建築構造(4408)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 建築構造(4408)
科目番号 4Z39 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 産業システム工学科環境都市・建築デザインコース 対象学年 4
開設期 夏学期(2nd-Q),秋学期(3rd-Q) 週時間数 2nd-Q:4 3rd-Q:4
教科書/教材 「わかる建築学5 建築構法」学芸出版社,「構造用教材」日本建築学会
担当教員 今野 大輔

到達目標

本科目の履修を通じて以下の目標に到達することが重要である。
1.建築構造の成り立ちを説明でき、建築構造(RC造、S造、SRC造など)の特性が理解できている。
2.骨組構造物に作用する荷重の種類について説明でき、各種構造の設計荷重・外力を計算方法を理解している。
3.構造計算の設計ルートについて理解し説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1建築構造の成り立ちを説明でき、建築構造(W造、RC造、S造、SRC造など)の特性が良く理解できている。建築構造の成り立ちを説明でき、建築構造(W造、RC造、S造、SRC造など)の特性が良く理解できている。建築構造の成り立ちを説明できなく、建築構造(W造、RC造、S造、SRC造など)の特性が理解できない。
評価項目2骨組構造物に作用する荷重の種類について説明でき、各種構造の設計荷重・外力を計算方法を良く理解している。骨組構造物に作用する荷重の種類について説明でき、各種構造の設計荷重・外力を計算方法を理解している。骨組構造物に作用する荷重の種類について説明できなく、各種構造の設計荷重・外力を計算方法を理解していない。
評価項目3構造計算の設計ルートについて良く理解し説明できる。構造計算の設計ルートについて理解し説明できる。構造計算の設計ルートについて良く理解も説明もできない。

学科の到達目標項目との関係

ディプロマポリシー DP3 ◎ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
人間の生活や活動を支えるために建築物は作用する荷重・外力に対して安全性を持つ必要がある。本授業は、代表的な構法である鋼構造(鉄骨構造)、鉄筋コンクリート(RC)構造を中心に、それらの基本的な概念と構造設計及び構造計算法について学ぶ。また、建築構造物を支える地盤の基礎知識や基礎構造にくわえ、免振・制振構造や耐震診断・耐震補強そして空間構造(大スパン構造)といった最新技術について理解を深めることを目的とする。
授業の進め方・方法:
授業は最初に建築構造設計の考え方や計算法について解説した後、前半は鋼構造、後半は鉄筋コンクリート構造について取り上げる。終盤では建築基礎の基本構造や最新の構造技術についても触れる。
注意点:
専門・実務性の高い授業であることから、授業における教員の説明や指示をよく聞くよう心がけてほしい。またあらかじめテキストを熟読し受講することがのぞましい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
2ndQ
9週 ①ガイダンス
②建築構造設計の考え方と構造種別
後期授業の目的や進め方を理解する。
建築構造の成り立ちを説明できる。
建築構造(W造、RC造、S造、SRC造など)の分類ができる。
10週 ③建築構造設計の計算法
④構造材料
建築構造設計の計算法を説明できる。
建築構造(W造、RC造、S造、SRC造など)に用いられる材料の特徴を説明できる。
11週 ⑤鋼構造1
⑥鋼構造2
鋼構造の特徴・構造形式について説明できる。
鋼材・溶接の許容応力度について説明できる。
12週 ⑦鋼構造3
⑧鋼構造4
高力ボルト摩擦接合の機構について説明できる。
溶接接合の種類と設計法について説明できる。
軸力のみを受ける部材の設計の計算ができる。
13週 ⑨鋼構造5
⑩鋼構造6
軸力、曲げを受ける部材の設計の計算ができる。
曲げ材の設計の計算ができる。
仕口の設計方法について説明ができる。
継手の設計・計算ができる。
14週 ⑪鋼構造7
⑫免振・制振構造
柱脚の種類と設計方法について説明ができる。
免振・制振構造について説明できる。
15週 ⑬空間構造(大スパン構造)
⑭建築構造の新技術
大スパンを可能とする空間構造について説明できる。
建築構造の新しい技術について説明できる。
16週 ⑮到達テスト(答案返却まとめ) 1~14回のテスト
後期
3rdQ
1週 ①ガイダンス
②鉄筋コンクリート構造1
後期授業の目的や進め方を理解する。
鉄筋コンクリート造(ラーメン構造、壁式構造、プレストレストコンクリート構造など)の特徴・構造形式について説明できる。
2週 ③鉄筋コンクリート構造2
④鉄筋コンクリート構造3
建物の外力と変形能力に基づく構造設計法について説明できる。
鉄筋コンクリート造の梁の構造設計法について説明できる。
3週 ⑤鉄筋コンクリート構造4
⑥鉄筋コンクリート構造5
鉄筋コンクリート造の柱の構造設計法について説明できる。
鉄筋コンクリート造のせん断補強について説明できる。
4週 ⑦鉄筋コンクリート構造6
⑧鉄筋コンクリート構造7
鉄筋コンクリート造の付着,定着,継手について説明できる。
鉄筋コンクリート造の床スラブの構造設計法について説明できる。
5週 ⑨鉄筋コンクリート構造8
⑩SRCとCFT(合成構造)
鉄筋コンクリート造の壁部材の構造設計法について説明できる。
合成構造の設計手法や歴史について説明できる。
6週 ⑪土と地盤の基礎知識
⑫各部構造
基礎形式や基礎形式別の支持力算定について説明できる。
建物を構成する各部の構造について説明できる。
7週 ⑬耐震診断と耐震補強
⑭地震災害と建物被害
耐震診断と耐震補強の手法について説明できる。地震被害を受けた建物の破壊等の特徴について説明できる。
8週 ⑮到達テスト(答案返却まとめ) 1~14週のテスト

