反応工学B(3165)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 反応工学B(3165)
科目番号 0165 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 _物質工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 ベーシック化学工学,橋本健二;化学同人
担当教員 松本 克才,新井 宏忠

到達目標

化学反応の量論関係と速度式を理解する。回分、流通、管型反応器の反応速度式の導出法と、それらの違いを理解すること。各反応器は、流体の混合の違いにより、反応効率が異なることを理解する。反応速度の律速段階とその同定についても理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
化学プロセスの反応器担当教員の助言なしに、回分反応器、流通反応器、管型反応器の原理・特性を説明でき、および反応速度解析を行える。教科書等を参照しながら、回分反応器、流通反応器、管型反応器の原理・特性を説明でき、および反応速度解析を行える。担当教員の助言や教科書等を参照しても、回分反応器、流通反応器、管型反応器の原理・特性を説明でき、および反応速度解析を行えない。
反応装置の設計と操作担当教員の助言なしに、各種反応装置の操業条件、操作条件を計算することができる。教科書等を参照しながら、各種反応装置の操業条件、操作条件を計算することができる。担当教員の助言や教科書等を参照しても、各種反応装置の操業条件、操作条件を計算できない。
非等温系の設計担当教員の助言なしに、熱発生も考慮したプロセス解析を行える。教科書等を参照しながら、熱発生も考慮したプロセス解析を行える。担当教員の助言や教科書等を参照しても、熱発生も考慮したプロセス解析を行えない。
未反応核モデル担当教員の助言なしに、未反応核モデルを説明でき、モデル式を導出過程を理解している。担当教員の助言なしに、未反応核モデルを説明できる。未反応核モデルを説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
反応工学とは化学反応の速度過程について物質移動や熱移動の影響を加味した物質収支式と熱収支式を基に解析し、合理的で経済的な反応プロセスの選定と設計および操作を行うために必要な知識を体系化した学問である。本講義では、単一および複合反応における反応速度解析ならびにこれを基とした反応装置について解説した反応工学Aに引き続き、反応装置の設計方法を、回分、流通、管型反応器ごとに解説する。講義は、理想流れを主眼として説明するが、流通式反応器、管型反応器は、流体の混合の違いによる反応率への影響についての説明を行う。
授業の進め方・方法:
化学反応過程を濃度や温度を関数とした反応速度の求め方について学び、反応速度解析から反応装置の設計方法を学習する。授業では、演習問題を随時実施し、理解度に応じて講義を進め、レベル向上を図る。
注意点:
化学反応および反応過程を理解し、反応速度式の誘導方法ならびに解析方法も習得する。流体の混合(回分式と流通式)の違いによる反応効率の違いを理解すること。電卓は常時準備しておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 回分反応器による反応速度解析
2週 流通反応器による反応速度解析
3週 反応器内滞留時間分布
4週 反応装置の設計と操作、性能比較
5週 複合反応の量論関係
6週 非等温反応系の設計
7週 未反応核モデル
8週 到達度試験
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学陽イオンや陰イオンの関係した化学反応について理解し、溶液中の物質の濃度計算(定量計算)ができる。1
物理化学平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。1
反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。3
反応速度定数、反応次数の概念を理解して、計算により求めることができる。3
微分式と積分式が相互に変換できて半減期が求められる。3
連続反応、可逆反応、併発反応等を理解している。3
律速段階近似、定常状態近似等を理解し、応用できる。3
衝突理論を理解して、アレニウスプロットを説明できる。3
化学工学SI単位への単位換算ができる。3
物質の流れと物質収支についての計算ができる。3
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。3
管径と流速・流量・レイノルズ数の計算ができ、流れの状態(層流・乱流)の判断ができる。3
流れの物質収支の計算ができる。1
流れのエネルギー収支やエネルギー損失の計算ができる。1
熱交換器の構造、熱収支について説明できる。1
熱伝導による熱流量について説明できる。1
熱交換器内の熱流量について説明できる。1
バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解できる。3
温度、圧力、液位、流量の計測方法と代表的な測定機器(装置)について理解している。1

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80002000100
基礎的能力0000000
専門的能力80002000100
分野横断的能力0000000