技術者倫理(5210)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 技術者倫理(5210)
科目番号 0033 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 産業システム工学専攻環境都市・建築デザインコース 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 1
教科書/教材 技術者の倫理——循環型社会に向けた技術者の責務と責任/熊谷浩二・高橋康造編/技術堂出版 プリントを配布するとともに、ビデオ等を用いる。
担当教員 平川 武彦,矢口 淳一,佐々木 有,関 秀廣

到達目標

[関・矢口] 技術者倫理においては、多数の解決策があることを理解・認識し、自分および他人の解決策に対しての見解を持ち選択できる」ための知識の習得(50%)、および事例討議やレポート等で自分の意見を複数表現できること(50%)について達成度を評価する。
[佐々木・平川] それぞれのテーマについて自分の意見に基づいたレポートを作成し、それを基にプレゼンテーション、他の学生とお互いに批判・討論できること

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 生命倫理についてのケーススタディ各ケーススタディについて自己の考えをまとめ、討論に参加できること各ケーススタディについて自己の考えをまとめることできること各ケーススタディについて自己の考えをまとめることができないこと
評価項目2 公害や環境問題、技術者倫理のケーススタディーについて事例討議やレポート等で自分の意見を複数表現できる。事例討議やレポート等で自分の意見を表現できる。事例討議やレポート等で自分の意見を表現できない。
評価項目3 技術者倫理の基本的知識の理解、技能、態度の習得技術者倫理の社会的背景や重要性、基本的事項(説明責任、内部告発、製造物責任、リスク管理や運用)や環境問題、知的財産等を理解し、地域社会や各国などの活動において、文化や慣習、法令を守りながら活動するための事例の分析を行える技術者倫理の社会的背景や重要性、基本的事項(説明責任、内部告発、製造物責任、リスク管理や運用)や環境問題、知的財産等を理解し、地域社会や各国などの活動において、文化や慣習、法令を守りながら活動するための事例の評価を行える技術者倫理の社会的背景や重要性、基本的事項(説明責任、内部告発、製造物責任、リスク管理や運用)や環境問題、知的財産等を理解し、地域社会や各国などの活動において、文化や慣習、法令を守りながら活動するための事例の説明を行えない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 DP2 産業発展への寄与 説明 閉じる
地域志向 〇 説明 閉じる

教育方法等

概要:
[関・矢口・平川] 技術者は、単に便利で品質のよいものを提供し、人々の生活の便益に貢献するだけでは、社会的な責任を果たしたことにはならない。倫理学の一部に位置する技術者倫理は、「技術が社会や自然に及ぼす影響や効果、および技術者が社会に対して負っている責任に関する理解」の知識・能力を体得すること目指し、「地球的視点から多面的に物事を考える能力とその素養」についても触れる。この科目は、これまでの個々の講義でも触れている内容ではあるが、集中化してより効率的な学習教育を目指していく。さらに、異なる価値観を持ちながらも、議論により共通の課題の解決のための手法を身につける端緒としたい。
[佐々木] 生命科学の発展による遺伝子組み替え技術やクローン技術を応用した動植物による食物増産、生殖医療、難病治療など、人類は様々な分野で恩恵を受けている。この傾向は今後も拡大すると考えられるが、生命工学は生命の根本システムを操作するものであるため、新たな技術の展開と実用化には生命倫理、安全性など、国民的な幅広いコンセンサスが必要である。ここでは「生命とは何か?」を考え、いかに「生命の尊厳」を尊重しつつ研究者、技術者として生物を扱うことができるかについて考えたい。
授業の進め方・方法:
 [関・矢口・平川] 特定の価値観を教え込むことではなく、専門職として物事の選択や判断する個々の基準を形成してもらうように考えて講義する。また、国内外あるいは地域による考え方や文化の違いを紹介する。この科目は、初めて遭遇した事象について、複数の選択肢を考える能力やその中から判断理由を明確にして選び、それを説明する能力を身に付けるものである。このため、各授業は、講義とともにレポートや討議により理解度を把握しながら進める。
[佐々木] 生命倫理が絡むケーススタディーを通じて、生命倫理を考え、技術者として必要な倫理的側面を討議していく。授業はすべて教員と学生、学生同士の討議によって進めていく。
注意点:
[関・矢口・平川] 毎回、授業時間中にレポート作成を行い、次回にいくつかのレポートをもとに討議する。
[佐々木] 授業はすべて教員と学生、学生同士の討議によって進めていくので、事前に与えられたテーマについて、自分の考えをまとめてレポートを作成しておくこと。その内容を基にお互いに批判・討論することと、人の意見を尊重していくことが重要である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 生命倫理について 生殖医療などで、生命倫理と法の間に大きな解離があることが理解できる
2週 遺伝子工学と倫理のケーススタディー1(求む ノーベル賞受賞者の精子 etc) 与えられたケーススタディについて、自己の考えをまとめ、討論できること
3週 同上 2  (凍結受精卵は誰のもの? 私は誰の子? etc) 与えられたケーススタディについて、自己の考えをまとめ、討論できること
4週 同上 3  (私の胎児は私が使う、私の臓器を売って何が悪い etc) 与えられたケーススタディについて、自己の考えをまとめ、討論できること
5週 生命操作はどこまで許されるか(討論) 与えられたケーススタディについて、自己の考えをまとめ、討論できること
6週 公害と技術者1、事例「水俣病」 水俣病について、それぞれのの立場で発生原因、解決策を考える。
7週 公害と技術者2、事例「水俣病」 水俣病について、それぞれのの立場で自己の考えをレポートにまとめる。
8週 「何故、技術者は特別な責任を負うのか?」 技術者が高い倫理性と社会に関して特別な責任を負うことを理解して説明できる
4thQ
9週 技術者の定義・役割の変遷、事例「東京電力福島第一原子力発電所の事故」 技術者の定義や役割の変遷、事例について理解して説明できる
10週 倫理と職業倫理・技術者倫理、国内外の倫理規定 技術士や専門学会の倫理規定と技術者の職業的な特質をよく理解して説明ができる
11週 技術と社会の関係について 科学技術の発展と社会との相互の関係性と影響をよく理解して説明ができる
12週 働くことの意味と社会・技術の関係 技術者として働くことの意味と生涯設計を理解して説明ができる
13週 社会や職場における個人と集団との関係 技術者として活動する中で、人間として自己の確立と職場などの集団における適切な行動や働きかけについて理解して説明ができる
14週 技術の進歩発展と人間性との調和について 科学技術して可能なことや技術者としての活動が社会や環境に与えるインパクトや負荷、倫理規定との乖離が時として生じることを理解して適切な行動を図ることための基礎を理解し説明できる
15週 「技術者倫理」で何を身につけたか(討論) 技術者倫理の授業を通して、多様な価値観や考え方があることを理解して、討論において自己の考えを適切に主張をすることができる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

課題棟論への参加姿勢相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力80200000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000