材料化学(5241)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 材料化学(5241)
科目番号 0031 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 産業システム工学専攻環境都市・建築デザインコース 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 入門無機材料/塩川二郎著/化学同人/2001、しくみ図解シリーズ金属材料が一番わかる/三木貴博監修/技術評論社/2014
担当教員 長谷川 章,新井 宏忠

到達目標

1.結晶の対称性やブラベ格子などが理解されていること。さらに、さまざまな機能性発現について説明が出来ること。
2.金属材料の一般的性質と用途、その発現機構の概略を説明できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
材料の機能性発現磁性材料や誘電材料について、機能性発現のメカニズムを説明できる。教科書等の参考情報により、磁性材料や誘電材料の機能性発現のメカニズムを説明できる。教科書等の参考情報を参照しても磁性材料や発光材料の機能性発現について説明できない。
材料の合成技術薄膜や微粒子材料の合成技術について説明できる。 教科書等の参照情報により、薄膜や微粒子材料の合成技術について説明できる。教科書等の参照情報を参照しても、薄膜や微粒子材料の合成技術について説明できない。
鉄・鉄鋼の製造鉄鋼材料が鉱石からどのように製造・加工されるのか、基礎的な流れを説明できる。教科書等の参考情報により、鉄鋼材料が鉱石からどのように製造・加工させるのか、基礎的な流れを説明できる。教科書等の参考情報を参照しても、鉄鋼材料が鉱石からどのように製造・加工させるのか、基礎的な流れを説明できない。
非鉄金属材料に関する概説非鉄金属(Al・Cu・Ti・Zn、レアメタルなど)の製造方法、物理的および化学的性質を説明できる。また、代表的な用途を説明できる。教科書等の参考情報により、非鉄金属(Al・Cu・Ti・Zn、レアメタルなど)の製造方法、物理的および化学的性質を説明できる。また、代表的な用途を説明できる。教科書等の参考情報により、非鉄金属(Al・Cu・Ti・Zn、レアメタルなど)の製造方法、物理的および化学的性質を説明できない。
新機能材料に関する概説高張力鋼板や電磁鋼、アモルファス金属などの先端材料の物理的および化学的性質を説明できる。教科書等の参考情報により、高張力鋼板や電磁鋼、アモルファス金属などの先端材料の物理的および化学的性質を説明できる。教科書等の参考情報を参照しても、高張力鋼板や電磁鋼、アモルファス金属などの先端材料の物理的および化学的性質を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 DP3 専門分野・他分野の知識・技術と応用力 説明 閉じる

教育方法等

概要:
「材料」の発展は最近特に著しく、化学、電気・電子工学、機械工学、土木工学等あらゆる分野に新素材を提供している。この講義では、固体材料の結晶構造と材料などの特性について学ぶと共に、今日の工業技術の中でも中心的な役割を担っている機能性無機材料、金属材料などの各論について講義する。

※実務との関係
この科目は、全15週のうち、第8週から第15週において、企業で金属素材製造プロセスの改善・評価、高付加価値素材の製造方法の設計等の研究開発を担当していた教員が、その経験を活かし、材料設計に資する金属材料の一般的性質、構造材料や機能性材料の特徴や性質ならびに金属資源動向などを講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
1.固体の結晶構造についてX線結晶学の基礎を交えながら講義を行う。また、固体材料の中でも多用されている磁性体および誘電材料の特性や無機材料の合成技術について学ぶ。
2.金属全般の一般的性質(強度・物性など)や加工方法と代表的な金属素材の特徴・用途について学ぶ。
(補充試験の場合は、試験の点数のみで合格となる。)

〇評価方法
・定期試験80%、小テスト、レポートを20%として評価を行う。
・答案およびレポートは採点後返却し、達成度を伝達する。
・総合評価は100点満点として、60点以上を合格とする。
注意点:
1.本科で学習した化学や物理の知識が基礎になるので、必要に応じて復習および補強しなければならない。
2.各自の専門分野と関連づけて考察することが必要。
3.一般的な「材料」の重要性に対する関心を常に持ち、認識を深めること。

・自学自習は試験にて評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 結晶構造
2週 磁性材料
3週 誘電材料
4週 セメント
5週 環境浄化触媒
6週 薄膜、超微粒子合成技術
7週 無機材料合成技術に関する演習
8週 金属材料の基礎
2ndQ
9週 鉄の歴史
10週 鉄・鉄鋼の製造(乾式製錬)
11週 鉄・鉄鋼の加工技術
12週 非鉄金属に関する概説
13週 新機能材料に関する概説
14週 総括・期末到達度試験
15週 期末到達度試験の答案返却とまとめ
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。4
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。1
物質が原子からできていることを説明できる。4
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。4
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。2
純物質と混合物の区別が説明できる。2
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。1
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。2
水の状態変化が説明できる。2
物質の三態とその状態変化を説明できる。2
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。3
同位体について説明できる。2
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。1
原子のイオン化について説明できる。3
代表的なイオンを化学式で表すことができる。3
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。1
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。2
イオン式とイオンの名称を説明できる。4
イオン結合について説明できる。4
イオン結合性物質の性質を説明できる。4
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。4
共有結合について説明できる。2
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。1
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。4
金属の性質を説明できる。4
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。1
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。1
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。1
酸化還元反応について説明できる。4
イオン化傾向について説明できる。1
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。1
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。2

評価割合

試験小テスト・レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000