算できる
8週 到達度試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3
運動方程式を用いた計算ができる。3
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。2
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力のモーメントを求めることができる。3
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3
重心に関する計算ができる。3
専門的能力分野別の専門工学建設系分野水理水理学で用いる単位系を説明できる。3
静水圧の表現、強さ、作用する方向について、説明できる。3
平面と曲面に作用する全水圧の大きさと作用点を計算できる。3
浮力と浮体の安定を計算できる。3
完全流体の運動方程式(Eulerの運動方程式)を説明できる。3
連続の式を説明できる。3
ベルヌーイの定理を説明でき、これを応用(ベンチュリーメータなど)した 計算ができる。3
運動量保存則を説明でき、これを応用した計算ができる。3
層流と乱流について、説明できる。3
流体摩擦(レイノルズ応力、混合距離)を説明できる。3

評価割合

到達度試験小テスト・課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100