概要:
近年、新型コロナウィルス問題に端を発し、様々な感染症に関心が集まっている。感染症は人類誕生以来、どんな時代であったとしても人が生来ている限り関係し続ける問題である。本授業では、こうした様々な感染症を通じてみる人々の社会的営みを多角的に考察する。また感染症により生じている多様性をめぐる社会的緊張、価値観の形成と変容がどのように深まっていったかについて理解を深める。同時に、感染症を通じて現代社会に起きている諸問題について、人文学・社会科学の観点においてどのように論じられているのかを学際的に考察する。
本授業では次の3点を評価項目とする。
・感染症と人類の歴史を理解し、授業中に使用したワードを用いて簡潔に述べることができる。
・古代から続く感染症と人類とのかかわりが世界の政治・経済・文化的潮流にどのような影響を与えてきたのか、簡潔に述べることができる。
・感染症と人類の歴史や様々な影響について、パワーポイントを用いて規定時間内に発表することができる。また、発表で得た質問に適切に答えることができる。
授業の進め方・方法:
・授業は講義形式と学生発表の2つの形式をとる。週の前半は講義を行い、後半で学生発表を行う。
※ただし、講義形式の授業については、アクティブ・ラーニングの形式を用いることもある。
・授業方法はパワーポイントで進める。また、学生には教員より授業プリントを配布する。
・後半の発表については、学生によるスライドを用いた発表を行う(各自1回ずつ)。
・総合評価はコメントペーパー(20%)、授業終了後の学生発表(30%)、最終レポート(50%)の割合で行う。
・総合評価を100点満点とし、60点以上を合格とする。
注意点:
・授業では様々な感染症を取り扱う。そのため、厚生労働省のHPなどを閲覧し、講義で取り扱う感染症について予習・復習し理解を深めておくこと。
・授業で用いた資料・概説書については適宜提示するので、授業理解のために積極的に確認すること。
・授業には積極的に参加すること。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス |
人類と感染症に関する授業の内容の基本的説明と評価方法について理解する。 学生発表の方法・発表の順番、を決定する。
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2週 |
人類と感染症:ペスト① |
ペストとは何か、ヨーロッパへのペスト流入の原因について理解する。
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3週 |
人類と感染症:ペスト② |
ヨーロッパの中世社会にペストがどのような影響を与えたのかを理解する。
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4週 |
人類と感染症:ペスト③ |
近現代の社会において、ペストが与えた影響を理解する。
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5週 |
人類と感染症:コレラ① |
コレラとは何か、コレラ流入の原因について理解する。
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6週 |
人類と感染症:コレラ② |
コレラがヨーロッパ社会にどのような影響を与えたのかについて理解する。
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7週 |
人類と感染症:コレラ③ |
コレラがアジア世界に与えた影響、とりわけ、明治・大正時代の日本のアジア政策との関係を理解する。
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8週 |
人類と感染症:スペイン風邪① |
スペイン風邪とは一体何かについて、理解する。
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4thQ |
9週 |
人類と感染症:スペイン風邪② |
スペイン風邪が世界各国にどのような影響を与えたのかについて理解する。
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10週 |
人類と感染症:スペイン風邪③ |
スペイン風邪と大正・昭和期の日本の対策について理解する。
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11週 |
人類と感染症:天然痘① |
天然痘と日本における宗教との関係について理解する。
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12週 |
人類と感染症:天然痘② |
WHOによる天然痘根絶計画と冷戦の影響について理解する。
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13週 |
人類と感染症に関する学生発表① |
人類と感染症の歴史について、自ら調べたことを論理的かつ分かりやすく、相手に伝えることができる。また、そうした報告に対して、積極的に議論することができる。
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14週 |
人類と感染症に関する学生発表② |
人類と感染症の歴史について、自ら調べたことを論理的かつ分かりやすく、相手に伝えることができる。また、そうした報告に対して、積極的に議論することができる。
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15週 |
人類と感染症に関する学生発表③ |
人類と感染症の歴史について、自ら調べたことを論理的かつ分かりやすく、相手に伝えることができる。また、そうした報告に対して、積極的に議論することができる。
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16週 |
本講座のまとめ |
学生発表で行われた発表内容についての総括をする。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文・社会科学 | 社会 | 現代社会の考察 | 現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。 | 4 | 後13,後14,後15 |
工学基礎 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。 | 4 | 後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12 |
グローバリゼーション・異文化多文化理解 | グローバリゼーション・異文化多文化理解 | それぞれの国の文化や歴史に敬意を払い、その違いを受け入れる寛容さが必要であることを認識している。 | 4 | 後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12 |
異文化の事象を自分たちの文化と関連付けて解釈できる。 | 4 | 後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12 |
分野横断的能力 | 態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。 | 4 | 後13,後14,後15 |
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。 | 4 | 後2,後13,後14,後15 |
目標の実現に向けて計画ができる。 | 4 | 後1 |
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。 | 4 | 後1 |
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。 | 4 | 後13,後14,後15 |
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。 | 4 | 後13,後14,後15 |
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。 | 4 | 後13,後14,後15 |
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。 | 4 | 後13,後14,後15 |
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。 | 4 | 後1,後13,後14,後15 |