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野材料建築材料の変遷や発展について説明できる。3
建築材料の規格・要求性能について説明することができる。3
建築用構造用鋼材の種類(SS、SM、SNなど)・性質について説明できる。3
建築用鋼製品(丸鋼・形鋼・板など)の特徴・性質について説明できる。3
非鉄金属(アルミ、銅、ステンレスなど)の分類、特徴をあげることができる。3
鋼材の耐久性(腐食、電食、耐火など)の現象と概要について説明できる。3
鋼材の応力~ひずみ関係について説明でき、その特異点(比例限界、弾性限界、上降伏点、下降伏点、最大荷重、破断点など)の特定と性質について説明できる。3
構造建築構造の成り立ちを説明できる。3前9,前15
建築構造(W造、RC造、S造、SRC造など)の分類ができる。3前9,前10,前15,後5
骨組構造物に作用する荷重の種類について説明できる。3前10,後6
各種構造の設計荷重・外力を計算できる。3前10,後6
ラーメンやその種類について説明できる。3前10,前12,前13
ラーメンの支点反力、応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)をかくことができる。3前10,前12,前13
構造力学における仕事やひずみエネルギーの概念について説明できる。3前10,前12,前13
仕事やエネルギーの概念を用いて、構造物(例えば梁、ラーメン、トラスなど)の支点反力、応力(図)、変形(たわみ、たわみ角)を計算できる。3前10,前12,前13
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。3前10,前12,前13
静定基本系(例えば、仮想仕事法など)を用い、不静定構造物の応力と、支点反力を求めることができる。3前10,前12,前13
いずれかの方法(変位法(たわみ角法)、固定モーメント法など)により、不静定構造物の支点反力、応力(図)を計算できる。3前10,前12,前13
鋼構造物の復元力特性と設計法の関係について説明できる。3前10,前11,後6
S造の特徴・構造形式について説明できる。3前10,前11,後6
鋼材・溶接の許容応力度について説明できる。3前11
軸力のみを受ける部材の設計の計算ができる。3前12
軸力、曲げを受ける部材の設計の計算ができる。3前13
曲げ材の設計の計算ができる。3前13
継手の設計・計算ができる。3前13
高力ボルト摩擦接合の機構について説明できる。3前12
溶接接合の種類と設計法について説明できる。3前12
仕口の設計方法について説明ができる。3前13
柱脚の種類と設計方法について説明ができる。3前14
鉄筋コンクリート造(ラーメン構造、壁式構造、プレストレストコンクリート構造など)の特徴・構造形式について説明できる。3前10,前11,後1,後4,後5,後7
構造計算の設計ルートについて説明できる。3前12,後1,後2,後4,後5,後6
建物の外力と変形能力に基づく構造設計法について説明できる。3前12,後1,後2,後4,後5,後6
断面内の応力の分布について説明できる。3後2
許容曲げモーメントを計算できる。3後2
主筋の算定ができる。3後2
釣合い鉄筋比について説明ができる。3後2
中立軸の算定ができる。3後2
許容せん断力を計算できる。3後3
せん断補強筋の算定ができる。3後3
終局曲げモーメントについて説明できる。3後2
終局剪断力について説明できる。3前12,後3
断面内の応力の分布について説明できる。3前13,後3
許容曲げモーメントを計算できる。3前13,後3
MNインターラクションカーブについて説明できる。3前13,後3
主筋の算定ができる。3前13,後3
釣合い鉄筋比について説明ができる。3前13,後3
中立軸の算定ができる。3前13,後3
許容せん断力を計算できる。3前13,後3
せん断補強筋の算定ができる。3前13,後3
終局曲げモーメントについて説明できる。3前13,後3
終局剪断力について説明できる。3前13,後3
基礎形式(直接、杭)の分類ができる。3前14,後6
基礎形式別の支持力算定方を説明できる。3前14,後6
マグニチュードの概念と震度階について説明できる。3前14,後7
地震被害を受けた建物の破壊等の特徴について説明できる。3前14,後7

評価割合

試験発表相互評価態度レポートその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力2000010030
専門的能力6000010070
分野横断的能力0000000