線形代数Ⅱ

科目基礎情報

学校	一関工業高等専門学校	開講年度	令和04年度 (2022年度)
授業科目	線形代数Ⅱ
科目番号	0048	科目区分	一般 / 必修
授業形態	講義	単位の種別と単位数	履修単位: 1
開設学科	未来創造工学科（一般科目）	対象学年	3
開設期	前期	週時間数	2
教科書/教材	【教科書】高専テキストシリーズ　線形代数、編者：高専の数学教材研究会、発行：森北出版　問題集」高専テキストシリーズ　線形代数問題集、編者：高専の数学教材研究会、発行：森北出版
担当教員	林 航平,松尾 幸二

到達目標

① 行列の基本変形を理解し, 関連する問題が解ける.
② 線形変換の概念を理解し, 関連する問題が解ける.
③ 行列の固有値と固有ベクトルの概念を理解し, 関連する問題が解ける.


【教育目標】C

【キーワード】基本変形，連立1次方程式，逆行列，階数，線形変換，直交行列，固有値，固有ベクトル，対角化

ルーブリック

	理想的な到達レベルの目安(優	標準的な到達レベルの目安	未到達レベルの目安
行列の基本変形を理解し, 関連する問題が解ける.	行列の階数と連立１次方程式の解の分類との関係を理解し, 基本問題と応用問題が解ける.	掃き出し法により連立1次方程式の解を求めたり、逆行列の計算をすることができる.	掃き出し法により連立1次方程式の解を求めたり, 逆行列の計算をすることができない.
線形変換の概念を理解し, 関連する問題が解ける.	線形変換とその合成変換・逆変換, 回転, 直行行列と直行変換の概念を理解し, 基本問題と応用問題が解ける.	線形変換とその合成変換・逆変換, 回転, 直行行列と直行変換の概念を理解し, 基本問題が解ける.	線形変換とその合成変換・逆変換, 回転, 直行行列と直行変換の概念を理解できず, 基本問題が解けない.
行列の固有値と固有ベクトルの概念を理解し, 関連する問題が解ける.	行列の固有値と固有ベクトル, 対角化, 対称行列の直行行列による対角化について理解し, 基本問題と応用問題が解ける.	行列の固有値と固有ベクトル, 対角化, 対称行列の直行行列による対角化について理解し, 基本問題が解ける.	行列の固有値と固有ベクトル, 対角化, 対称行列の直行行列による対角化について理解できず, 基本問題が解けない.

教育方法等

概要:

２年で学んだ線形代数Ⅰを基礎として，線形代数のさらなる重要事項を学ぶ．特に，連立方程式の解法，固有値・固有ベクトルの計算方法，および行列の対角化の方法を習得する．

授業の進め方・方法:

授業は教科書に沿って進める．必要に応じてプリント・問題集等で演習問題を補充する．

注意点:

内容を理解し，専門科目で応用できる知識を定着させるために，予習・復習は必須である．線形代数Ⅰの内容を基礎とするため，よく復習しておくこと．

【事前学習】
「授業項目」に対応する教科書の内容を事前に読んでおくこと．また，ノートの前回の授業部分を復習しておくこと．

【評価方法・評価基準】
試験結果(100%)で評価する．詳細は第１回目の授業で告知する．また，自学自習を支援するため，必要に応じて課題等の提出を求める．課題の提出状況によっては，再試験の受験を認めない場合があるので注意すること．線形代数Ⅱの内容に関する全般的な理解度を評価し，総合成績60点以上を単位修得とする．

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング

ICT 利用

授業計画

		週	授業内容	週ごとの到達目標
前期
	1stQ
		1週	基本変形による連立１次方程式の解法	行に関する基本変形と連立１次方程式の解法との関係を理解できる
		2週	基本変形による連立１次方程式の解法	掃き出し法（ガウス・ジョルダンの消去法）により連立１次方程式を解くことができる
		3週	基本変形による逆行列の計算	基本変形により逆行列を計算することができる
		4週	行列の階数	行列の階数を計算することができる
		5週	行列の階数と連立１次方程式	行列の階数により連立１次方程式の解を分類できる
		6週	ベクトルの線形独立と線形従属	ベクトルの線形独立性を判定できる
		7週	演習	基本変形とその応用についての基本的な問題が解ける
		8週	中間試験
	2ndQ
		9週	線形変換とその表現行列	線形変換の性質を理解し、線形変換による点や直線の像を求めることができる
		10週	いろいろな線形変換、合成変換と逆変換	原点を中心とする回転を表す行列や合成変換、逆変換の行列を求めることができる
		11週	直交行列と直交変換	直交変換の性質を理解できる
		12週	固有値と固有ベクトル	正方行列の固有値や固有ベクトルを求めることができる
		13週	行列の対角化	行列を対角化することができる
		14週	対称行列の対角化	対称行列を直行行列によって対角化できる
		15週	期末試験
		16週	まとめ	線形代数Ⅱの内容を理解することができる．

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類		分野	学習内容	学習内容の到達目標	到達レベル	授業週
基礎的能力	数学	数学	数学	ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。	3
				平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。	3
				平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。	3
				問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。	3
				空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。	3
				行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。	3
				逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。	3
				行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。	3
				線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。	3
				合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。	3
				平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。	3

評価割合

	前期中間試験	前期期末試験	合計
総合評価割合	50	50	100
基本変形とその応用	25	0	25
線形変換	25	0	25
固有値と固有ベクトル	0	25	25
行列の対角化	0	25	25