主要な公式についてその根拠を理解すること.基本的な公式は暗記すること.公式を適用して数値計算ができること.数値計算の結果を図示できること.得られた結果について正しいかどうか判断できること.実際の構造物の設計にどのように応用できるか理解できることが到達目標である.演習の理解度と定期試験の結果で到達度を計ってもらいたい.具体的には次に示すとおりである.
1.力学諸量の定義についてその数学的背景を理解し,応用することができる.
2.基礎的なエネルギー法の概念を理解し,それらを用いて不静定構造物を解く能力をつける.
3.応力法・変位法による骨組解析理論の基礎を理解し解析ができる.
概要:
構造力学においては、構造物に作用する力と変形の関係を定量的に論ずるために各種の数学的な手法が用いられることになるが,それらの手法により構造力学は2種類に分類される.一つは,静力学として問題を解く図式的力学,他は力学的原理に基づき構造物の平衡状態及び変形状態を数学的に表現し,それを純解析的手法あるいは,数値的解析手法により解析する方法である.この講義では,数値的解析手法を用いて構造系の力学的挙動についてその背景を理解し,応用することを目標とする.
授業の進め方・方法:
2次元や3次元的な広がりをもつ材料空間におけるひずみや応力の数学的取り扱い方,ひずみと応力をむすびつけるための一般化されたHookの法則,2次元問題の解析例などが主な内容である.試験(中間および期末)80%,課題 20%として評価を行い,総合評価は 100 点満点として,60 点以上を合格とする.答案は採点後返却し,達成度を伝達する.本科目は,学修単位であり60時間以上の自学自習が必須である.自学自習の成果はレポート課題および到達度試験によって評価する.
注意点:
主要な公式についてその根拠を理解すること.基本的な公式は暗記すること.公式を適用して数値計算ができること.得られた結果について正しいかどうか判断できること.実際の構造物の設計にどのように応用できるか,などに留意して履修することが必要である.
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
はりの変形(1)曲げモーメントによるたわみの基本式の誘導とその解法 |
有限変形理論,エラスティカ問題について理解できる.
|
2週 |
はりの変形(2)モールの定理とその解法 |
微小変形理論,はり理論を理解できる.
|
3週 |
圧縮部材の解析(1)圧縮部材の破壊形態と短柱の断面の核 |
短柱と長柱の挙動,Eulerの座屈荷重,破壊形態と短柱の断面の核を求めることができる.
|
4週 |
圧縮部材の解析(2)長柱の弾性座屈 |
座屈,座屈荷重,座屈理論と耐荷力曲線の関係を理解し,柱の設計ができる。
|
5週 |
構造解析における基本原理(1)重ね合わせの原理と影響線の利用 |
重ね合わせの原理と影響線を理解できる.
|
6週 |
構造解析における基本原理(2)外力仕事とひずみエネルギー |
バネ,軸力,からひずみエネルギーを求めることができる.
|
7週 |
構造解析における基本原理(3)仮想仕事の原理とエネルギー極小の原理 |
単位荷重の定理を用いて,はりに生ずる任意点のたわみ,たわみ角を求められる.
|
8週 |
構造解析における基本原理(4)単位荷重法 |
最小の原理とカスティリアーノの定理からはりに生ずるたわみ,たわみ角を求められる.
|
2ndQ |
9週 |
構造解析における基本原理(5)相反作用の原理 |
ベッティの相反作用の定理、マクスウェルの相反作用の原理、ミューラーブレスラウの定理
|
10週 |
たわみ角法によラーメンの解析 |
たわみ角法を用いてラーメンの応力解析ができる.
|
11週 |
たわみ角法によラーメンの解析 |
たわみ角法によるラーメンの応力解析ができる.
|
12週 |
D値法を用いたラーメンの解析 |
D値法によるラーメンの応力解析ができる.
|
13週 |
D値法を用いたラーメンの解析 |
D値法によるラーメンの応力解析ができる.
|
14週 |
D値法を用いたラーメンの解析 |
D値法によるラーメンの応力解析ができる.
|
15週 |
期末試験 |
期末試験を行う.
|
16週 |
期末試験の答案返却と解説 |
試験の答案返却と解説を行う.
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建設系分野 | 構造 | 断面1次モーメントを理解し、図心を計算できる。 | 5 | |
断面2次モーメント、断面係数や断面2次半径などの断面諸量を理解し、それらを計算できる。 | 5 | |
各種静定ばりの断面に作用する内力としての断面力(せん断力、曲げモーメント)、断面力図(せん断力図、曲げモーメント図)について、説明できる。 | 5 | |
トラスの種類、安定性、トラスの部材力の意味を説明できる。 | 5 | |
節点法や断面法を用いて、トラスの部材力を計算できる。 | 5 | |
影響線を利用して、支点反力や断面力を計算できる。 | 6 | |
影響線を応用して、与えられた荷重に対する支点反力や断面力を計算できる。 | 6 | |
ラーメンの支点反力、断面力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その断面力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)を描くことができる。 | 6 | 前1,前2 |
応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係を理解し、弾性係数、ポアソン比やフックの法則などの概要について説明でき、それらを計算できる。 | 6 | 前1 |
断面に作用する垂直応力、せん断応力について、説明できる。 | 6 | 前1 |
はりのたわみの微分方程式に関して、その幾何学的境界条件と力学的境界条件を理解し、微分方程式を解いて、たわみやたわみ角を計算できる。 | 6 | 前2 |
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)を理解し、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。 | 6 | 前3,前4 |
仮想仕事の原理を用いた静定の解法を説明できる。 | 6 | 前5 |
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。 | 6 | 前1 |
重ね合わせの原理を用いた不静定構造物の構造解析法を説明できる。 | 6 | 前6 |
応力法と変位法による不静定構造物の解法を説明できる。 | 5 | 前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14 |
橋梁に作用する荷重の分類(例、死荷重、活荷重)を説明できる。 | 5 | 前1 |
各種示方書に基づく設計法(許容応力度、終局状態等)の概要を説明でき、安全率、許容応力度などについて説明できる。 | 5 | 前1 |
軸力を受ける部材、圧縮力を受ける部材、曲げを受ける部材や圧縮と曲げを受ける部材などについて、その設計法を説明でき、簡単な例に対し計算できる。 | 5 | 前3,前4 |