概要:
人間の生活や活動を支えるために建築物は作用する荷重・外力に対して安全性を持つ必要がある。本授業は、代表的な構法である鋼構造(鉄骨構造)、鉄筋コンクリート(RC)構造を中心に、それらの基本的な概念と構造設計及び構造計算法について学ぶ。また、建築構造物を支える地盤の基礎知識や基礎構造にくわえ、免振・制振構造や耐震診断・耐震補強そして空間構造(大スパン構造)といった最新技術について理解を深めることを目的とする。
授業の進め方・方法:
授業は最初に建築構造設計の考え方や計算法について解説した後、前半は鋼構造、後半は鉄筋コンクリート構造について取り上げる。終盤では建築基礎の基本構造や最新の構造技術についても触れる。
注意点:
専門・実務性の高い授業であることから、授業における教員の説明や指示をよく聞くよう心がけてほしい。またあらかじめテキストを熟読し受講することがのぞましい。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス |
後期授業の目的や進め方を理解する。
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2週 |
建築構造設計の考え方と構造種別 |
建築構造の成り立ちを説明できる。 建築構造(W造、RC造、S造、SRC造など)の分類ができる。
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3週 |
建築構造設計の計算法 |
建築構造設計の計算法を説明できる。
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4週 |
構造材料 |
建築構造(W造、RC造、S造、SRC造など)に用いられる材料の特徴を説明できる。
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5週 |
鋼構造1 |
鋼構造の特徴・構造形式について説明できる。
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6週 |
鋼構造2 |
鋼材・溶接の許容応力度について説明できる。
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7週 |
鋼構造3 |
高力ボルト摩擦接合の機構について説明できる。 溶接接合の種類と設計法について説明できる。
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8週 |
鋼構造4 |
軸力のみを受ける部材の設計の計算ができる。
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2ndQ |
9週 |
鋼構造5 |
軸力、曲げを受ける部材の設計の計算ができる。 曲げ材の設計の計算ができる。
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10週 |
鋼構造6 |
仕口の設計方法について説明ができる。 継手の設計・計算ができる。
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11週 |
鋼構造7 |
柱脚の種類と設計方法について説明ができる。
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12週 |
免振・制振構造 |
免振・制振構造について説明できる。
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13週 |
空間構造(大スパン構造) |
大スパンを可能とする空間構造について説明できる。
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14週 |
建築構造の新技術 |
建築構造の新しい技術について説明できる。
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15週 |
到達テスト |
1~14週のテスト
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16週 |
答案返却とまとめ |
1~14週のまとめ
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後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス |
後期授業の目的や進め方を理解する。
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2週 |
鉄筋コンクリート構造1 |
鉄筋コンクリート造(ラーメン構造、壁式構造、プレストレストコンクリート構造など)の特徴・構造形式について説明できる。
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3週 |
鉄筋コンクリート構造2 |
建物の外力と変形能力に基づく構造設計法について説明できる。
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4週 |
鉄筋コンクリート構造3 |
鉄筋コンクリート造の梁の構造設計法について説明できる。
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5週 |
鉄筋コンクリート構造4 |
鉄筋コンクリート造の柱の構造設計法について説明できる。
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6週 |
鉄筋コンクリート構造5 |
鉄筋コンクリート造のせん断補強について説明できる。
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7週 |
鉄筋コンクリート構造6 |
鉄筋コンクリート造の付着,定着,継手について説明できる。
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8週 |
鉄筋コンクリート構造7 |
鉄筋コンクリート造の床スラブの構造設計法について説明できる。
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4thQ |
9週 |
鉄筋コンクリート構造8 |
鉄筋コンクリート造の壁部材の構造設計法について説明できる。
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10週 |
