1. 専門用語を理解し、説明できること。
2. 理論や公式の導出過程を理解し、基本的な公式は暗記し、公式として使用できること。
3. 構造力学の基本原理である「力のつり合い」について理解していること。
4. 静定梁および静定トラスの反力と断面力を計算し、断面力図を図示できること。
5. 静定梁および静定トラスの影響線を計算・図示でき、影響線を用いて反力と断面力を計算できること。
概要:
【開講学期】春学期週4時間(1~8週)・夏学期週4時間(7~16週)
構造力学は各種構造物の力学的性質を知り、それらを安全に設計し、建設するための基礎となる学問である。本授業は、他の力学系専門科目の基礎となるため、しっかりと理解する必要がある。授業では多くの演習問題を解き、理論の理解とともに実際的な計算能力を身につける。
授業の進め方・方法:
構造力学の最も基本的な内容について学習する。構造力学で扱う最も基本的な構造である静定梁(単純梁・片持梁・張出梁・ゲルバー梁)と静定トラスを取り上げ、力のつり合いに関する基礎的事項および反力と断面力の求め方、また、影響線を用いた反力と断面力の求め方について学ぶ。説明と演習をセットで行うので授業時間内に理解してほしい。専門用語については、英語表記も示すので覚えるようにしてほしい。
到達度試験70%、小テスト20%、演習問題10%として評価を行い、総合評価は100点満点として、60点以上を合格とする。答案は採点後返却し、達成度を伝達する。
総合成績が60点未満の学生に対して、授業中に教員が指示する条件(課題が提出されているか等)を満足する場合に、補充試験を実施する。補充試験の場合には、試験の点数のみで評価し、60点以上の場合に総合成績を60点とする。
注意点:
1. 基本的に教科書に沿って授業を進める。わからないと感じたときには、何度も教科書を読み直し、復習すること。
2. 自宅学習用の演習問題を適宜課す。必ず自力で実施し、提出が求められた場合には指定された期限内に提出すること。
3. 授業中に小テストを4回行う。特別な理由のない欠席により小テストを受けなかった場合、事後に小テストを実施しない。
4. A4ファイルを用意し、授業で配布するプリント、演習問題、小テスト答案、到達度試験答案をファイリングして残しておくこと。
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス、橋に関する基礎知識、力、力の合成と分解 力のモーメント、平行な複数の力の合力と作用位置 |
力の合成と分解について解する。 力のモーメントについて理解する。
|
2週 |
橋の支点条件・反力、外的静定・不静定・不安定、力のつり合い条件式 橋に作用する荷重、自由物体図等 |
橋の支点条件・反力について理解する。 自由物体図、力のつり合いについて理解する。
|
3週 |
(集中・等分布・モーメント)荷重の作用する(単純・張出・片持)梁の反力 外力と内力、変形と断面力の関係 |
種々の荷重の作用する基本的な静定構造の反力を求めることができる。 主に外力と内力、変形と断面力の関係について理解する。
|
4週 |
小テスト(1) (集中・等分布)荷重の作用する(単純・片持)梁の断面力 |
断面力の求め方、断面力図の書き方について理解する。
|
5週 |
(集中・等分布・モーメント)荷重の作用する(単純・片持・張出)梁の断面力 断面力図作成のための図式的解法 |
種々の荷重の作用する基本的な静定構造の反力と断面力を求め、断面力図を書くことができる。 断面力図作成のための図式的解法について理解する。
|
6週 |
断面力図作成のための図式的解法の練習問題 小テスト(2)、ゲルバー梁の反力と断面力
|
種々の荷重の作用する基本的な静定構造の断面力図作成のための図式的解法を実践できる。 主にゲルバー梁の反力と断面力の求め方について理解する。
|
7週 |
ゲルバー梁の断面力 間接荷重の作用する単純梁の反力と断面力 |
ゲルバー梁の反力と断面力を求め、断面力図を書くことができる。 間接荷重の作用する単純梁の反力と断面力を求め、断面力図を書くことができる。
|
8週 |
到達度試験(1) (答案返却とまとめ) |
主に反力と断面力に関する到達度を確認する。
|
2ndQ |
9週 |
影響線について、単純梁の影響線 影響線による反力と断面力の求め方 |
影響線について理解し、単純梁の影響線を図示でき、影響線によって反力と断面力を求めることができる。
|
10週 |
(単純・片持・張出・ゲルバー)の影響線 間接荷重の作用する単純梁の影響線 |
(集中・等分布)荷重の作用する(単純・片持・張出・ゲルバー)梁の影響線を図示でき、影響線によって反力と断面力を求めることができる。 間接荷重の作用する単純梁の影響線を図示でき、影響線によって反力と断面力を求めることができる
|
11週 |
小テスト(3) 連行荷重の作用する単純梁の最大(せん断力・曲げモーメント) |
連行荷重の作用する単純梁の最大(せん断力・曲げモーメント)を理解し、求めることができる。
|
12週 |
連行荷重の作用する単純梁の絶対最大(せん断力・曲げモーメント) |
連行荷重の作用する単純梁の絶対最大(せん断力・曲げモーメント)を理解し、求めることができる。
|
13週 |
トラスについて、内的安定(静定・不静定)・不安定、トラスの反力、トラスの部材力、格点法、断面法 |
トラスについて理解でき、基本的なトラスの部材力を格点法または断面法によって求めることができる。
|
14週 |
曲弦トラス、Kトラス トラスの部材力の影響線 |
応用的なトラスの部材力を格点法または断面法によって求めることができる。 基本的なトラスの部材力の影響線を図示でき、影響線によって部材力を求めることができる。
|
15週 |
小テスト(4) 応用問題演習 |
応用問題を解くことができる。
|
16週 |
到達度試験(2) (答案返却とまとめ) |
主に影響線とトラスに関する到達度を確認する。
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建設系分野 | 構造 | 各種静定ばりの断面に作用する内力としての断面力(せん断力、曲げモーメント)、断面力図(せん断力図、曲げモーメント図)について、説明できる。 | 3 | 前3,前4,前5,前6,前7 |
トラスの種類、安定性、トラスの部材力の意味を説明できる。 | 3 | 前13 |
節点法や断面法を用いて、トラスの部材力を計算できる。 | 3 | 前13,前14 |
影響線を利用して、支点反力や断面力を計算できる。 | 3 | 前9,前10,前11,前12 |
影響線を応用して、与えられた荷重に対する支点反力や断面力を計算できる。 | 3 | 前9,前10,前11,前12,前14 |
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。 | 2 | 前2 |
建築系分野 | 構造 | 力の定義、単位、成分について説明できる。 | 3 | 前1 |
力のモーメントなどを用い、力のつり合い(合成と分解)に関する計算ができる。 | 3 | 前1 |
骨組構造物の安定・不安定の判定ができる。 | 3 | 前13 |
骨組構造物に作用する荷重の種類について説明できる。 | 3 | 前2 |
トラスの種類を説明でき、トラスの部材力の意味について説明できる。 | 3 | 前13 |
節点法や切断法を用いて、トラスの部材応力を計算できる。 | 3 | 前13,前14 |
はりの支点の種類、対応する支点反力、およびはりの種類やその安定性について説明できる。 | 3 | 前2,前3 |
はりの断面に作用する内力としての応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)、応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)について説明することができる。 | 3 | 前3 |
はり(単純ばり、片持ちはり)の応力を計算し、応力図を描くことができる。 | 3 | 前4,前5,前6 |
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。 | 2 | 前2 |