耐震工学(4507)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 耐震工学(4507)
科目番号 5Z26 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 産業システム工学科環境都市・建築デザインコース 対象学年 5
開設期 4th-Q 週時間数 2
教科書/教材 平井一男,水田洋司:耐震工学入門-第3版-,森北出版
担当教員 清原 雄康,風間 基樹

到達目標

日本は地震国であり、地震防災に関連した技術を習得することは重要である。近年における、構造物の地震被害の経験から、耐震工学の内容は、その都度改善されてきた。 この授業では、各種構造物の耐震解析を行う上で基本となる地震及び地震動の知識を学ぶとともに、入力地震動に対する構造物や地盤応答の考え方、さらに各種構造物の耐震設計法、液状化現象などの地震地盤災害について理解を深める。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1振動方程式を構造モデルに応用できること。運動方程式から,振動方程式を組み立て,解を求められること。振動方程式の意味を理解できること。振動方程式の理解が不十分。
評価項目2実構造物を想定して,簡単な耐震設計計算ができる。耐震設計の基本的考え方が理解できる。耐震設計の基本的考え方が理解できていない。
評価項目3波動方程式と関連付けて,地震波伝播のメカニズムを説明出来る。地震波の伝播特性について理解出来る。地震波の性質が理解出来ていない。

学科の到達目標項目との関係

ディプロマポリシー DP3 ◎ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
日本は地震国であり、地震防災に関連した技術を習得することは重要である。近年における、構造物の地震被害の経験から、耐震工学の内容は、その都度改善されてきた。 この授業では、各種構造物の耐震解析を行う上で基本となる地震及び地震動の知識を学ぶとともに、入力地震動に対する構造物や地盤応答の考え方、さらに各種構造物の耐震設計法、液状化現象などの地震地盤災害について理解を深める。
※実務との関係
この科目は,地盤振動や液状化について講義形式で授業を行うものである。全8週のうち第1週から第3週は,企業等で港湾構造物の液状化対策などを担当していた者が担当する。
授業の進め方・方法:
常勤教員による講義、演習と非常勤教員による集中講義からなる。1回90分の授業あたり,3時間程度の自学自習課題を課す。
秋・冬学期にかけて開講予定.
注意点:
定数係数2階の線形微分方程式の解法を復習しておくこと。第1回~第3回については,非常勤講師による集中講義形式で実施する。
評価について本試験のみの成績とレポート考慮の成績を比較して,高い方を評価点とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
4thQ
9週 ・地殻変動,地震発生のメカニズム,断層,地震の種類,震源域,震度,マグニチュード,地震災害の事例 仕事と仕事率に関する計算ができる。波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。
横波と縦波の違いについて説明できる。
10週 ・地震波の伝播,波動方程式の導出,地盤の固有周期,大規模地震の観測体制
・土の動的性質と挙動
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。運動の法則について説明できる。運動方程式を用いた計算ができる。
11週 ・液状化現象のメカニズム,液状化の判定と対策工 液状化現象のメカニズム,液状化の判定と対策工について説明できる。
12週 ・モデル化,振動の定義,ニュートンの第2法則,1自由度系自由振動における運動方程式
・1自由度系の減衰振動
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。慣性の法則について説明できる。簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。
13週 ・1自由度系の定常振動,共振,外力による応答 単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。
14週 ・変位(地震)による強制振動,
・インパルス応答による不規則波の扱い
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。
15週 ・耐震設計の基本方針,震度法に基づく耐震設計
・応答変位法,応答スペクトル法
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。
16週 到達度試験
(答案返却とまとめ)

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3
物体に作用する力を図示することができる。3
力の合成と分解をすることができる。3
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。3
慣性の法則について説明できる。3
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3
運動方程式を用いた計算ができる。3
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3
運動の法則について説明できる。3
動摩擦力に関する計算ができる。3
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。3
横波と縦波の違いについて説明できる。3
波の重ね合わせの原理について説明できる。3
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。3
専門的能力分野別の専門工学建設系分野構造応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係を理解し、弾性係数、ポアソン比やフックの法則などの概要について説明でき、それらを計算できる。3後9,後10
はりのたわみの微分方程式に関して、その幾何学的境界条件と力学的境界条件を理解し、微分方程式を解いて、たわみやたわみ角を計算できる。3後12
地盤有効応力の原理を説明できる。3後11
建築系分野構造マグニチュードの概念と震度階について説明できる。3後9
地震被害を受けた建物の破壊等の特徴について説明できる。3後9

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90000100100
基礎的能力0000000
専門的能力8500010095
分野横断的能力5000005