到達目標
地盤中の一次元飽和浸透や変形挙動についての支配方程式を導出し,重み付き残差法による解を求め,厳密解と比較する.有限要素法の一般的な解法の流れを把握する.塑性ひずみの概念を理解し,増分法によりお,カムクレイモデルを降伏関数とする塑性ひずみの計算ができること.山留め壁の支保工部材の設計計算ができること.地盤に関する諸問題に対する対策工,その特徴を習得する.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 地盤の荷重作用時の変形や,地下水の流れを式で表現でき,厳密解,重み付き残差法による解を求められる.有限要素法の計算アルゴリズムを理解出来る. | 地盤の荷重作用時の変形や,地下水の流れを式で表現でき,境界条件のもと厳密解,重み付き残差法による解を求められる. | 定式化,微分方程式の解を求める計算が出来ない. |
評価項目2 | 地盤対策工の種類と特徴が分かり,専門文献から適用例を理解出来る. | 地盤対策工の種類と特徴が分かる. | 地盤対策工の種類と特徴が分からない. |
評価項目3 | 山留め壁の支保工の部材設計が出来る. | 山留め壁の土圧分布,根入れ長さの計算が出来る. | 粘着力を含んだ地盤の土圧計算が出来ない. |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 DP3 専門分野・他分野の知識・技術と応用力
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地域志向 〇
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教育方法等
概要:
本科の地盤工学の授業を基礎として,地盤中の浸透挙動や荷重作用時の地盤の変形挙動に関する理解を深め,斜面崩壊や建物の沈下,汚染物質の漏洩など様々な被害を予見し,適切な対策を施せる素養を身につける.建設現場で仮設でよく用いられる土留め壁の設計計算法についても説明をする.この科目はトンネルの情報化施工を経験した教員が,せん断強さ,擁壁,斜面の範囲でその実務経験を活かした授業が行われる。
授業の進め方・方法:
浸透・変形挙動に関する有限要素法(FEM)定式化や弾塑性力学の基礎を学ぶとともに,弾塑性変形に関して,せん断挙動と圧密挙動を同一観点から説明できるカムクレイモデルについて,土粒子の滑動,有効応力の変化等をふまえて説明する.さらに実規模での設計,検討例を説明する.
注意点:
変形挙動に関しては,連続体力学の基礎から説明を行う.微分積分の知識が必要である.EXCELを用いたシミュレーションを行う予定.土留め壁設計では構造力学の知識も必要である.
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
浸透水の微小要素での非定常連続式,ダルシーの法則.1次元浸透問題におけるFEM定式化と解析(重み付け,基礎方程式の部分積分,形状関数の微分,行列化). |
材料の力学的性質及び物理的性質を説明できる.運動方程式を用いた計算ができる。 簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題を,重み付き残差法により試行関数を用いて解くことができる。
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2週 |
微小要素での力の釣合い方程式. |
固体材料について微分方程式の形で運動方程式を立てることが出来る。
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3週 |
ひずみと変位の関係,応力とひずみの関係(フックの法則),1次元弾性変形問題(厳密解). |
運動方程式を用いた計算ができる。 簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。
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4週 |
1次元弾性変形問題における2次の試行関数を用いたFEM定式化と解析,厳密解との比較.一般的な定式化の流れ. |
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。
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5週 |
1次元弾性変形問題における2次の試行関数を用いたFEM定式化と解析,厳密解との比較.一般的な定式化の流れ. |
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題を,試行関数を用いて解くことができる。
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6週 |
土や金属の破壊基準,降伏条件,降伏関数. |
土の破壊基準を理解している.
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7週 |
応力空間・限界状態,塑性ひずみ増分に関する仮定. |
土・粘性土のせん断特性について考察できる。 土の破壊基準について考察できる .
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8週 |
カムクレイモデル降伏関数の決定. |
カムクレイモデルの降伏関数の導出過程を説明出来る。
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2ndQ |
9週 |
弾性ひずみ増分の決定,弾性係数と圧密における膨張指数との関係. |
載荷,除荷を伴う圧密試験で得られる圧縮曲線の傾きから,弾性ひずみ増分を説明出来る。
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10週 |
関連流れ則,塑性ひずみ増分の決定. |
カムクレイモデル降伏関数を用いて,塑性ひずみ増分を計算出来る。
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11週 |
排水及び非排水三軸試験のシミュレーション. |
カムクレイモデルの降伏関数の導出過程を説明出来る。 土・粘性土のせん断特性について考察できる。 土の破壊基準について考察できる .
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12週 |
土留め壁の設計,FEM解析による土留め壁と周辺地盤の変形計算例紹介. |
ランキン土圧やクーロン土圧を理解している.設計書を参考に土留め壁の設計計算が出来る。
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13週 |
補強土工法,地盤改良工法. |
地盤の改良工法について説明出来る。
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14週 |
補強土工法,地盤改良工法. |
地盤の改良工法について説明出来る。
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
期末試験の答案返却とまとめ |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建設系分野 | 情報処理 | 表計算ソフトウェアの基本的な使い方を理解している。 | 4 | |
表計算ソフトウェアにより基本的なグラフが作成できる。 | 4 | |
材料 | 材料の力学的性質及び物理的性質を説明できる。 | 5 | 前1 |
材料に要求される力学的性質及び物理的性質に関する用語、定義を説明できる。 | 5 | |
地盤 | 土の生成、基本的物理量、構造などについて、説明できる。 | 5 | |
土中水の分類を説明できる。 | 4 | |
ダルシーの法則を説明できる。 | 5 | |
透水係数と透水試験について、説明できる。 | 5 | |
透水力による浸透破壊現象を説明できる。 | 3 | |
砂質土と粘性土のせん断特性を説明できる。 | 4 | |
土の破壊基準を理解している。 | 4 | 前6 |
土のせん断試験について考察できる。 | 4 | |
土のせん断試験を説明できる。 | 5 | |
土のせん断特性を説明できる。 | 4 | |
土の破壊規準を説明できる。 | 4 | 前8 |
有効応力の原理を説明できる。 | 4 | |
構造物に作用する土圧や地震時の土圧について説明できる。 | 4 | 前13 |
ランキン土圧やクーロン土圧を説明でき、土圧算定に適用できる。 | 5 | 前11 |
飽和砂の液状化メカニズムを説明できる。 | 4 | |
地盤改良工法や液状化対策工法について、説明できる。 | 5 | |
計画 | 地盤の液状化被害を説明できる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | レポート | 合計 |
総合評価割合 | 90 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 90 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |