鋼構造設計製図(4303)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 鋼構造設計製図(4303)
科目番号 5Z31 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 産業システム工学科環境都市・建築デザインコース 対象学年 5
開設期 秋学期(3rd-Q) 週時間数 3rd-Q:4
教科書/教材 橋梁工学 宮本裕,杉田尚男他 ISBN:978-4-7655-1842-0 技報堂出版 他自作教材
担当教員 杉田 尚男

到達目標

合成桁の考え方が理解できること、設計に使用する道路橋示方書の条項を理解し実際に設計計算ができるようになること、設計計算の結果に基づいてCADによる図面がつくれること。途中で提出された計算書や図面にコメントや指示を与えるので、修正する作業を通じて目標に到達して欲しい。設計計算書については15回の提出をすること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1桁に作用する荷重強度の算出、影響線を用いた断面力の算定、応力照査、安全照査ができる。桁に作用する荷重強度の算出、影響線を用いた断面力の算定ができる。桁に作用する荷重強度の算出、影響線を用いた断面力の算定、応力照査ができない。
評価項目2各種構造用鋼材の力学的特性、およびこれらに対する許容応力や安全率の評価方法が理解できる。各種構造用鋼材の力学的特性、およびこれらに対する許容応力を理解できる。各種構造用鋼材の力学的特性、およびこれらに対する許容応力を理解できていない。
評価項目3鋼板の接合の種類、寸法の決め方、応力照査方法が理解できる。摩擦接合型高力ボルト本数の決め方、耐力照査方法が理解できている。摩擦接合型高力ボルトのメカニズムが理解できていない。
評価項目4荷重強度の算出、影響線を用いた断面力の算定、そして応力照査と安全度照査の方法が理解できる。 I桁に作用する荷重強度の算出、影響線を用いた断面力の算定、そして応力照査の方法が理解できる。 I桁に作用する荷重強度の算出、影響線を用いた断面力の算定ができない。
評価項目5橋梁の設計条件から設計計算、設計図面,設計数量計算までの設計手順を理解できる。 クリープ応力、ひずみによる応力、温度応力が理解でる。橋梁の設計条件から設計計算、設計図面,設計数量計算までの設計手順を理解できていない。

学科の到達目標項目との関係

ディプロマポリシー DP2 〇 説明 閉じる
ディプロマポリシー DP3 〇 説明 閉じる
ディプロマポリシー DP4 ◎ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
5年間の最後の構造系の設計製図として、道路橋合成桁の設計計算および製図を行う。設計条件がひとりひとり異なる課題を課し、設計に対する能カを高めることを目標とする。設計計算やCADによる製図を通じて、4学年までに学んだ構造力学・鋼構造学、コンクリート構造学、CADなどの知識が不可欠であることが理解されよう。また、道路橋示方書について理解を深め、その利用の仕方も修得できよう。
授業の進め方・方法:
主に主桁の設計計算を行う。床版の設計、主桁に対する設計荷重の計算、主桁の断面設計の順で設計を進める。ずれ止め、補剛材、継手、対傾構、横構の順で設計計算を進める。計算書の作成後、CADによる製図として一般図と主桁図をかく。説明と計算実習をセットで行うので計算が遅れないように授業時間内に頑張る必要がある。
注意点:
毎時間の授業では、前半で設計例によって示方書の使い方や設計計算の方法を説明し、後半で各自自分の設計条件に基づいて設計計算を行う。課題に積極的に取り組む必要があり、提出期限厳守で課題が提出されなければならない。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ①合成桁橋の設計 設計条件
②合成桁橋の設計 鉄筋コンクリート床版の設計
道路橋設計基準、設計条件、一般図
床版に作用する死荷重強度・活荷重強度・曲げモーメント、床版の鉄筋量
2週 ③合成桁橋の設計 主桁の断面力
④合成桁橋の設計 主桁の設計
主桁の曲げモーメント影響線、せん断力影響線
主桁の断面決定、鋼桁の断面定数、合成桁の断面定数
3週 ⑤合成桁橋の設計 ずれ止めの設計
⑥合成桁橋の設計 継手の設計
ずれ止めに働く水平せん断力、ずれ止めの間隔
上下フランジの継手設計、腹板の継手設計
4週 ⑦合成桁橋の設計 補剛材の設計
⑧合成桁橋の設計 主桁の断面変化
中間垂直補剛材の間隔と水平補剛材の必要性
フランジ幅の変化とフランジ厚の変化
5週 ⑨合成桁橋の設計 対傾構の設計
⑩合成桁橋の設計 横構の設計
対傾構の断面の設計
横構の断面設計
6週 ⑪合成桁橋の設計 たわみとキャンバーの計算
⑫合成桁橋の設計 一般図・外桁・内桁製図
主桁のたわみとキャンバーの計算
CADによる一般図・外桁・内桁製図
7週 ⑬⑭合成桁橋の設計 一般図・外桁・内桁製図 CADによる一般図・外桁・内桁製図
8週 ⑮合成桁橋の設計 一般図・外桁・内桁製図
口頭試問を行う。
CADによる一般図・外桁・内桁製図
合成桁橋の設計において口頭試問を行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野構造断面1次モーメントを理解し、図心を計算できる。3
断面2次モーメント、断面係数や断面2次半径などの断面諸量を理解し、それらを計算できる。3
各種静定ばりの断面に作用する内力としての断面力(せん断力、曲げモーメント)、断面力図(せん断力図、曲げモーメント図)について、説明できる。3
トラスの種類、安定性、トラスの部材力の意味を説明できる。3
節点法や断面法を用いて、トラスの部材力を計算できる。3
影響線を利用して、支点反力や断面力を計算できる。3
影響線を応用して、与えられた荷重に対する支点反力や断面力を計算できる。3
ラーメンの支点反力、断面力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その断面力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)を描くことができる。3
応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係を理解し、弾性係数、ポアソン比やフックの法則などの概要について説明でき、それらを計算できる。3
断面に作用する垂直応力、せん断応力について、説明できる。3
はりのたわみの微分方程式に関して、その幾何学的境界条件と力学的境界条件を理解し、微分方程式を解いて、たわみやたわみ角を計算できる。3
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)を理解し、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。3
仮想仕事の原理を用いた静定の解法を説明できる。3
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。3
重ね合わせの原理を用いた不静定構造物の構造解析法を説明できる。3
応力法と変位法による不静定構造物の解法を説明できる。3
鋼構造物の種類、特徴について、説明できる。3
各種示方書に基づく設計法(許容応力度、終局状態等)の概要を説明でき、安全率、許容応力度などについて説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合03000700100
基礎的能力0100020030
専門的能力0100020030
分野横断的能力0100030040