物理学要論(5005)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 物理学要論(5005)
科目番号 0016 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 産業システム工学専攻環境都市・建築デザインコース 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 岩波基礎物理シリーズ1「力学・解析力学」 (阿部龍蔵 著,岩波書店)
担当教員 丹羽 隆裕

到達目標

1.古典力学の原理の復習と解析力学の成り立ちの理解。
2.解析力学の手法を力学の問題に適用する方法を学ぶ。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1  ニュートンの運動方程式の成立過程の理解。座標変換の考え方と計算方法の理解。ベクトル微分方程式としてのニュートンの運動方程式の理解。座標変換による加速度の表現方法が理解できない。
評価項目2  ニュートンの運動方程式の一般化。ニュートンの運動方程式の一般化からラグランジュの運動方程式が導かれる課程を理解できている。一般化座標、一般化運動量という考え方の理解。一般化座標、一般化運動量という考え方が理解できていない。
評価項目3  変分原理、最小作用の原理の理解。ラグランジュの運動方程式を適用して力学問題を解くことができる。変分原理の手法を理解できる。変分原理の考え方が飲み込めない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 DP1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 「物理学要論」では、まずニュートン力学の復習を行ない、ついで解析力学を学ぶ。ニュートン力学における変数や座標系の意味を確認し、変分原理等の数学的手法によりニュートン力学が一般化され、より普遍的な力学の体系である解析力学が構築される過程を学ぶ。この解析力学が量子力学の原理に関わっていること、また、ニュートン力学が相対性理論により修正を受けることにも触れる。
この授業では、自然現象を数学で表現する手法に慣れることを目標とする。
授業の進め方・方法:
 微分積分、微分方程式、フーリエ解析、確率・統計等、物理現象の数学的な表現方法の説明が中心となる。従って、これらの基礎となる数学を充分に復習しておくことが重要となる。
注意点:
 ここで扱う物理現象は、可能な限り各専攻に共通する項目を選んでいるので、一見すると専門外の様な話題であっても興味を持って臨んでほしい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
2週 ニュートン力学の復習 (位置ベクトルと変位ベクトル、座標系と変数)
3週 ニュートン力学の復習 (運動方程式、運動量、運動エネルギー)
4週 ニュートン力学の復習 (座標軸の変換、直交変換)
5週 解析力学 (一般化座標、一般化力、一般化運動量)
6週 解析力学 (ラグランジュ方程式)
7週 解析力学 (力学系の微小振動)
8週 解析力学 (変分原理)
2ndQ
9週 解析力学 (ハミルトンの正準方程式)
10週 解析力学と量子力学 (ハミルトニアン)
11週 相対運動
12週 角運動量
13週 2体問題
14週 剛体の運動
15週 期末試験
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。4前2
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。4前2
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。4前2
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。4前2
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。4前2,前4
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。4前2,前4
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。4前2,前4
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。4前2,前4
物体に作用する力を図示することができる。4前3
力の合成と分解をすることができる。4前3
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。4前3
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。4前3
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。4前3
慣性の法則について説明できる。4前3
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。4前3
運動方程式を用いた計算ができる。4前3
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。4前3
運動の法則について説明できる。4前3
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。4
最大摩擦力に関する計算ができる。4
動摩擦力に関する計算ができる。4
仕事と仕事率に関する計算ができる。4前5
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。4前5
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。4前5
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。4前5
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。4前5
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。4前5
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。4前5
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。4前5
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。4
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。4
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。4
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.4前13
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。4前13
力のモーメントを求めることができる。4前12
角運動量を求めることができる。4前12
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。4前12
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。4前14
重心に関する計算ができる。4前14
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。4前14
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。4前14

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100
専門的能力000
分野横断的能力000