SRCとCFT(合成構造) |
合成構造の設計手法や歴史について説明できる。
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11週 |
土と地盤の基礎知識 |
基礎形式や基礎形式別の支持力算定について説明できる。
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12週 |
各部構造 |
建物を構成する各部の構造について説明できる。
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13週 |
耐震診断と耐震補強 |
耐震診断と耐震補強の手法について説明できる。
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14週 |
地震災害と建物被害 |
地震被害を受けた建物の破壊等の特徴について説明できる。
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15週 |
到達テスト |
1~14週のテスト
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16週 |
答案返却とまとめ |
1~14週のまとめ
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建築系分野 | 材料 | 建築材料の変遷や発展について説明できる。 | 3 | |
建築材料の規格・要求性能について説明することができる。 | 3 | |
建築用構造用鋼材の種類(SS、SM、SNなど)・性質について説明できる。 | 3 | |
建築用鋼製品(丸鋼・形鋼・板など)の特徴・性質について説明できる。 | 3 | |
非鉄金属(アルミ、銅、ステンレスなど)の分類、特徴をあげることができる。 | 3 | |
鋼材の耐久性(腐食、電食、耐火など)の現象と概要について説明できる。 | 3 | |
鋼材の応力~ひずみ関係について説明でき、その特異点(比例限界、弾性限界、上降伏点、下降伏点、最大荷重、破断点など)の特定と性質について説明できる。 | 3 | |
構造 | 建築構造の成り立ちを説明できる。 | 3 | 前1,前2,前13,前14 |
建築構造(W造、RC造、S造、SRC造など)の分類ができる。 | 3 | 前2,前4,前13,前14,後10 |
骨組構造物に作用する荷重の種類について説明できる。 | 3 | 前3,後12 |
各種構造の設計荷重・外力を計算できる。 | 3 | 前3,後12 |
ラーメンやその種類について説明できる。 | 3 | 前3,前8,前9 |
ラーメンの支点反力、応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)をかくことができる。 | 3 | 前3,前8,前9 |
構造力学における仕事やひずみエネルギーの概念について説明できる。 | 3 | 前3,前8,前9 |
仕事やエネルギーの概念を用いて、構造物(例えば梁、ラーメン、トラスなど)の支点反力、応力(図)、変形(たわみ、たわみ角)を計算できる。 | 3 | 前3,前8,前9 |
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。 | 3 | 前3,前8,前9 |
静定基本系(例えば、仮想仕事法など)を用い、不静定構造物の応力と、支点反力を求めることができる。 | 3 | 前3,前8,前9 |
いずれかの方法(変位法(たわみ角法)、固定モーメント法など)により、不静定構造物の支点反力、応力(図)を計算できる。 | 3 | 前3,前8,前9 |
鋼構造物の復元力特性と設計法の関係について説明できる。 | 3 | 前3,前4,前5,後12 |
S造の特徴・構造形式について説明できる。 | 3 | 前3,前4,前5,後12 |
鋼材・溶接の許容応力度について説明できる。 | 3 | 前6 |
軸力のみを受ける部材の設計の計算ができる。 | 3 | 前8 |
軸力、曲げを受ける部材の設計の計算ができる。 | 3 | 前9 |
曲げ材の設計の計算ができる。 | 3 | 前9 |
継手の設計・計算ができる。 | 3 | 前10 |
高力ボルト摩擦接合の機構について説明できる。 | 3 | 前7 |
溶接接合の種類と設計法について説明できる。 | 3 | 前7 |
仕口の設計方法について説明ができる。 | 3 | 前10 |
柱脚の種類と設計方法について説明ができる。 | 3 | 前11 |
鉄筋コンクリート造(ラーメン構造、壁式構造、プレストレストコンクリート構造など)の特徴・構造形式について説明できる。 | 3 | 前4,前6,後2,後7,後8,後9,後14 |
構造計算の設計ルートについて説明できる。 | 3 | 前8,後2,後3,後7,後8,後9,後12 |
建物の外力と変形能力に基づく構造設計法について説明できる。 | 3 | 前8,後2,後3,後7,後8,後9,後12 |
断面内の応力の分布について説明できる。 | 3 | 後4 |
許容曲げモーメントを計算できる。 | 3 | 後4 |
主筋の算定ができる。 | 3 | 後4 |
釣合い鉄筋比について説明ができる。 | 3 | 後4 |
中立軸の算定ができる。 | 3 | 後4 |
許容せん断力を計算できる。 | 3 | 後6 |
せん断補強筋の算定ができる。 | 3 | 後6 |
終局曲げモーメントについて説明できる。 | 3 | 後4 |
終局剪断力について説明できる。 | 3 | 前8,後6 |
断面内の応力の分布について説明できる。 | 3 | 前10,後5 |
許容曲げモーメントを計算できる。 | 3 | 前10,後5 |
MNインターラクションカーブについて説明できる。 | 3 | 前10,後5 |
主筋の算定ができる。 | 3 | 前10,後5 |
釣合い鉄筋比について説明ができる。 | 3 | 前10,後5 |
中立軸の算定ができる。 | 3 | 前10,後5 |
許容せん断力を計算できる。 | 3 | 前10,後6 |
せん断補強筋の算定ができる。 | 3 | 前10,後6 |
終局曲げモーメントについて説明できる。 | 3 | 前10,後5 |
終局剪断力について説明できる。 | 3 | 前10,後6 |
基礎形式(直接、杭)の分類ができる。 | 3 | 前11,後11 |
基礎形式別の支持力算定方を説明できる。 | 3 | 前11,後11 |
マグニチュードの概念と震度階について説明できる。 | 3 | 前12,後13,後14 |
地震被害を受けた建物の破壊等の特徴について説明できる。 | 3 | 前12,後13,後14 |