地盤工学Ⅱ(4111)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 地盤工学Ⅱ(4111)
科目番号 4Z35 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 産業システム工学科環境都市・建築デザインコース 対象学年 4
開設期 夏学期(2nd-Q),秋学期(3rd-Q) 週時間数 2nd-Q:4 3rd-Q:4
教科書/教材 三田地利之:土質力学入門,森北出版.
担当教員 清原 雄康

到達目標

土中の応力状態,モールの応力円によるせん断応力,主応力の算出,せん断破壊に関する知識,飽和土の各種排水・非排水条件下でのせん断試験によるせん断定数の算出が出来ること.それを基に,実践的な土構造物の設計の考え方を習得し,時代の変化に適応できる工学的素養を身につける.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1土のせん断について地下水位の存在など地盤条件に応じた安定計算が出来る.モールの円を理解している.せん断応力を求めるためのモールの円による解を理解していない.
評価項目2斜面安定,土圧について水位を含む基礎地盤条件に応じた安定計算が出来る.せん断すべりを基にした,浅い基礎計算方法を理解している.深い基礎の計算方法を理解している.
評価項目3水も含んだ基礎地盤条件に応じた安定計算が出来る.せん断すべりを基にした,斜面安定,浅い基礎計算方法を理解している.浅い基礎計算方法を理解している.

学科の到達目標項目との関係

ディプロマポリシー DP3 ◎ 説明 閉じる
地域志向 〇 説明 閉じる

教育方法等

概要:
土中の応力状態,せん断破壊に関する知識をふまえ,実践的な土構造物の設計の考え方を習得し,時代の変化に適応できる工学的素養を身につける.この科目はトンネルの情報化施工を経験した教員が,土のせん断強さ,擁壁,斜面の範囲(3週~11週)で,その実務経験を活かした授業が行われる。
授業の進め方・方法:
地盤工学Ⅰの続きであり,地盤の代表的な破壊形態であるせん断破壊をもとに,斜面の安定問題,基礎の支持力の考え方を修得する.また浅い基礎(フーチング,ベタ基礎など)については,道路橋示方書と建築基礎構造設計指針,深い基礎(杭基礎)については,道路橋示方書,建築基礎構造設計指針に則して説明をする.建設発生土の処理についての講義も行う.スマートフォンなどの端末を用いた小テストを実施するので、指示があった日には用意しておくこと。
注意点:
教科書を中心に演習書等を使用し授業を進める.授業の区切りごとに宿題を課して自宅学習をしてもらう.
三角関数,力の成分分解の知識を多用するので復習しておくこと。評価について本試験のみの成績とレポート考慮の成績を比較して,高い方を評価点とする。補充試験は実施しない。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
2ndQ
9週 モール円での応力表示,極. モール円による主応力の計算ができる。
10週 一面せん断試験,圧密排水三軸試験による土質定数c,φの決定,ダイレイタンシー.
土のせん断試験を説明できる。土のせん断特性を説明できる。
11週 圧密非排水試験・非圧密非排水試験のモールの円と土質定数.過剰水圧の発生.排水条件とせん断挙動まとめ,短期,長期問題. 土のせん断試験を説明できる。土のせん断特性を説明できる。飽和砂の液状化、液状化に影響する要因を理解している。液状化対策工についての理解している。
12週 擁壁に作用する土圧とその種類,モールの応力円から求まるランキンの土圧公式.
ランキン土圧やクーロン土圧を説明でき、土圧算定に適用できる。
13週 土圧合力,クーロンの土圧論.
地下水がある時の土圧,地震時土圧.
ランキン土圧やクーロン土圧を説明でき、土圧算定に適用できる。
14週 地下水位,上載荷重,粘着力がある時,土質が変化する時の土圧,演習. ランキン土圧やクーロン土圧を説明でき、土圧算定に適用できる。
15週 斜面の安定,安定係数,深度係数. 斜面の安定計算手法を説明でき、安全率等の算定に適用できる。
16週 半無限斜面の安定,地下水有り無し 斜面の安定計算手法を説明でき、安全率等の算定に適用できる。
後期
3rdQ
1週 円弧すべり計算 修正フェレニウス法,フェレニウス法 斜面の安定計算手法を説明でき、安全率等の算定に適用できる。
2週 地震時斜面安定,アンカーによる補強効果 斜面の安定計算手法を説明でき、安全率等の算定に適用できる。
3週 基礎形式の分類,地盤の破壊のタイプ,極限支持力,許容支持力,N値,浅い基礎地盤の支持力モデル(テルツァーギの支持力理論 基礎の種類とそれらの支持力公式を説明でき、土の構造物の支持力算定に適用できる。地盤調査の分類と内容について、説明できる。
4週 偏心荷重,道路橋示方書,建築基礎構造設計指針の説明 基礎の種類とそれらの支持力公式を説明でき、土の構造物の支持力算定に適用できる。
5週 深い基礎,N値による評価.杭の極限支持力. 基礎の種類とそれらの支持力公式を説明でき、土の構造物の支持力算定に適用できる。
6週 到達度試験
7週 答案返却とまとめ
8週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学物体に作用する力を図示することができる。3
力の合成と分解をすることができる。3
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3
最大摩擦力に関する計算ができる。3
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3
重心に関する計算ができる。3
専門的能力分野別の専門工学建設系分野地盤ダルシーの法則を説明できる。4
透水係数と透水試験について、説明できる。4
透水力による浸透破壊現象を説明できる。4
土のせん断試験を説明できる。4前8,前9,前10
土のせん断特性を説明できる。4前12,前14
土の破壊規準を説明できる。4前11,前12,前14
地盤内応力を説明できる。4
土の圧密現象及び一次元圧密理論について、説明できる。1前11
圧密沈下の計算を説明できる。1
有効応力の原理を説明できる。4前13
ランキン土圧やクーロン土圧を説明でき、土圧算定に適用できる。4前13,前14
基礎の種類とそれらの支持力公式を説明でき、土の構造物の支持力算定に適用できる。4後4,後5
斜面の安定計算手法を説明でき、安全率等の算定に適用できる。4前15,前16,後1
飽和砂の液状化メカニズムを説明できる。4前10,前13
地盤改良工法や液状化対策工法について、説明できる。4前10,前13
地盤調査の分類と内容について、説明できる。3前14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90000100100
基礎的能力0000000
専門的能力90000100100
分野横断的能力0000000