材料化学(5241)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 材料化学(5241)
科目番号 0037 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 産業システム工学専攻環境都市・建築デザインコース 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 しくみ図解シリーズ金属材料が一番わかる/三木貴博監修/技術評論社/2014
セラミックス科学 基礎から応用まで (エキスパート応用化学テキストシリーズ)/鈴木 義和 (著)/講談社/2023
セラミックスの焼結/守吉佑介共著/内田老鶴圃/1995
セラミックス材料科学入門 基礎編・応用編/W.D.キンガリー共著、小松和蔵共訳/内田老鶴圃/1980, 1981
教員作成資料
担当教員 新井 宏忠,丸岡 大佑

到達目標

1.金属材料の一般的性質と用途、その発現機構の概略を説明できること。
2.無機材料の一般的性質と用途、エンジニアリングセラミックスの一般的な製造プロセスの概略が説明できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
鉄・鉄鋼の製造鉄鋼材料が鉱石からどのように製造・加工されるのか、基礎的な流れを説明できる。教科書等の参考情報により、鉄鋼材料が鉱石からどのように製造・加工させるのか、基礎的な流れを説明できる。教科書等の参考情報を参照しても、鉄鋼材料が鉱石からどのように製造・加工させるのか、基礎的な流れを説明できない。
非鉄金属材料に関する概説非鉄金属(Al・Cu・Ti・Zn、レアメタルなど)の製造方法、物理的および化学的性質を説明できる。また、代表的な用途を説明できる。教科書等の参考情報により、非鉄金属(Al・Cu・Ti・Zn、レアメタルなど)の製造方法、物理的および化学的性質を説明できる。また、代表的な用途を説明できる。教科書等の参考情報により、非鉄金属(Al・Cu・Ti・Zn、レアメタルなど)の製造方法、物理的および化学的性質を説明できない。
新機能材料に関する概説高張力鋼板や電磁鋼、アモルファス金属などの先端材料の物理的および化学的性質を説明できる。教科書等の参考情報により、高張力鋼板や電磁鋼、アモルファス金属などの先端材料の物理的および化学的性質を説明できる。教科書等の参考情報を参照しても、高張力鋼板や電磁鋼、アモルファス金属などの先端材料の物理的および化学的性質を説明できない。
無機材料の歴史人類が無機材料を使用してきた歴史を理解し、現在および今後注目される無機材料について概略を説明できる。教科書等の参考情報により、人類が無機材料を使用してきた歴史を理解し、現在および今後注目される無機材料について概略を説明できる。教科書等の参考情報を参照しても、人類が無機材料を使用してきた歴史を理解し、現在および今後注目される無機材料について概略を説明できない。
エンジニアリングセラミックスの製造プロセス(粉体調製・成形)エンジニアリングセラミックスの一般的な製造プロセスのうち、粉体の作製手法や成形手法について概略を説明できる。教科書等の参考情報により、エンジニアリングセラミックスの一般的な製造プロセスのうち、粉体の作製手法や成形手法について概略を説明できる。教科書等の参考情報を参照しても、エンジニアリングセラミックスの一般的な製造プロセスのうち、粉体の作製手法や成形手法について概略を説明できない。
エンジニアリングセラミックスの製造プロセス(焼結・加工)エンジニアリングセラミックスの一般的な製造プロセスのうち、焼結手法や加工手法について概略を説明できる。教科書等の参考情報により、エンジニアリングセラミックスの一般的な製造プロセスのうち、焼結手法や加工手法について概略を説明できる。教科書等の参考情報を参照しても、エンジニアリングセラミックスの一般的な製造プロセスのうち、焼結手法や加工手法について概略を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

ディプロマポリシー DP3 ◎ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
【開講学期】春・夏学期週2時間
「材料」の発展は最近特に著しく、化学、薬学、電気・電子工学、機械工学、土木工学等あらゆる分野に新素材を提供している。この講義では、今日の工業技術の中でも中心的な役割を担っている金属材料などの各論について講義する。

※実務との関係
この科目は、全15週のうち、前半の第1週から第7週において、企業で金属素材製造プロセスの改善・評価、高付加価値素材の製造方法の設計等の研究開発を担当していた教員が、その経験を活かし、材料設計に資する金属材料の一般的性質、構造材料や機能性材料の特徴や性質ならびに金属資源動向などを講義形式で授業を行うものである。後半の第8週から第15週において、大学における無機材料の研究開発を行ってきた教員が、一般的なエンジニアリングセラミックス製造プロセスの理解を主体として、種々の無機材料を概観する授業を講義形式で行うものである。
授業の進め方・方法:
1.金属全般の一般的性質(強度・物性など)や加工方法と代表的な金属素材の特徴・用途について学ぶ。
(補充試験の場合は、試験の点数のみで合格となる。)
2.エンジニアリングセラミックスの一般的な製造プロセス(粉体調製、成形、焼結、加工など)や代表的な無機材料の特徴・用途について学ぶ。
(補充試験の場合は、試験の点数のみで合格となる。)

〇評価方法
・定期試験80%、小テスト、レポートを20%として評価を行う。
・総合評価は100点満点として、60点以上を合格とする。
注意点:
1.本科で学習した化学や物理の知識が基礎になるので、必要に応じて復習および補強しなければならない。
2.各自の専門分野と関連づけて考察することが必要。
3.一般的な「材料」の重要性に対する関心を常に持ち、認識を深めること。

・自学自習は試験にて評価する。
・無機材料関連の教科書は自学自習の参考書として例示しているため、授業に際して必ずしも購入する必要はない。授業では主に教員作成資料を用いる。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 金属材料の基礎
2週 鉄の歴史
3週 鉄・鉄鋼の製造(乾式製錬)
4週 鉄・鉄鋼の加工技術
5週 非鉄金属に関する概説
6週 新機能材料に関する概説
7週 新機能材料に関する概説
8週 演習
2ndQ
9週 無機材料の基礎
10週 無機材料の歴史(古代~近代)
11週 エンジニアリングセラミックスの製造プロセス(粉体調製・成形)
12週 エンジニアリングセラミックスの製造プロセス(焼結・加工)
13週 無機材料の現在から未来
14週 無機材料の現在から未来
15週 演習
16週 試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学化学代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。4前8
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。1
物質が原子からできていることを説明できる。4前1
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。4前1
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。2
純物質と混合物の区別が説明できる。2前10
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。1
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。2前12
水の状態変化が説明できる。2
物質の三態とその状態変化を説明できる。2
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。3
同位体について説明できる。2
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。1
原子のイオン化について説明できる。3前12
代表的なイオンを化学式で表すことができる。3
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。1
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。2
イオン式とイオンの名称を説明できる。4
イオン結合について説明できる。4
イオン結合性物質の性質を説明できる。4
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。4
共有結合について説明できる。2
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。1
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。4
金属の性質を説明できる。4
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。1
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。1前11
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。1
酸化還元反応について説明できる。4
イオン化傾向について説明できる。1
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。1
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。2前12

評価割合

試験小テスト・レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000