流体力学

科目基礎情報

学校	一関工業高等専門学校	開講年度	令和04年度 (2022年度)
授業科目	流体力学
科目番号	0025	科目区分	専門 / 選択
授業形態	講義	単位の種別と単位数	学修単位: 2
開設学科	未来創造工学科（機械・知能系）	対象学年	4
開設期	後期	週時間数	2
教科書/教材	教：流体力学, 著者：　金原 粲，実教出版
担当教員	井上 翔

到達目標

①流れを支配する基礎事項を理解し、説明できる
②パスカルの原理や静水圧を理解し、圧力中心、浮力などの静止した流体に関する計算ができる
③層流と乱流の違いや、流れの基礎方程式について導出し説明できる
④ベルヌーイの定理を理解し、マノメータ、オリフィス、ベンチュリ管等に関する計算ができる
⑤管路等の摩擦損失、各種圧力損失の発生要因を理解し計算ができる
⑥運動量理論を理解し、物体に働く力の計算ができる

【教育目標】D
【学習・教育到達目標】C-2,D-1
【学習キーワード】　粘性、レイノルズ数、パスカルの原理、浮力、層流と乱流、質量保存則、ナヴィエ・ストークス方程式、ベルヌーイの定理、マノメータ、オリフィス・ベンチュリー管、運動量理論、管摩擦係数、揚力・抗力

ルーブリック

	理想的な到達レベルの目安（Lv4）	標準的な到達レベルの目安（Lv3）	基礎的な到達レベルの目安（Lv1～２）	未到達レベルの目安
流れを支配する基礎事項を理解し、説明できる	流れを支配する基礎事項を理解し、専門用語を交えて説明できる	流れを支配する基礎事項を理解し、簡単に説明できる	流れを支配する基礎事項を理解している	流れを支配する基礎事項を理解し、専門用語を交えて説明できない
パスカルの原理や静水圧を理解し、圧力中心、浮力などの静止した流体に関する計算ができる	圧力中心、浮力などの静止した流体に関する基本・応用計算ができる	圧力中心、浮力などの静止した流体に関する基本計算ができる	圧力中心、浮力などの静止した流体に関する基本的知識を理解している	圧力中心、浮力などの静止した流体に関する基本計算ができない
層流と乱流の違いや、流れの基礎方程式について導出し説明できる	層流と乱流の違いや、流れの基礎方程式について導出し詳しく説明できる	層流と乱流の違いや、流れの基礎方程式について導出し概略を説明できる	層流と乱流の違いや、流れの基礎方程式について基本的知識を理解している	層流と乱流の違いや、流れの基礎方程式について導出や説明ができない
ベルヌーイの定理を理解し、マノメータ、オリフィス、ベンチュリ管等に関する計算ができる	ベルヌーイの定理を理解し、マノメータ、オリフィス、ベンチュリ管等に関する基本・応用計算ができる	ベルヌーイの定理を理解し、マノメータ、オリフィス、ベンチュリ管等に関する基本計算ができる	ベルヌーイの定理を理解し、マノメータ、オリフィス、ベンチュリ管等に関する知識を理解している	ベルヌーイの定理を理解し、マノメータ、オリフィス、ベンチュリ管等に関する基本計算ができない
管路等の摩擦損失、各種圧力損失の発生要因を理解し計算ができる	管路等の摩擦損失、各種圧力損失の発生要因を理解し基本・応用計算ができる	管路等の摩擦損失、各種圧力損失の発生要因を理解し基本計算ができる	管路等の摩擦損失、各種圧力損失の発生要因を理解している	管路等の摩擦損失、各種圧力損失の発生要因を理解し基本計算ができない
運動量理論を理解し、物体に働く力の計算ができる	運動量理論を理解し、物体に働く力の基本・応用計算ができる	運動量理論を理解し、物体に働く力の基本計算ができる	運動量理論を理解し、物体に働く力の概略をとらえることができる	運動量理論を理解し、物体に働く力の計算ができない

教育方法等

概要:

現実の「流れ」は３次元かつ非定常現象であるが、バランスに着目すると１次元定常現象として説明できることが多い。本授業ではそのような近似を前提に、流れを支配する物理的原理を理解し、実験的・理論的の両面から説明できるようになることを目標とする。さらに、工学的な問題演習を通じて技術者に必要な計算能力を身に着ける。

授業の進め方・方法:

配布スライドによる説明および問題演習を中心に進める。

注意点:

【事前学習】
「授業項目」に対応する教科書の内容を事前に読んでおくこと。また、前回の授業部分を復習しておくこと。

【評価方法・評価基準】
・試験の結果(100%)で評価する
・適宜自学自習課題を課す。

授業の属性・履修上の区分

必履修

授業計画

		週	授業内容	週ごとの到達目標
後期
	3rdQ
		1週	流体と流れの特性	流体の特性である粘性、圧縮性等を説明できる
		2週	静止流体の力学１	パスカルの原理や静水圧について説明し、計算ができる
		3週	静止流体の力学2	マノメーターの原理について理解し、説明できる
		4週	静止流体の力学3	圧力中心、浮力等について理解し説明できる
		5週	流れの基礎事項１	層流や乱流などの流れの状態を理解し、レイノルズ数などを用いて説明できる
		6週	流れの基礎事項2	流れの基礎方程式（質量保存則、運動方程式、エネルギー式）等について説明ができる
		7週	演習
		8週	中間試験
	4thQ
		9週	ベルヌーイの定理１	ベルヌーイの定理について説明できる
		10週	ベルヌーイの定理2	オリフィス・ベンチュリ管等について説明できる
		11週	運動量理論	運動量理論と流体力の関係について説明できる
		12週	管路内の流れと損失1	管路による摩擦損失について理解し計算ができる
		13週	管路内の流れと損失2	配管要素の各種損失について理解できる
		14週	物体回りの流れ	物体に働く抗力・揚力について理解できる
		15週	期末試験
		16週	授業のまとめ	学修内容を振り返り、流体工学等への応用を考えることができる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類		分野	学習内容	学習内容の到達目標	到達レベル	授業週
専門的能力	分野別の専門工学	機械系分野	熱流体	流体の定義と力学的な取り扱い方を理解し、適用できる。	4
				流体の性質を表す各種物理量の定義と単位を理解し、適用できる。	4
				ニュートンの粘性法則、ニュートン流体、非ニュートン流体を説明できる。	4
				絶対圧力およびゲージ圧力を説明できる。	4
				パスカルの原理を説明できる。	4
				液柱計やマノメーターを用いた圧力計測について問題を解くことができる。	4
				平面や曲面に作用する全圧力および圧力中心を計算できる。	4
				物体に作用する浮力を計算できる。	4
				定常流と非定常流の違いを説明できる。	4
				流線と流管の定義を説明できる。	4
				連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。	4
				オイラーの運動方程式を説明できる。	4
				ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。	4
				運動量の法則を理解し、流体が物体に及ぼす力を計算できる。	4
				層流と乱流の違いを説明できる。	4
				レイノルズ数と臨界レイノルズ数を理解し、流れの状態に適用できる。	4
				ダルシー・ワイスバッハの式を用いて管摩擦損失を計算できる。	4
				ムーディー線図を用いて管摩擦係数を求めることができる。	4
				境界層、はく離、後流など、流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を説明できる。	4
				抗力について理解し、抗力係数を用いて抗力を計算できる。	4
				揚力について理解し、揚力係数を用いて揚力を計算できる。	4

評価割合

	中間試験	期末試験	合計
総合評価割合	50	50	100
定期試験	50	50	100