概要:
建築学では近年、環境問題、省エネ・節電への関心の高まりから、建築内部の居住環境を快適に制御するための領域である建築環境工学分野の動向が注目されている。本科目では、熱・空気・光・音・色など室内環境を快適に維持する為必要となる技術について学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業では熱、空気、光、音、色に関する授業を行ったうえで、演習問題を通じ理解を深めていく。内容に応じ、具体的実例の紹介したり、身近な居住空間における体験をもとに内容の理解を深めていく。
※補充試験を実施することとなった場合は、試験の点数のみで合格となる。ただし,未提出課題がある場合には補充試験は実施しない。
注意点:
・授業時は教科書を必ず準備し、ノートをとること
・教科書の図表と記述の内容を関連付けて学修すること
・試験は教科書の内容に加え、授業にて解説した内容が含まれるので授業をしっかり聴講すること
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
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2週 |
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3週 |
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4週 |
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5週 |
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6週 |
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7週 |
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8週 |
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2ndQ |
9週 |
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10週 |
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11週 |
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12週 |
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13週 |
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14週 |
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15週 |
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
概論 建築環境工学と都市環境 |
風土と建築について説明できる。
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2週 |
快適環境 |
快適環境とその条件について説明できる。
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3週 |
日照・日射環境1 |
建設地と太陽位置、日照と日射について説明できる。
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4週 |
日照・日射環境2 |
日影について説明することができ,日影曲線を用いた計算ができる。
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5週 |
光環境 |
視覚と光の関係、明視、グレアの現象、採光および採光計画について説明できる。
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6週 |
色彩環境 |
表色系、色彩計画の概念について説明できる。
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7週 |
音環境 |
音の単位、聴覚の仕組みについて説明できる。 吸音と遮音、残響、遮音材料の仕組み、音響計画について説明できる。
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8週 |
到達テスト |
9~15週の内容の到達度の確認
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4thQ |
9週 |
熱環境 |
・伝熱の基礎、熱貫流、室温の形成について説明できる。 ・温熱環境要素、温熱環境指標について説明できる。
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10週 |
湿度 |
・湿り空気、空気線図について説明できる。 ・結露現象について説明できる。
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11週 |
空気環境1 |
空気汚染の種類と室内空気環境基準について説明できる。
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12週 |
空気環境2 |
必要換気量の計算、自然換気と機械換気について説明ができる。
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13週 |
エネルギー1 |
自然再生可能エネルギー(例えば、風力発電、太陽光発電、太陽熱温水器など)の特徴について説明できる。
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14週 |
エネルギー2 |
エネルギー削減に関して建築的手法(建築物の外皮(断熱、窓など))を適用することができる。
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15週 |
設備計画 |
省エネルギー(コジェネレーション等を含む)について説明できる。
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16週 |
到達テスト |
9~15週の内容の到達度の確認
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 力学 | 仕事と仕事率に関する計算ができる。 | 3 | |
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 3 | |
熱 | 原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。 | 3 | |
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。 | 3 | |
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。 | 3 | |
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。 | 3 | |
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。 | 3 | |
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。 | 3 | |
気体の内部エネルギーについて説明できる。 | 3 | |
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。 | 3 | |
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。 | 3 | |
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。 | 3 | |
熱機関の熱効率に関する計算ができる。 | 3 | |
波動 | 波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。 | 3 | |
横波と縦波の違いについて説明できる。 | 3 | |
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。 | 3 | |
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。 | 3 | |
自然光と偏光の違いについて説明できる。 | 3 | |
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。 | 3 | |
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。 | 3 | |
物理実験 | 物理実験 | 熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建築系分野 | 環境・設備 | 風土と建築について説明できる。 | 3 | 後1 |
気候、気象について説明できる。 | 3 | 後2 |
気温、温度、湿度および気温と湿度の形成について説明できる。 | 3 | 後2 |
雨、雪による温度、湿度の関係について説明できる。 | 3 | |
ヒートアイランドの現象について説明できる。 | 3 | 後2 |
大気汚染の歴史と現象について説明できる。 | 3 | |
都市環境における緑の役割について説明できる。 | 3 | |
建設地と太陽位置について説明できる。 | 3 | 後3 |
日照および日射の調節方法について説明できる。 | 3 | |
日照時間および日照時間図について説明できる。 | 3 | |
日照と日射の使い分けについて説明できる。 | 3 | 後3 |
紫外線、赤外線、可視光線の効果の違いを説明できる。 | 3 | |
視覚と光の関係について説明できる。 | 3 | 後4 |
明視、グレアの現象について説明できる。 | 3 | 後3,後4 |
採光および採光計画について説明できる。 | 3 | 後4 |
人工照明について説明できる。 | 3 | |
照明計画および照度の計算ができる。 | 3 | |
表色系について説明できる。 | 3 | 後5 |
色彩計画の概念を知っている。 | 3 | 後5 |
伝熱の基礎について説明できる。 | 3 | 後9,後16 |
熱貫流について説明できる。 | 3 | 後7 |
室温の形成について理解している。 | 3 | 後8 |
温熱環境要素について説明できる。 | 3 | 後7 |
温熱環境指標について説明できる。 | 3 | 後7 |
湿り空気、空気線図について説明できる。 | 3 | 後9 |
結露現象について説明できる。 | 3 | 後9 |
空気汚染の種類と室内空気環境基準について説明できる。 | 3 | 後6,後12 |
必要換気量について計算できる。 | 3 | 後12 |
自然換気と機械換気について説明ができる。 | 3 | 後12 |
音の単位について説明できる。 | 3 | 後6 |
聴覚の仕組みについて説明できる。 | 3 | 後6 |
音心理の三大特性、大きさとうるささ、音の伝搬、減衰、回折について説明できる。 | 3 | |
吸音と遮音、残響について説明できる。 | 3 | 後6 |
遮音材料の仕組み、音響計画について説明できる。 | 3 | 後6 |
自然再生可能エネルギー(例えば、風力発電、太陽光発電、太陽熱温水器など)の特徴について説明できる。 | 3 | 後13 |
エネルギー削減に関して建築的手法(建築物の外皮(断熱、窓など))を適用することができる。 | 3 | 後14 |
省エネルギー(コジェネレーション等を含む)について説明できる。 | 3 | 後14 |
分野別の工学実験・実習能力 | 建築系分野【実験・実習能力】 | 建築系【実験実習】 | 実験の目的と方法を説明できる。 | 3 | |
建築を取巻く環境(例えば音、光、温度、湿度、振動など)を実験により把握できる。 | 3 | |
実験結果を整理し、考察できる。 | 3 | |