概要:
現代社会は、直接目にすることは少ないものの高度に機能化された材料で満ち溢れている。例えば、携帯電話一つとってみても、初期の通信機能主体であったものがいまでは超小型の情報通信端末へと進化し、生活の必需品となっている。本講義における目標は、特に無機材料にまとを絞り、これらの材料の機能性を理解し、さらには新機能開発のための知識の基礎を築くことにある。
授業の進め方・方法:
本講義では、われわれに身近な携帯電話やパソコン、デジタルカメラといった製品に使われている現代を代表する無機材料について、「どのような原理で」、「どのようにつくられているのか」など、物性、昨日、製造法などの実例を挙げながら、その原理や応用について学ぶ。
注意点:
無機化学で学んだ基礎的な反応や無機化合物の性質が基礎となる。また、材料の機能特性を理解するうえで、物理学の基礎および原子、分子、結晶に関する物理化学的知識も必要である。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 無機化学 | 主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。 | 4 | |
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。 | 4 | |
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。 | 4 | |
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。 | 4 | |
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。 | 4 | |
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。 | 4 | |
イオン結合と共有結合について説明できる。 | 4 | |
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。 | 4 | |
金属結合の形成について理解できる。 | 4 | |
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。 | 2 | |
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。 | 2 | |
各種無機材料の機能発現や合成反応を結晶構造、化学結合、分子軌道等から説明できる。 | 4 | |
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。 | 4 | |
配位結合の形成について説明できる。 | 4 | |
水素結合について説明できる。 | 4 | |
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。 | 4 | |
セラミックス(ガラス、半導体等)、金属材料、炭素材料、半導体材料、複合材料等から、生活及び産業を支えるいくつかの重要な無機材料の用途・製法・構造等について理解している。 | 4 | |
現代を支える代表的な新素材を例に、その機能と合成方法、材料開発による環境や生命(医療)等、現代社会への波及効果について説明できる。 | 4 | |
単結晶化、焼結、薄膜化、微粒子化、多孔質化などのいくつかについて代表的な材料合成法を理解している。 | 4 | |
物理化学 | ネルンストの式を用いて、起電力、自由エネルギー、平衡定数の関係が説明できる。 | 2 | |
電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる。 | 4 | |