到達目標
現代論理学の考え方を理解すること、および命題計算がどれかの方法でできることを目標とする
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 歴史上に現れた論理学の種類とその概要を説明できる | 歴史上に現れた論理学の主なものとその概要を説明できる | 歴史上に現れた論理学の主なものとその概要を説明できない |
評価項目2 | 論理学の定義と現代論理学の研究方法を説明できる | 論理学の定義と現代論理学の研究方法を理解している | 論理学の定義と現代論理学の研究方法を理解していない |
評価項目3 | 形式言語Lの構成要素とその解釈を理解し、Lを構成することができる | 形式言語Lの構成要素とその解釈を理解している | 形式言語Lの構成要素とその解釈を理解していない |
評価項目4 | 命題論理の公理系における演繹およびその意味論における論理計算ができる | 命題論理の公理系における演繹またはその意味論における論理計算ができる | 命題論理の公理系における演繹もその意味論における論理計算もできない |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
論理とは何か、論理学とはどういう学問か、についての概略的な知識を身に付けた上で、現代記号論理学の初歩的な演算・証明の技術を訓練することを主眼とする。その訓練を通して、合理的な思考様式を身に付け、論理的なものの考え方が深められるようにしたい。
授業の進め方・方法:
論理学の歴史、様々な種類の論理学を紹介した後で、現代の記号論理学に入る。形式言語Lを構成してから、命題論理の公理系とその意味論を解説し、命題論理の完全性証明および決定可能性を経て、計算可能性の理論に進み、オートマトンの理論から全加算機を論理的に構成する。受講者の理解度に余裕があれば一階の述語論理の理論をも瞥見する。
注意点:
授業は毎回、講義と演習問題により構成されるが、予備知識は何も必要とされない。コンピュータの基礎理論としてばかりではなく、全ての学問の基礎あるいはものを正しく考えるということに興味を持っていることが望まれる。尚、自学自習の成果は宿題によって評価する。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
序章 論理学とは何か: 0.1. 論理学の種類(1)
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古代から中世にかけて現れた論理学の種類とその概要を理解する
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2週 |
0.1. 論理学の種類(2) |
近世から現代にかけて現れた論理学の種類とその概要を理解する
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3週 |
0.2. 論理学の定義 0.3. 論理学の研究方法 |
論理学の定義とその研究方法を理解する
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4週 |
第1章 形式言語L: 1.1. 構成要素 |
形式言語とは何かを理解し、その一例であるLの構成要素を理解する
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5週 |
1.2. 解釈と翻訳
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形式言語Lの構成要素の解釈と日常言語の形式言語Lへの翻訳ができる
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6週 |
第2章 命題論理: 2.1. 構文論: 2.1.1. 公理系S(1) |
形式言語Lを用いて公理系Sを構成する
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7週 |
2.1.1. 公理系S(2) 公理系Sにおける証明の練習 |
公理系Sにおいて「公理からの証明」を演習問題により身につける
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8週 |
2.1.1. 公理系S(3) 公理系Sにおける演繹の練習 |
公理系Sにおいて「演繹定理を用いた証明」を演習問題により身につける
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4thQ |
9週 |
2.1.2. 自然演繹体系NK(1)
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形式言語Lを用いて自然演繹体系NKを構成する
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10週 |
2.1.2. 自然演繹体系NK(2) 自然演繹体系NKにおける演繹の練習 |
自然演繹体系NKにおいて演繹を演習問題により身につける
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11週 |
2.2. 意味論: 2.2.1. 命題記号の解釈 |
公理系Sの意味論を構成し、命題記号の解釈を理解する
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12週 |
2.2.2. 論理結合子の解釈
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公理系Sの意味論における論理結合子の解釈を理解する
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13週 |
2.2.3. 公理系Sのモデル 3.2.4. 妥当性 |
公理系Sのモデルを構成し、それにおける命題の妥当性を判定できるようにする
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14週 |
第3章 命題論理体系の諸性質: 3.1. 健全性 3.2. 無矛盾性 3.3. 完全性 |
論理体系における諸性質を理解し、公理系Sのそれらの性質を証明する
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
期末試験の答案返却とまとめ |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文・社会科学 | 社会 | 地理歴史的分野 | 民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。 | 4 | |
公民的分野 | 人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。 | 4 | |
現代社会の考察 | 現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。 | 4 | |
工学基礎 | グローバリゼーション・異文化多文化理解 | グローバリゼーション・異文化多文化理解 | 様々な国の生活習慣や宗教的信条、価値観などの基本的な事項について説明できる。 | 4 | |
分野横断的能力 | 態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。 | 4 | |
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | レポート | 合計 |
総合評価割合 | 50 | 50 | 100 |
基礎的能力 | 50 | 50 | 100 |