到達目標
主要な公式についてその根拠を理解すること、基本的な公式は暗記すること、公式を適用して数値計算ができること、数値計算の結果を図示できること、得られた結果について正しいかどうか判断できること、実際の構造物の設計にどのように応用できるか理解できることが到達目標である。演習の理解度と定期試験の結果で到達度を計ってもらいたい。具体的には次に示すとおりである。 1.力学諸量の定義についてその数学的背景を理解し、応用することができる。 2.基礎的なエネルギー法の概念を理解し,それらを用いて不静定構造物を解く能力をつける。 3.マトリクス変位法による骨組解析理論の基礎を理解し解析ができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | たわみ角法により、構造物の固有振動を求めることができる。 | 一般化したたわみ角公式と節点方程式・層方程式を適用できる。 | 一般化したたわみ角法の公式を適用できない。 |
評価項目2 | 弾性荷重法による梁のたわみを算定できる。 | 梁の変形(たわみ)を求める関係基礎微分方程式を理解し、たわみを求めることができる。 | 梁の変形(たわみ)を求める関係基礎微分方程式を理解し、たわみを求めることができない。 |
評価項目3 | マトリクス変位法による骨組解析理論の基礎を理解し解析ができる。 | トラス部材の剛性マトリックスを理解して実際に作成できること。 | トラス部材の剛性マトリックスを作成できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
構造力学においては、構造物に作用する力と変形の関係を定量的に論ずるために各種の数学的な手法が用いられることになるが、それらの手法により構造力学は2種類に分類される。一つは、静力学として問題を解く図式的力学、他は力学的原理に基づき構造物の平衡状態及び変形状態を数学的に表現し、それを純解析的手法あるいは、数値的解析手法により解析する方法である。この講義では、数値的解析手法を用いて構造系の力学的挙動についてその背景を理解し、応用することを目標とする。
授業の進め方・方法:
2次元や3次元的な広がりをもつ材料空間におけるひずみや応力の数学的取り扱い方、ひずみと応力をむすびつけるための一般化されたHookの法則、2次元問題の解析例などが主な内容である。
注意点:
主要な公式についてその根拠を理解すること、基本的な公式は暗記すること、公式を適用して数値計算ができること、得られた結果について正しいかどうか判断できること、実際の構造物の設計にどのように応用できるか、などに留意して履修することが必要である。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
はりの変形(1)曲げモーメントによるたわみの基本式の誘導とその解法 |
有限変形理論、エラスティカ問題について理解できる。
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2週 |
はりの変形(2)モールの定理とその解法 |
微小変形理論、はり理論を理解できる。
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3週 |
圧縮部材の解析(1)圧縮部材の破壊形態と短柱の断面の核 |
短柱と長柱の挙動、Eulerの座屈荷重、破壊形態と短柱の断面の核を求めることができる。
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4週 |
圧縮部材の解析(2)長柱の弾性座屈 |
座屈、座屈荷重、座屈理論と耐荷力曲線の関係を理解し、柱の設計ができる。
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5週 |
構造解析における基本原理(1)重ね合わせの原理と影響線の利用 |
重ね合わせの原理と影響線を理解できる。
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6週 |
構造解析における基本原理(2)外力仕事とひずみエネルギー |
バネ、軸力、曲げモーメントのひずみエネルギーを求める。
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7週 |
構造解析における基本原理(3)仮想仕事の原理とエネルギー極小の原理 |
単位荷重の定理を用いて、はりに生ずる任意点のたわみ、たわみ角を求める。
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8週 |
構造解析における基本原理(4)単位荷重法 |
最小の原理とカスティリアーノの定理からはりに生ずるたわみ、たわみ角を求める。
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2ndQ |
9週 |
構造解析における基本原理(5)相反作用の原理 |
ベッティの相反作用の定理、マクスウェルの相反作用の原理、ミューラーブレスラウの定理
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10週 |
たわみ角法による平面ラーメンの解析 |
たわみ角法を用いて構造物の固有振動数をもとめる。
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11週 |
マトリクス構造解析法概要 |
マトリクス構造解析法概要
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12週 |
マトリクス構造解析法 |
トラス要素の剛性マトリクス、変位と力の変換マトリックス
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13週 |
マトリクス構造解析法 |
トラス要素の剛性マトリクス、変位と力の変換マトリックス
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14週 |
マトリクス構造解析法 |
要素剛性マトリックスの変換、構造剛性方程式の作成、トラス
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15週 |
マトリクス構造解析法 |
要素剛性マトリックスの変換、構造剛性方程式の作成、トラス
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16週 |
到達度試験及びその解説 |
講義内容に関する試験を実施する
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 50 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 | 60 |
専門的能力 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 25 |
分野横断的能力 | 10 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 15 |